学歴・資格のハイスペック=「仕事ができる」は間違い? 中間管理職の投げかけが議論に
働く社会人にとって「仕事ができるかどうか」はある意味、永遠の課題だ。学歴、語学力、資格や肩書を持っていても、職種によって必要なければ宝の持ち腐れになってしまう。スキルを生かせるかどうかも重要になってくる。求められている能力とはどんなものなのか。“ハイスペックとビジネス戦闘力”に関するSNS投稿が話題を集めた、日系メーカーで働く中間管理職の投稿者に聞いた。
「TOEIC900点を超えていると、『英語ペラペラ』と勘違い」
働く社会人にとって「仕事ができるかどうか」はある意味、永遠の課題だ。学歴、語学力、資格や肩書を持っていても、職種によって必要なければ宝の持ち腐れになってしまう。スキルを生かせるかどうかも重要になってくる。求められている能力とはどんなものなのか。“ハイスペックとビジネス戦闘力”に関するSNS投稿が話題を集めた、日系メーカーで働く中間管理職の投稿者に聞いた。
「海外大学卒、TOEIC900オーバー、エクセルの達人、このスペックを引っさげて新卒として入社。彼は今年で入社5年目だが、仕事は全然できない。コミュ力も絶望的に低い。錯覚資産とはよく言ったもので、本当に錯覚する」。Shine(@Lazy_Kaishine)さんのX(ツイッター)の投稿は、5100件以上の“いいね”などの反響が寄せられた。
前職でアメリカ駐在を7年経験し、帰任後、日系メーカーの現職に転職したというShineさん。ハイスペックな学歴・資格と「仕事ができる」の関係性についてどう考えているのか。
「『勉強ができる』=『ビジネス戦闘力が高い』とは限らないと考えています。分かりやすいのは、複数言語話せるのに、仕事はポンコツな人でしょうか。このタイプはどこにでもいると思います。ただし、会社の配属ミスがあるのは事実。ITスキルは高いけど対人恐怖症の人に営業をさせるなど、従業員側だけでの問題ではないと考えています」と言及する。確かに、本人だけが責められるのではなく、会社側による適材適所の人事も大事だと言える。
「錯覚資産」の言葉については、「一番分かりやすいのはTOEICで、TOEIC900点を超えていると、『英語ペラペラ』と勘違いされることです。TOEICはあくまで『テスト』なので900点を超えていても、スピーキングが苦手という人は多くいます。『高学歴』『TOEIC900点オーバー』の人を見ると、企業は『スゴイ人』と錯覚する。そういった意味で使われると思います。Xにおいて『錯覚資産』というワードは、結構使われています」とのことだ。
Shineさんの投稿は、組織の中で働く“会社員”にとっても気になるテーマだ。議論を呼びこしており、「あるあるですね…」「そういったスペックも含めて新卒は博打ですからね」「資格と実務能力はある程度比例すると思うので、今後どのように力が開花していくかじゃないですかね?」「まだ5年目でしょ。脱皮できるかも」「会社がうまく使えてない可能性」などの多様な意見が集まっている。
お盆休みは社会人が自分自身を見つめ直すいい機会になるだろう。Shineさんは「周りから『仕事ができる』と思われている人と、『仕事ができない』と思われている人の両方を観察してみてください。できる人のまねをして、できない人の行動は反面教師とする。ハイスペックなのに仕事ができない人は、プライドが高すぎて先輩や同僚に教えを請わない、できる人のまねをしないといった特徴があります。答えは全て職場に転がっています。無駄に高いプライドなんて捨てて、『教えを請う』『できる人のまねをする』を徹底してもらえれば、『仕事ができる人』になれるのではないでしょうか」と話している。