【RIZIN】決まりかけた朝倉海―皇治が消滅した理由 「いいとも~」から1週間…榊原CEO「ファンの声が辛辣で」

格闘技イベント「For Japan presents RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA」(10月1日、愛知・ドルフィンズアリーナ=ABEMA PPV ONLINE LIVEで全試合生中継)の前日計量が30日、名古屋市内で行われた。対戦が急浮上していた朝倉海―皇治について、榊原信行CEOが正式に試合の消滅をアナウンスした。1週間前には決まりかけたサプライズマッチだが、結局は大会前日に消滅。榊原CEOが経過を説明した。

榊原信行CEO【写真:ENCOUNT編集部】
榊原信行CEO【写真:ENCOUNT編集部】

皇治戦消滅の後も20人を超えるファイターに打診

 格闘技イベント「For Japan presents RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA」(10月1日、愛知・ドルフィンズアリーナ=ABEMA PPV ONLINE LIVEで全試合生中継)の前日計量が30日、名古屋市内で行われた。対戦が急浮上していた朝倉海―皇治について、榊原信行CEOが正式に試合の消滅をアナウンスした。1週間前には決まりかけたサプライズマッチだが、結局は大会前日に消滅。榊原CEOが経過を説明した。

 発端は24日にさいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN.44」でのサプライズだった。左ひざの怪我で戦線離脱中の海がリングに上がり、榊原CEOの緊急オファーを受けて電撃参戦が決まった。しかも対戦相手として、RIZINの榊原CEOがMMAデビュー戦の元K-1ファイター皇治に公開電話し、オファーするという前代未聞の展開となっていた。

「出てくれるかな~?」という榊原CEOの問いかけに、皇治も「いいとも~!」と一度は快諾した。だが、結局試合は実現しなかった。榊原CEOが明かす。

「大会終わった後も、電話でもうちのスタッフとも色々話をする中で、皇治も色々と周りにも相談したんでしょう。周りからの大反対もあり、本気で総合を目指すことを志して、何か月かトレーニングする中で、やっぱり総合格闘技の難しさとか奥深さとか、それを思い知ったが故にね。朝倉海と(MMA)デビュー戦でっていうのは、皇治も格闘家としてのキャリアもあって、出る以上は恥ずかしいこともできないだろうし、あと1か月あれば、整えられたということだと思うんだけど。あまりにもショートノーティスだったということ。

 最終的には皇治の方の覚悟というか、そういうのもなかなか決まらない中で、グラップリングのルールにしたらどうだとか、ボクシングのルールでやったらどうだとか、色々あった。その中で意外にファンの皆さんの声が辛辣で。関係者も含めて、1つ間違うとRIZINが積み上げてきた信用を覆しかねない。リスクもでかいなと」

 この対戦は決まった瞬間からネット上ではネガティブな声が散見された。それはファンだけでなく、格闘技関係者からも批判の声が上がったという。かねてから周囲の声には動じず、サプライズを貫いてきた“地獄のプロモーター”にとっても、「今回はさすがにちょっと無茶だなと」。

クレベル戦浮上も…「ここで無理したがために、大切なものを失いかねないと」

 結局、28日に中止を決定。その後も出場に意欲をのぞかせる海の相手を探したが、「まぁまぁみんな逃げるんですよ。2日前、3日前のショートノーティスでも、試合に出たいっていう選手は国内、国外含めて結構いるんですが、やっぱり海っていう選手を前にすると、尻込みする選手が多かった」。わずかな期間ながら国内外の20選手以上に打診したというが、正式決定までには至らなかった。

 最終的には「すぐに試合をしたいだろうクレベルさんに、『クレベルやらない?』って言ったら、『やっていいよ』って」とRIZIN.44で試合をしたばかりのクレベル・コイケにオファーし快諾されたというが、ルールや契約体重を巡って頭を悩ませることに。

「キックルールで、オープンフィンガーでやろうかっていう話にもなったんですが、体重をどうするとか、ヒジありなしはどうするとか、色々考えてはみたんだけど、まぁこれも実際に発表されて、ファンが喜ぶかなって。万全な状態での試合が見たい2人だからね、変にここで無理したがために、大切なものを失いかねないと」と榊原CEO自身も冷静になり結局、海がファイターとしてリングに上がることはなくなった。

 一方で当日のリングには海が上がり、大みそかの試合を発表するという事も明かしていた。

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