新幹線のワゴン販売終了、嘆く大学生の“代替案”が話題に 労働力不足を「猫の手」で解消
JR東海は、新幹線の車内販売を10月末をもって終了することを公表した。SNSでは同社がサービスを終了する一因になった「労働力不足」について、“猫の手を借りよう!”と提案したイラストが、注目されている。目にした人を「こうなったらいいな」とほっこりさせた絵を描き下ろした、まこ(@MakoTr_315)さんに聞いた。
胸元に注目! 「ジェイアール東海パッセンジャーズ」のロゴに深いこだわり
JR東海は、新幹線の車内販売を10月末をもって終了することを公表した。SNSでは同社がサービスを終了する一因になった「労働力不足」について、“猫の手を借りよう!”と提案したイラストが、注目されている。目にした人を「こうなったらいいな」とほっこりさせた絵を描き下ろした、まこ(@MakoTr_315)さんに聞いた。
JR東海は8月8日、「駅周辺店舗の品揃えの充実」「飲食の車内への持ち込みの増加」「静粛な車内環境を求めるご意見」「将来に渡る労働力不足への対応」などを理由に新幹線車内で展開していたワゴン販売サービスを終了することを決めた。ちょっとやそっとでは溶けない名物「シンカンセンスゴイカタイアイス(スジャータ アイスクリーム)」、出張帰りのビール。新幹線のワゴン販売を楽しみにしていた人からは、「寂しい」と残念がる声が多数。悲しみの声が行き交うSNS上に、“猫の手”を借りたイラストが登場すると、「最高やんけ」など歓喜の声が広がった。
「労働力対策」というコメントと共に、新幹線の車内通路をワゴンを引いた“猫型のロボット”が駆けるイラストを公開したのは、ハードウェアベンチャーでアルバイトをしながら、工業大学に通うまこさんだ。
まこさんは「最近東海道新幹線に乗って、関東から関西に移動する機会が増えて、その度に旅の思い出の1つとして、車内販売のお弁当やアイスなどを楽しませていただいていました。このため車内販売終了のニュースは、かなり衝撃を受けました。(報道)記事を読んでいると、車内販売の終了理由の1つに『将来に渡る労働力不足への対応』とありましたので、そこで少し引っ掛かり、飲食店チェーンでの成功事例があるではないかと思い、『もし新幹線の車内であの猫ちゃんロボットが乗務員さんに代わってお仕事をしていたらどうなるかな?』という設定で少し風刺的なテイストのイラストを描いてみました」と描いた理由について説明。ロボットの胴体部分に、ジェイアール東海パッセンジャーズのロゴを入れたところが、こだわり。「気付いてくれた人からの反応がうれしかった」と振り返る。
車内販売の思い出ナンバー1は、「やはりアイス」と力を込めたまこさん。「帰りの新幹線の車内販売で買ったアイスが硬過ぎて『東京駅に着くまでに食べられるのか』。そわそわしながらアイスと格闘した、きっとみなさんの記憶にもあると思います」と教えてくれた。
投稿への反応については「猫ちゃんロボットがただただ台車を引っ張っているだけ、というどうしようもないイラストに、『Uターンするときどうするんだよ!!!』という完璧なツッコミを入れて下さった返信がうれしかったです」と笑顔。「ほかにも、『お寿司屋さんの特急レーンを車内に搭載すればよいのでは!?』という写真の引用投稿があり、『新幹線の中に特急を走らせるのか!』という案が衝撃的過ぎてずっと笑っていたのですが、同時にアイデアで負けた気分になりました(笑)」と明かしてくれた。
現在大学4年生のまこさんは、電子工作の楽しさを伝えることをテーマにしたオリジナルの漫画をコミックマーケットで配布するなど、多方面に活動。「昔はキャラクターイラストが本当に苦手で、数年前までは他人に見せられないようなひどい絵しか描けませんでしたが、好きでずっと描き続けて、ようやくそこそこの絵が描けるようになってきました。今回多くの反応をいただけたイラストは思い付いてからかなり特急で描き上げたので、とても適当に仕上げてしまったのですが、ここまで反応をもらえたならもっとちゃんと描けば良かったかなと少し反省しております(笑)。完成した作品にはまだまだ満足できないので、勉強とアウトプットを日々絶やさないようにしていきたいなと思います」を語っている。
JR東海の車内販売10月末で終了するが、グリーン車の利用客に向けてスマートフォンで食事や飲み物を注文できるサービスを準備。「のぞみ」が停車する駅では自動販売機を拡充するという。