リオ五輪銀メダリスト・太田忍、RIZIN王者になることを急ぐ理由「UFCからオファーが欲しい」
レスリングのリオ五輪銀メダリストの太田忍(29)は格闘技イベント「For Japan presents RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA」(愛知・ドルフィンズアリーナ)に出場する。当初、井上直樹と対戦予定であったが今月24日の「RIZIN.44」で井上の欠場が発表。急きょONEで実績を積んだ佐藤将光と対戦することになった。SNSで注目度を高める太田に、朝倉海や平本蓮、SNSの使い方について話を聞いた。
「僕の最終目標はUFC王者」
レスリングのリオ五輪銀メダリストの太田忍(29)は格闘技イベント「For Japan presents RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA」(愛知・ドルフィンズアリーナ)に出場する。当初、井上直樹と対戦予定であったが今月24日の「RIZIN.44」で井上の欠場が発表。急きょONEで実績を積んだ佐藤将光と対戦することになった。SNSで注目度を高める太田に、朝倉海や平本蓮、SNSの使い方について話を聞いた。
――改めてになりますが、レスリングから総合格闘家に転向された理由を教えてください。
「東京五輪に出られなかったからです。当初は2020年に開催予定だった。リオ五輪の決勝で負けてから20年は一番輝いてやるって決めてた。東京五輪に出られないと決まったのが19年の秋ぐらい。そこから何もやる気がなくなったときにお話(RIZINデビュー)をいただいて。五輪には出られなかったけど、20年の12月31日は派手な試合をしたら、俺の勝ちじゃないですか」
――オリンピアンから日本の格闘技はどう見えていましたか。
「観客として見に行ったこともあったり、ゲスト解説をする機会もありました。本当に華やかな舞台だなと。五輪レスリングですら、2万人の観客が入ることはない。2万人がいるなかでカッコイイ演出のなかで入場してきて、試合をする2人だけに注目する。そこは魅力的だと。やるとは思ってなかったですけどね」
――比較するものではないですが、勝利したときの興奮は五輪とは違いますか。
「僕の感覚ですけど、RIZINは世界選手権の決勝が毎回ある感じ。1試合に作り込むっていう。レスリングのときは世界選手権、五輪、大事な試合に向けて作る感じだったんですけど、格闘技はもう1試合が勝負ですから。1年に1回しか味わえなかった感覚が年に多ければ4回味わえる。KO勝ちとか最高ですからね」
――「2024年中までにバンタム級王者になる」という言葉もありました。
「来年中というのは、朝倉海選手と(フアン)アーチュレッタ選手の動向が分からないから。僕の予想では年末だと思ってる。今年中は無理だから、来年。このまま井上直樹(今回は欠場)に勝って僕がタイトル戦やっていいよと言われたら年末でも全然やります」
――デビューしたときからの目標だったのでしょうか。
「31歳までにはRIZIN王者にならないと。僕の最終目標はUFC王者なので、年齢的にも厳しいなと。本当に時間がない。昨年、ケガや新型コロナで試合を1試合しかできなかった。1年間、棒に振ったと思ってます。はやくRIZIN王者になってUFCからオファーが欲しい。オファーが来ないならRoad To UFCっていう選択もしないといけないので。もう年齢的に早くしないとなって」
――RIZINバンタム級の中での現在の立ち位置はどのあたりだと考えていますか。
「次勝ったらタイトル戦ができる」
――朝倉海との差はどれくらいに感じていますでしょうか。
「僕は現段階でも7:3で勝てると思っています。打撃以外は上回っていると思います。打・投・極で分けるなら3分の2は勝ってると思います。でも、打撃の面がすごくでかいし、RIZINはダメージを優先するので、そこがもう少しレベルアップしたら、確率も上がってくると思います。海選手も僕に対して『やりにくい相手』と思っていると思いますよ。勝算はあります」
――井上直樹(今回は欠場)との差はどう考えていますか。
「カードが決まった段階では、3:7。それを少しずつ埋めていって、試合の瞬間だけでもいいから逆転して、5分×3Rのときだけ勝てばいい。その瞬間だけ上回る練習をしているのでね。井上選手はすべてに関してレベルが高いですが、穴はスタミナですよね。あとは、早く決めたいって気持ちからなのか分からないですけど、焦って自分で消耗していく印象がありますね」
「SNSは僕の計算のなかで投稿している」
――話は変わりますがSNSの使い方についてどう考えていますか。
「僕は、勝たないとファンはつかないと考えています。知名度って弱い選手でもあるじゃないですか。平本(蓮)くんとか特に。試合以外に自分を発信できる場っていうのはSNSと思っています。フォロワー2万人くらいしかいないですけど、インプレッションは多いときで1日に400万くらいある。自分の作戦はうまくいっているかな。タイムラインにのるのが大事だと思います。
いまの格闘技界って知名度が特に大事。実力が1番ですけど、興行なので注目を集める選手が使いやすいと思う。そういう面でSNSは大事だと思います」
――「ヒールキャラ」と言われることもありますが、そのあたりはいかがですか。
「これに関して、意識はしていません。僕は思っていることを言ってるだけ。僕のSNSにフェイクはないです。実際に見たこと思ったことしか言わないので、否定されても取り上げられても僕はなんとも思わない。アンチが多いっていうのは、僕が経験してきたことをみなさんは経験していないから、分かるわけがない。僕のことを理解できないのは、中学生か人生をあきらめた人。でも、そういう人たちが盛り上げてくれるので、僕はどんどんやろうと思います」
――一般のユーザーとも舌戦をすることもあります。
「SNSは僕の計算のなかで投稿している。こういう投稿したらアンチはこう返すだろうって。いま、その想定のなかで全部動いている。最近、収益化したんですよ。リプライが多ければ多いほど広告がつく。アンチコメントがうれしくて。もっとやってくれって。思うつぼですよ」
――平本選手とのSNSバトルも注目されていました。そんな平本さんのSNS更新が止まってしまいましたが、どう見ていますか。
「自分でこのキャラ限界あるなって思ったんじゃないですか。彼の場合はすごいいい子で、それであのキャラ作りしてるからしんどくなる。僕は別にいい子じゃないし、そのままを出してるから全然つらくない。平本くんがまた出てくるときはキャラ変するんじゃないですか。僕は自分が言ってることは間違っていないと思っているので」
――階級は違いますが、平本選手との対戦可能性はあるのですか。
「言っていいのか分からないですけど、僕は何度も話をしています。実現しないのはなぜだと思いますか。(向こうが)断っているからだと思います。彼が断っているのかも、興行的に求められていないのかもしれないですけど、実現しないっていうのはそうだよね。負ける要素がないですから、彼に関しては。僕はフィクションないですから。フェイクないですから」