DEAN FUJIOKA、故郷・福島で起きた震災「日本に帰ろうというきっかけに」 デビュー10周年で初の武道館

アーティストとしてデビュー10周年を迎えたDEAN FUJIOKAが23日、東京・北の丸にある日本武道館で節目を記念したライブを開いた。ステージでは7月にリリースしたベスト盤『Stars of the Lid』に収録した曲を中心に18曲を熱唱。客席から送られた「愛してる」の声に、「僕の方が愛してるぜ」と返すなどして、集まったファンを魅了した。

デビュー10年を記念し、自身初の日本武道館を行ったDEAN FUJIOKA【写真:Yukitaka Amemiya】
デビュー10年を記念し、自身初の日本武道館を行ったDEAN FUJIOKA【写真:Yukitaka Amemiya】

美しいファルセット あふれる表現力でファンを魅了

 アーティストとしてデビュー10周年を迎えたDEAN FUJIOKAが23日、東京・北の丸にある日本武道館で節目を記念したライブを開いた。ステージでは7月にリリースしたベスト盤『Stars of the Lid』に収録した曲を中心に18曲を熱唱。客席から送られた「愛してる」の声に、「僕の方が愛してるぜ」と返すなどして、集まったファンを魅了した。

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 主演と初監督を務めた映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』(2013年)の主題歌『My Dimension』で、日本で本格的な音楽活動を開始してから10年。積み重ねてきた集大成を見せたいと選んだのは、ザ・ビートルズなどレジェンドも立ったロックの殿堂だった。

 赤、緑と変化する無数のレーザーが交差し青色に染まると、舞台の下から目隠しをしたDEANが現れた。審判を迫るような不穏なバイオリンの音に合わせ、矛盾した感情を歌い上げて行く。「♪君のために翼になる」。覚悟を決めたかのように、両目を覆っていた布を外すと、大歓声がDEANを包み込んだ。

「武道館のみんな、今日は来てくれてありがとう。最後まで楽しんで行こう」と呼びかけると、メインステージから客席の間へと続く花道を歩き、会場の真ん中にあるセンターステージへ。視線を向けられた観客は、手にしたサイリウムを大きく振って歓迎した。

『モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-』の主題歌『Echo』、『シャーロック』の主題歌『Shelly』など主演ドラマを彩った楽曲などを収録した自身初のベストアルバム『Stars of the Lid』は、その1曲1曲を星座に見立てて制作したと明かしたDEAN。『Runaway』では背後のスクリーンに宇宙に浮かぶ地球を映し出すなどして、武道館を銀河空間に変えた。宇宙旅行の合間には、ファンの前にひざまずき、美しいファルセットを響かせる場面もあった。

アコースティックギターを手にハイジャンプする勇姿に拍手が送られた【写真:Yukitaka Amemiya】
アコースティックギターを手にハイジャンプする勇姿に拍手が送られた【写真:Yukitaka Amemiya】

生まれ故郷・福島で起きた震災が「日本に帰るきっかけになった」

 客席にマイクを向けて「♪いいね いいよね」と掛け合った『Teleportation』では会場と一体に。切ない男心を歌った『One Last Sweet Talk』では、目を閉じて祈るように歌うなど、あふれる表現力で圧倒した。

 終盤に披露した『My Dimension』の前には、「自分の原点。音楽キャリアはここからスタートしました」と思いを込めた。アコースティックギターを奏でながら歌う声を支えるように、ファンも「♪La la la」と声を合わせた。

 割れんばかりの拍手で迎えられたアンコールでは、「この曲は2011年3月11日に、(拠点を置いていた)ジャカルタでレコーディングをしていたときに作った曲」と語り始めたDEAN。「スタジオにいたときに、日本で東日本大震災が起こったことを知り、驚愕(きょうがく)しました。今でもそのときの衝撃を覚えています。(生まれ故郷の福島での惨事は)本当の意味で、日本に帰ろうというきっかけになりました」と思いを明かした。

「上に、日の丸(の国旗)下がっている?」と天井を見上げると、「あるやん」と感慨深そうな表情を見せ、「今日、この曲を日の丸の下で歌えることがうれしい。心から『ただいま』と言える。本当にそんな気持ちです」と続けると、ギターをつま弾きながら『Priceless』を歌い始めた。思いが詰まった歌声に、目を潤ませているファンの姿もあった。

 巨大なスクリーンに「DEAN FUJIOKA」の文字が輝いたダブルアンコールでは「燃え尽きるまで来い!」とあおり、アップテンポな『Showdown』を投下。身体を揺らして応える客席に向けて「最高だ武道館!」と笑顔を爆発させていた。

 ファンをバックに、記念撮影を行ったDEANは「みんな今日、ここにいることを選んでくれてありがとう。今ここにみんなといられることが、本当に幸せです。自分で作った音楽でこうやって出会いに恵まれるということは、音楽に救われてきた自分にとって奇跡のような瞬間です。DEAN FUJIOKAとして、(本名の)藤岡竜雄として、日の丸の下で歌えたことで、本当の意味で『ただいま。日本』と思えました。そしてまたここから行ってきます。戻ってきたら、また『おかえり』と言ってくれたらうれしいです。みんなまたこの先の未来で会いましょう」と一礼。「愛してるぜ、みんな。またすぐ会おう」と両手を大きく振って感謝した。

 約2時間のライブ『DEAN FUJIOKA Live 2023 “Stars of the Lid” at 日本武道館』の様子は、11月19日にCSテレ朝チャンネル1で正午から放送される。

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