吉岡里帆、SFラブコメドラマで主演「すごく人間味があるドラマ」 永山瑛太と初共演
俳優の吉岡里帆が10月10日から放送のカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『時をかけるな、恋人たち』(火曜午後11時)で主演を務めることが15日、分かった。恋の相手役を永山瑛太が務めることも発表された。
10月10日から放送される『時をかけるな、恋人たち』
俳優の吉岡里帆が10月10日から放送のカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『時をかけるな、恋人たち』(火曜午後11時)で主演を務めることが15日、分かった。恋の相手役を永山瑛太が務めることも発表された。
カンテレ・フジテレビ系連続ドラマでの主演は、2018年の『健康で文化的な最低限度の生活』以来、今回で2度目となる吉岡。永山との共演は今回が初めて。
吉岡が演じるのは、令和の時代を生きる主人公・常盤廻(ときわ・めぐ)。広告代理店でアートディレクターとして働き、後輩から慕われ、仕事では“辻褄合わせ”が大得意。一方で、恋となると、いつもあらゆる“一線”を超えられず、人知れずヤケ酒で涙することも。そんな廻が、未来からやってきた永山演じるタイムパトロール隊員・井浦翔(いうら・かける)と出会い、特命を受けて一緒に違法なタイムトラベラーを取り締まることとなる。
気付けば、そんな廻を待ち受けていたのは、翔との“恋の超展開”。しかし、2人の運命はそれだけに収まらなかった。実は、かつて廻と翔は時をかけて恋に落ちた、恋人同士だった。タイムパトロールで23世紀の未来から来ていた翔と、大学時代の廻は出会ってしまった。しかし、2人の恋は許されない運命。タイムトラベル取り締まりのルールに従って、廻はその記憶を消されていたのだ。思いを募らせ、時を超えて、未来から再び会いに来た翔と、まったく覚えていない廻。廻は、いつも後回しにしてきた自分の恋を今度こそかなえるため、時をかけて、人生の恋の辻褄合わせに奮闘する。
今作は、“タイムパトロールのお仕事モノ”ד時空を超えたラブストーリー”というオリジナル脚本。時間SFを得意とするヨーロッパ企画・上田誠氏が担当する。また、監督は、映像ディレクター・山岸聖太氏が務める。
初共演の永山は「魅力と個性がある」
以下、吉岡と永山のコメント全文。
○吉岡里帆
――意気込みを聞かせてください。
「カンテレさんで主演をさせていただくのは久しぶりですが、当時からお世話になっていた方と、また一緒にタッグを組めるのが嬉しいです。今作はタイムトラベルもので、ジャンルとしてはSFなのですが、すごく人間味があるドラマで、あったかい話だったり、切ない話だったり、それぞれの恋模様が見ごたえのあるエピソードばかりです。上田誠さんの脚本で、山岸聖太さんの演出ということで、念願の方々とお仕事ができるのが、とても嬉しいです。共演する瑛太さんはじめ、キャストの皆さんが本当に魅力的な方の座組なので、楽しみで仕方ないです!」
――演じる「常盤廻」はどんな役柄ですか。
「廻は、普段デザインの仕事をしていて、クライアントからの要望や現場で起きる問題を、誠実に解決していく人です。そんな彼女が得意な“辻褄合わせ”の能力が、タイムパトロールのお仕事に思わぬ形で活かされていくっていう。未来人との恋だったりとか、タイムトラベルだったりとか、初めてづくしのことに右往左往しながら、面白い化学反応が起きていくような…そういうキャラクターです」
――自身と似ている点はありますか。
「真面目で、困っている人をほっとけない感覚は、台本を読んでいて、わかるなと思って。面白いキャラクターの方ばかり登場するドラマですが、そういう人たちに、振り回されるというか、一つ一つの出来事に何度も驚かされる感じが、演じていてすごく理解もできるし楽しいです!」
――廻を演じる上で特に心掛けていることや意識していることは。
「基本、受けのお芝居で、ツッコミ担当なので、皆さんの動きやセリフ、言動を細かいところまで見逃さないように気を付けています。共演者の皆さんが、お芝居モンスターみたいな方たちばかり出られているので、現場で炸裂する面白をできる限り全て拾っていきたいなと思って。レシーバーとして、私は頑張っています(笑)」
――脚本を、読まれた感想は。
「ずっとSFを書き続けていらっしゃる上田誠さんの最高傑作になるんじゃないかなって思うぐらい、1話から最終話まで通して、ドラマでしかできないような伏線回収をはじめ、それぞれのキャラクターの個性も強くて、ちょっとした言葉遊びみたいなのもずっと繰り広げられているので、ドラマとしての魅力が詰まっている台本だなって思います。どのシーンも工夫がいっぱい凝らされている台本で、上田さんの渾身の作品っていうのが伝わってきました」
――上田さんのヨーロッパ企画が昔からお好きだと伺いました。
「京都出身なので、ヨーロッパ企画さんってやっぱりスターっていうか。いつか一緒にお仕事したいなってずっと思っていたので、今回、念願叶って嬉しいですし、10代の時の私が知ったら驚くと思います。『ヨーロッパ企画の上田さんが書いた作品をあなたは主演で演じるよ』って…あっ! 今、まさに時をかけたいですね! 昔の自分に会いに行って教えてあげたいです」
――10代の時にヨーロッパ企画に参加したいと。
「そうなんです。京都の小劇場の客演をしていた時期に、ヨーロッパ企画に入れないかなと思って、直接連絡したことあったんです。でも、劇団員さんの募集はされてなくて、断念しました。だから巡りあわせで、こうやって、あの時は叶わなかった夢が実現することを嬉しく思います」
――セットもすごくステキですね。
「そう本当に。映像もきれいですし、見ていてワクワクするような撮り方の連続だし、セットの作り込みとか衣装の気合の入り方とか、すべての部署が最大限に能力を発揮して、お互い楽しみながら、大人が真剣にSFコメディーを作るとこういうことになるぞっていう、新鮮で斬新な作品が生まれると思うので、ぜひ、楽しみに待っていただきたいです!」
――永山瑛太さんとはドラマ初共演。いかがですか。
「いや~楽しいですね。瑛太さんの演じる翔は未来人なので、予測不能な言動一つとっても、すべてが瑛太さんだからでこその、魅力と個性があって。毎回、翔の不思議な魅力に翻弄されながら、でも現代人の廻もまっすぐに気持ちをぶつけていきながら、現代人と未来人の恋がどうなっていくのか? を、コミカルに、一緒にアイデアを出しながら演じています。とても楽しい現場ですね」
――最後に、楽しみにされている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
「これまでにないような新しいSFラブストーリーが生まれているように感じています。コメディーで笑いの要素も多いのに、最後はじーんとしたり、ちょっと恋してみようかなって一歩を踏み出せたりするような、そういうパワーのある作品です。何よりキャラクターそれぞれがとってもチャーミングなので、火曜23時、一週間が始まって、まだ先長いな…っていう夜ですが、このドラマがちょっとした癒しになれるよう頑張りますので、ぜひ見ていただきたいです!」
○永山瑛太
――演じる「井浦翔」はどのような役柄ですか?
