ミスマガ出身の斉藤里奈、映画デビュー作で新境地 フレキャン準グランプリ受賞の過去も
ミスマガジン2022出身の俳優・斉藤里奈(22)が『さよならエリュマントス』(公開中、監督・大野大輔)で長編映画初出演を果たした。ミスマガジンの受賞者が総出演する映画の現場で感じたことは?
『さよならエリュマントス』で長編映画初出演
ミスマガジン2022出身の俳優・斉藤里奈(22)が『さよならエリュマントス』(公開中、監督・大野大輔)で長編映画初出演を果たした。ミスマガジンの受賞者が総出演する映画の現場で感じたことは?(取材・文=平辻哲也)
中央大学在学中に「FRESH CAMPUS CONTEST 2019」で準グランプリに輝き、「ミスマガジン2022」にて“ミス週刊少年マガジン賞”に選出された斉藤。21年からは俳優として活動している。本作が本格的なスクリーンデビューとなる。
『さよならエリュマントス』は、「ミスマガジン2022」でグランプリに輝いた瑚々、咲田ゆな、ミスヤングマガジンの麻倉瑞季、ミス週刊少年マガジンの斉藤里奈、読者特別賞の三野宮鈴、審査員特別賞の藤本沙羅の6人による主演作。解散まであと数日に迫った山梨・甲府のチアリーダーズ「エリュマントス」と問題ありのマネジャー、宍倉(中島歩)による大騒動を描く。『ウルフなシッシー』『辻占恋慕』などで注目を浴びる新鋭・大野大輔監督がメガホンを取った。
Xでは3万人以上のフォロワーを持つ斉藤。「『さよならエリュマントス』のアカウントが活発なので、タイムラインに流れてくるんです。思っていた以上に評判が良くて、すごく安心しています。ファンがこんなに応援してくれていると感じて、本当にうれしいですね。長編映画で、自分がスクリーンに長い時間映っているのは、本当に感動的です」とほほ笑む。
映画ではチアリーダーズのリーダー、リナ役を演じた。大野監督とは、事前に面談を行い、当て書きでキャラクターを作ってくれたので、役作りはあまり必要なかった。
「大野監督は、私の趣味や特技、背景など、人としての私に興味を持ってくれました。普段の私の生活や感じたことなど、いろいろなことを話し合いましたが、普段の私はリーダー的な人ではないので、一番年上だったのが大きいと思います。最初は、チアダンスの明るい青春ストーリーかと思っていました。しかし、実際には全く異なる内容で、セリフや物語の展開がリアルで魅力的でした」と振り返る。
撮影は山梨・石和温泉で10日間行った。劇中のセリフには「山梨にはほうとうと暴走族しかいない」と嘆くものがあるが、実際にコンビニで暴走族のようなグループと遭遇したこともあった。
「撮影期間は短かったのですが、その中でさまざまなシーンを撮影しました。実際に出てくる旅館で、メンバー全員と一緒に過ごす時間は、とても貴重な思い出になりました」。マネジャー役の中島歩は『いとみち』『偶然と想像』(ともに2021年)、『スイート・マイホーム』(9月1日公開)などに出演し、シリアスな役からコミカルな役まで幅広くこなしている中堅俳優だ。本作でも、クセの強いマネジャー役で魅了する。
「中島さんの余裕に驚きました。貫禄があって、その存在感には圧倒されました。初対面だったので、緊張していましたし、怒らせたらどうしようと思っていました。でも、実際に話してみると、とても気配りができる優しい方でした。2人のシーンも多かったのですが、とても丁寧に話し合いをして、安心して演技ができました。6人全員でのシーンでも、中島さんの提案のおかげで良いエネルギーが生まれ、全体がうまくまとまったと感じています」
劇中でもっとも苦労したのは、リナが内に秘めた思いを爆発させるシーン。
「普段、私はあまり大声を出さないし、ゆっくりと話すタイプなので、そのシーンはかなり苦労しました。何テイクも繰り返し、どうしたら良いのかを常に考えていました。監督の求めているものが分かった瞬間は、とても安心しました」
今後は俳優業を中心に活動する斉藤にとって、どんな作品となったのか。「普段はおとなしいイメージで見られることが多いのですが、この作品でのリナは違います。これまでのイメージとは異なるので、多くの人に観てもらいたい作品です」と胸を張る。新境地開拓に手応えを感じている。
□斉藤里奈(さいとう・りな)2001年1月1日、埼玉県出身。「FRESH CAMPUS CONTEST 2019」で準グランプリに輝く。ドラマ『私の正しいお兄ちゃん』(21)にて女優デビュー。「ミスマガジン2022」にて“ミス週刊少年マガジン賞”に選出。短編映画『言えぬまま』が第17回札幌国際短編映画祭入選。その他のドラマ出演作に『トモダチゲームR4』(22)、『ショジョ恋』(23)、『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』(23)など。