『ドラゴン桜』で“愛”に苦悩も…学んだ他者との関わり方 話題作への出演続く鈴鹿央士の素顔

夢に向かって歩き始めた18歳の妊婦・仲川有栖(福原遥)と、恋を後回しにしてきたアラフォーのアートスペシャリスト・成瀬瞳子(深田恭子)の年の差を超えた絆を描いたTBS系連続ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(火曜午後10時)が好調だ。ドラマの中でプロダンサーを夢見る大学生・黒澤祐馬を演じる俳優の鈴鹿央士は、毎回キレキレのダンスを披露。「イメージが変わった」と話題になっている。撮影の1か月前からレッスンに励んだというダンスや、仲間と絆を深めるために大切にしていることを聞いた。

プロダンサーを夢見る大学生を演じる鈴鹿央士(左)【写真:(C)TBS】
プロダンサーを夢見る大学生を演じる鈴鹿央士(左)【写真:(C)TBS】

ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』撮影前にダンス猛特訓

 夢に向かって歩き始めた18歳の妊婦・仲川有栖(福原遥)と、恋を後回しにしてきたアラフォーのアートスペシャリスト・成瀬瞳子(深田恭子)の年の差を超えた絆を描いたTBS系連続ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(火曜午後10時)が好調だ。ドラマの中でプロダンサーを夢見る大学生・黒澤祐馬を演じる俳優の鈴鹿央士は、毎回キレキレのダンスを披露。「イメージが変わった」と話題になっている。撮影の1か月前からレッスンに励んだというダンスや、仲間と絆を深めるために大切にしていることを聞いた。(取材・文=西村綾乃)

「鈴鹿央士くん、ダンスやってたんだ?」「ストリートダンスする姿が新鮮」などの感想がSNSで目立つようになったのはドラマの放送が始まってから。ドラマの中で福原演じる仲川有栖も見ほれた見事なダンスは視聴者の度肝を抜いた。

「僕が演じている黒澤祐馬は、将来プロのダンサーになりたいという夢を持つ大学生。クランクインする1か月ほど前から、時間を見つけてマンツーマンで教えていただきました。音楽が鳴って踊り始めると、集中しているので楽しんで踊ることを大切にしています。初回放送後に知り合いから『ダンスやってんだっけ?』と聞かれたときは、やっている人の動きに見えたんだなと思って、うれしかったです」

 韓国のアイドルグループ、BTS(防弾少年団)が好きでダンス動画を見ることが好きだったが、見るのと自分の体を動かすことは別の話だ。有栖の目をくぎ付けにしたダンスシーンでは「苦労もあった」と振り返る。

「K-POPと、僕が役として踊るヒップホップはジャンルが違うので、1から動きを学びました。有栖と出会ったのは、僕が外で1人で練習をしているという場面でした。『本番いきます』と言われても、力まないように。本番なんだけど、練習している感じで踊ることが難しかったです」

 役者もダンサーも体を使って思いを表現するが、セリフを発さないダンサーは「体の隅々まで神経を行き届かせて表現しているところがすごい」と動きを学ぶ中で気がついた。

「自分の体をコントロールするために、ある監督から『ダンスと乗馬はやっておいた方がいいよ』と3年ほど前にアドバイスをいただいていました。鏡と向き合い、自分の体を見ていると、手を広げるときは、胸を張って腕から動いた方がダイナミックさを伝えられるなとか、セリフとはまた違う形で感情を表現できると感じました。役の心情を深める1つとして、突き詰めていきたいです」

 俳優としての活動をスタートした2019年に出演した映画『蜜蜂と遠雷』(石川慶監督)、TBS系連続ドラマ『ドラゴン桜』(21年)、フジテレビ系連続ドラマ『silent』と思いを内に秘める役が多かったが、本作ではフットワークが軽い、明るい役を熱演。そのギャップも視聴者の心をつかんでいるようだ。

「これまで経験してこなかったダンスはもちろん、これまでやったことがない明るい役なので、僕自身も新しさを感じています。祐馬は他者の心に敏感ではあるんだけど、口から出る言葉は軽くて、周りを戸惑わせてしまうこともある。3話では深田さん演じる成瀬瞳子と、有栖、僕の3人が初めて会話をするところもあります。祐馬が抱えている秘密や、ダンスをしている理由なども回を追うごとに明らかになっていくので、人物が絡み合っていく様子と合わせて楽しんでほしいです」

 演じる祐馬は、口にした言葉で相手を怒らせたり、誤解されてしまうこともある人物。鈴鹿自身が人づきあいで心がけていることもある。

「嫌われているのかなと感じる相手でも、自分からイヤな気持ちを向けないこと。プラスな気持ちで人と向き合うことを心がけています。自分が先に愛すれば、相手も愛を返してくれるかもしれない。相手発信ではなく、自分発信で愛情を向けていきたいなって。友人との関係も、そうやって築いています」

 他者に対して、ポジティブな気持ちを持ち続けたいと考えるようになったきっかけは、ドラマ『ドラゴン桜』だったと振り返る。

「演じた藤井遼は頭脳明晰(めいせき)だけど、周囲を見下すところがあって、『誰からも愛されていないな』と感じたしんどい役でした。やり場のない思いをどうしたらいいのかと、『愛とは何ぞや?』と悩みもして。調べて出てきた本に、『愛されたいなら、先に愛すること』と書かれていたんです。愛されないと嘆くよりも、自分が先に動いた方がいいなって。他人は変えられなくても、自分のことなら変えられるかもしれないって。その本を読んで、すごく気持ちが楽になりました」

 恋愛、進路など、ドラマには人生のターニングポイントがたくさん描かれている。鈴鹿自身は自らの転機をいつと感じているのだろうか。

「僕がこの世界に入ったのは、通っていた岡山の高校で映画の撮影があり、エキストラで参加したときにスカウトされたことがきっかけでした。兄と同じ高校を目指さなかったら、バトミントン部ではなく、続けていたサッカー部に入部していたらなど、決断をしたいくつかのことが今につながっていると思うので、その1つ1つがターニングポイントだったと感じます。思いをかなえることは簡単なことではないけれど、『自分ならできる』と思い込むことを大切にしています。思い込んで行動すると良い方向に向かうし、夢を実現できると信じています」

□鈴鹿央士(すずか・おうじ) 2000年1月11日、岡山県生まれ。雑誌「MEN’S NON-NO」専属モデル。映画『蜜蜂と遠雷』で俳優デビュー。同作で「日本アカデミー賞新人俳優賞」など数々の映画賞新人賞を獲得した。NHK連続テレビ小説『なつぞら』(19年)、ドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系、22年)など話題作に多数出演している。

次のページへ (2/2) 【動画】視聴者をざわつかせた祐馬(鈴鹿央士)のダンスシーン
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