「ピュアで不気味な公人として、恋を優先するタイムパトローラーです」
――今回オファーを受けた時の気持ちをお聞かせください。
「上田誠さんの脚本と吉岡里帆さんと監督の山岸さんで、何かミラクルが起こるのではないかと。そして、新しいことにチャレンジしたいと思いました。監督から『浮ついた、地に足のついていない感じでやってほしい』という言葉をいただいて、考えてやることよりも感覚で演じている部分もあります」
――脚本の感想を教えてください。
「『サマータイムマシン・ブルース』という映画を一緒にやらせていただいたので、上田さんの世界観はもちろん知っていました。タイムトラベルものとしてすごく難解な部分もあるんですけど、『辻褄を合わせる』ことが大事なドラマになってくるので、ワンシーンでも、ある一挙手一投足が、後々の辻褄合わせにとって、大事な意味があり、シンプルに楽しんで演じていい部分と、ちゃんと監督と吉岡さんとディスカッションしながら進めて行く部分とをつかんで演じていければと思っています」
――「タイムパトロールのお仕事もの」×「時空を超えたラブストーリー」については。
「吉岡里帆さんとだから、なんか大丈夫っていうか、安心しています(笑)。吉岡さんとなら、タイムパトロールもののラブコメというジャンルに当てはまらない新しい作品ができるな、と。あまり深いことを考えないでほしいみたいなニュアンスを監督もおっしゃっていたので、ライトに演じられたらいいなと思っています」
――共演の吉岡里帆さんの印象を教えてください。
「可愛くて健気で、聡明さのある、非の打ち所がない人ですね。そして、周囲の人にポジティブなものを与えてくれる。まだ撮影序盤ですが、なんかお姉ちゃんのような、包容力を感じていて、どこか精神的に甘えている部分もあります。撮影していても、吉岡さんがちゃんとしっかりと受けてくれるので、僕はある意味、芝居での冒険ができるというか、遊びが生まれてくる。付け加えるなら、もちろん僕は10個も年上ですし、男として守ってあげたいっていう気持ちもあるんですが、、不思議な感覚がありまして、もうちょっとあの時話しかけられたなとか、芝居の邪魔をしていないか、、帰り道に吉岡里帆さんとの距離感について反省しています(笑)」
――脚本の上田誠さんは、永山さんの映画初主演作の脚本も務められていますが、今回改めて一緒にドラマを作り上げることになっていかがですか。
「打ち合わせでお会いできて、すごく光栄でしたし、自分が俳優を始めて、初主演で上田さんの世界観に触れることができて、そこから18年ぶりに、また上田さんの世界観の中にいると、設定は全然違うのに、感覚的に思い出すところがあって。時空を超えて後々、辻褄合わせをする、ミッションコンプリートしたときのお芝居っていうか、なんか自分の体の中に上田さんの世界観があって。それが、今、また蘇ってきていて、すごく感慨深いものがありますね」
――『サマータイムマシン・ブルース』も今回のドラマもSFものですが、やっぱり全然違うものですか。
「SF系の話ですけど全然違いますね。今回、タイムパトロールっていう公人としての孤独感みたいなものが、どっかにあるんですよ。翔として、一人でつくっていって、思いだけで進んでいっている部分があるから。今回、結構孤独を感じますね(笑)。でも、吉岡さんが本当にしっかり受け止めてくれるので、のびのびと演じさせてもらっています。上田さんの世界観に触れられて、またとても良い時間を過ごさせていただいてます」
――最後に、メッセージをお願いします。
「『恋をするエネルギーに勝るものはない』ってプロデューサーがおっしゃって、恋をするエネルギーで生きている登場人物を観ていただいて、皆さんに元気をお届けして、少しでも楽しい時間を過ごしていただけたら嬉しいですし、SFものとしても、1話ごとに引っかかるところが少しずつ回収されていって、霧のようなものが少しずつ晴れていく。まずは、1話から最終回まで楽しく観ていただけたら嬉しいですね!」