「これはキレていいだろ」 家の前でラジオ体操が物議 普及団体に聞いた“騒音”注意点

健康増進の手段のひとつとして知られるラジオ体操は、とりわけ夏休み期間に取り組んだ経験のある人が多いだろう。一方で、ネット上では、家の前に人々が集まってラジオ体操を行っているとする動画が拡散され、物議を呼んでいる。夏の風物詩として広く受け入れられているが、住宅街で大きな音量でやると“騒音”につながってしまうリスクも。ラジオ体操の普及を担うNPO法人全国ラジオ体操連盟に注意点を聞いた。

ラジオ体操は音量マナーに気を付けたうえで健康増進に努めたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ラジオ体操は音量マナーに気を付けたうえで健康増進に努めたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

1928年の放送開始以来続いている草の根運動

 健康増進の手段のひとつとして知られるラジオ体操は、とりわけ夏休み期間に取り組んだ経験のある人が多いだろう。一方で、ネット上では、家の前に人々が集まってラジオ体操を行っているとする動画が拡散され、物議を呼んでいる。夏の風物詩として広く受け入れられているが、住宅街で大きな音量でやると“騒音”につながってしまうリスクも。ラジオ体操の普及を担うNPO法人全国ラジオ体操連盟に注意点を聞いた。

 住居の上階から撮影したとみられる映像。玄関前の道路上と思われる場所で、何人かの人が放送音に合わせて体を動かしている。今回の映像には「夏休みの間 この音 爆音で聴かなあかんのは聞いてないWWW」とのテロップが付けられている。

 ネット上には「住宅街でやるにしてもこの爆音はひどい」「これ環境公害」「ばり迷惑」「早朝テレワークする時邪魔」「これはキレていいだろ」といった批判の声が。

 他方で、「夏休みって感じ、平和な気分になるな~」「自分も夜勤で帰ってきて、寝てる時によく運動会の朝練とかラジオ体操の音で起こされてたけど『懐かしいなぁ』ぐらいしか思わんかった」「夏の風物詩です。数分のことなので部屋の中で一緒にやればよし」といった寛容さを持った意見も寄せられている。

 また、「伝統です。気に入らなければ引っ越しなさい」「たしか夏休み入って1週間とか2週間とかくらいしか無いはずなので我慢するしかない」との書き込みも。さまざまな議論を呼んでいる状況だ。

 全国ラジオ体操連盟の担当者によると、「ラジオ体操会」はもともと、地域の人たちが自主的に集まって楽しくラジオ体操を行うことから始まった草の根運動といい、「それは1928年の放送開始以来続いているものです」と説明する。

「音」を巡る一般的な見解について。「ラジオ体操の『騒音』問題とは、ラジオの音量の問題と認識しています。ただ、昨今の生活様式の多様化などにより、一部で音量に関する苦情が出ているのは事実です。そのため、全国ラジオ体操連盟としては、ホームページなどで音量に配慮していただくようお願いしております」と回答した。同連盟は実際に、今年4月11日に「朝のラジオ体操会での音量にご配慮ください」とする呼びかけを公式ホームページに掲載している。

 また、「ちなみに、全国各地のラジオ体操会は草の根的にできた体操会であり、全国ラジオ体操連盟とは法令上を含め組織的関係などはなく、連盟は指示命令等を出せる立場にはございません」とし、自主的な活動であることを付言した。

 同連盟の資料によると、ラジオ体操を継続的に実践している人たちを対象にした全国調査・研究の結果、体内年齢や血管年齢など、健康状態を示す数値が良好であることが明らかになったという。

 新型コロナウイルス禍による生活習慣の変化によって在宅する人が増え、より一層に周辺地域に配慮した取り組みが求められることになりそうだ。改めて、ラジオ体操を行う側にとって注意するべきポイントについて、同連盟は「ラジオ体操会場では、各地域の事情に合わせて適切な音量でラジオ体操を行う、コロナ感染防止の観点からも三密を避け、大声で談笑しない、などをお願いしております。ラジオ体操会の方々は、使用している公園の清掃活動なども積極的に行っているところが多いことを申し添えます」としている。

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