空港で飛ぶように売れるたまごサンド、ローソンで“爆売れ”意外な背景 訪日外国人の需要にマッチ
新型コロナウイルスの水際対策の緩和や円安などの影響でインバウンド(訪日外国人)が増える中で、コンビニエンスストア大手ローソンで、意外な食品が飛ぶように売れている。たまごサンドだ。売上伸長率上位店舗の7月度売上高実績では、前年同時期と比べて、約5.3倍に。1日100個近く販売している店舗もあるという。ハムチーズたまごサンドも約2.9倍の盛況ぶりだ。インバウンドのニーズを取り込んでいるようだ。
訪日外客数は200万人突破でコロナ禍前の72%にまで回復 ハムチーズたまごサンドも約2.9倍の盛況ぶり
新型コロナウイルスの水際対策の緩和や円安などの影響でインバウンド(訪日外国人)が増える中で、コンビニエンスストア大手ローソンで、意外な食品が飛ぶように売れている。たまごサンドだ。売上伸長率上位店舗の7月度売上高実績では、前年同時期と比べて、約5.3倍に。1日100個近く販売している店舗もあるという。ハムチーズたまごサンドも約2.9倍の盛況ぶりだ。インバウンドのニーズを取り込んでいるようだ。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2023年6月の訪日外客数は207万3300人で、コロナ禍の拡大によって大幅に減少した2020年2月以降初めて200万人を突破し、19年同月対比で72%まで回復している。
ローソンでは、特に「空港内・空港周辺施設」、「観光地近隣」の店舗で売上が伸びている。空港内には計29店舗あり、乗降客数上位8空港(羽田、福岡、新千歳、那覇、伊丹、成田、関西、中部)すべてに出店している状況だ。同社は売上伸長について「インバウンド需要によるものと考えられます」と分析する。
人流の回復により、空港や観光地、ホテル内の店舗では売上が好調。22年7月度と23年7月度の売上高を比較すると、空港内の店舗で約12倍になったケースも。
こうした中で、風味満点のたまごサラダを挟んだたまごサンドが驚異的な売上を誇っている。同商品の販売上位10店のうち、7店舗は空港内にある店舗だった。時間別の販売状況を見ると、全国平均では、朝・昼の2回の販売ピークがあるが、空港や観光地の店舗では、朝昼に加え、夕・夜のピークもあり、全時間帯で購入頻度が高いことも分かったという。
同社の担当者は意外な現象について、「インバウンド需要によって訪日外国人が増えており、主に入国・出国時の軽食としてサンドイッチを購入する方が多いです。特にたまごサンドは、子どもから大人まで食べることができる商品のためニーズが高く、空港店を中心に販売が伸長しています」と分析。アジア系の客が買い求める感触を持っているという。
さらに、興味深い傾向が。売上高伸長上位の店舗の中で、売れている他の商品として、もち食感ロール(ホイップクリームを巻いたロールケーキ)は、たまごサンドとの買い合わせが非常に多いという。のどあめやグミといったお菓子類も好評で、「帰国後に、友人ら周りの人へのお土産として、まとめて購入されるお客様も多いようです」。同じくお土産需要として、インスタントカメラも好調とのことだ。
また、中国系バーコード決済の売上では、19年同月対比で104.8%とコロナ禍前を上回る結果に。飲料(水・牛乳)、からあげクン レッド、Lチキ レッドといった辛さが効いたファストフードが上位にランクインしている。同社は、中国本土からの観光客の訪日によって利用頻度はさらに高まると見込んでいる。
これからを見据え、「今後もインバウンド需要は続くと予想されるので、お客様のニーズにいち早く察知し、外国人の方にもローソンでのお買い物を楽しんでいただきたいです」としている。