【らんまん】万太郎が寿恵子にキスの舞台裏 製作統括「ト書きに『口づけて』…至極のシーン」
俳優・神木隆之介が主演を務めるNHKの連続テレビ小説『らんまん』(月~土曜、午前8時)の制作統括・松川博敬氏が取材に応じ、主人公・槙野万太郎(神木)とヒロイン・寿恵子(浜辺美波)の夫婦像の魅力や今後の見どころなどを紹介した。作品は江戸末期に生まれ、激動の時代に、草花を愛し、夢に向かって人生をまっすぐに歩んだ植物学者・万太郎の生涯を描くオリジナル。実在した植物学者・牧野富太郎をモデルにするがフィクションとして制作している。
制作統括(CP)が田邊教授のキャラ明かす 「勧善懲悪ではないです」
俳優・神木隆之介が主演を務めるNHKの連続テレビ小説『らんまん』(月~土曜、午前8時)の制作統括・松川博敬氏が取材に応じ、主人公・槙野万太郎(神木)とヒロイン・寿恵子(浜辺美波)の夫婦像の魅力や今後の見どころなどを紹介した。作品は江戸末期に生まれ、激動の時代に、草花を愛し、夢に向かって人生をまっすぐに歩んだ植物学者・万太郎の生涯を描くオリジナル。実在した植物学者・牧野富太郎をモデルにするがフィクションとして制作している。
万太郎と寿恵子は仲が良く、何ともほほ笑ましい夫婦。19日放送の第78回では万太郎が寿恵子のほおにキスするシーンもあった。2人とも照れ臭そうに見えたが、本来、台本にあったシーンなのか。
「ト書きに『口づけて』と書いてあります。あの場面は素晴らしいです。夫婦の日常が、ゆったりした空気のなかで描かれ、2人の関係性がすごく表れています。何でもない日常の幸せな時間……2人の空気感が素晴らしい。神木さんの白い着物も似合っていて、文学的な情景が描かれ、最後にチュッとするのですが、個人的には至極のシーンだと思います」
キスをされた時の寿恵子のはにかむような笑顔も印象的だった。
「かわいいと思います。寿恵子さんはかわいいし、頼もしいし、面白いし、目が離せません」
万太郎と寿恵子の夫婦像の造形にも言及してくれた。
「新婚時代までのかわいらしい2人から今は大人の夫婦になっています。そこは神木さん、浜辺さん2人の力。一緒に石版印刷に取り組むシーンは円熟味をうまく表現していてさすがです。ちゃんと夫婦になって年を重ね、自然な時の流れを感じさせてくれています」
子どもが生まれて万太郎と寿恵子はともに親に。親として、それぞれどう描かれるのか。特に万太郎は天真爛漫さが魅力。今後は変化するのか。
「家族を持って守るべき者ができた影響はあると思います。そこは実在したモデルの牧野富太郎さんとは少し違うところ。富太郎さんはまわりに影響されずに我が道を行ったと思いますが、我々の万太郎というキャラクターは、妻や子どもに苦労をかけて申し訳ないと思い、時には葛藤することもあると思います」
寿恵子の母親ぶりはどうだろう。
「ちゃんと年を取って、ちゃんとお母さんになっています。そこは浜辺さんの演技力。赤ちゃんの撮影は大変で、眠っているシーンを撮影する際は寝かしつけてからそっとスタジオに入るのですが、撮影の時、赤ちゃんがスタジオに入ると泣いちゃったんです。そしたら万太郎さんと寿恵子さんが2人で寝かしつけてくれました。ちゃんと2人であやして寝かしつけたんです。お父さん、お母さんらしさがすごく出ていました」
ここで本性についてネットをざわつかせている田邊教授(要潤)のキャラクターについても聞いた。
「人間はいろんな面があり、田邊にも田邊の事情があって、そこは今後、豊かに描かれていきます。今、悪役だと思われているとしたら、今後、そこは汚名返上するところもあります。万太郎も魅力的に描き、田邊も魅力的に描いて、誰も悪くないけど出会ってしまった運命、不幸というか…勧善懲悪ではないです。複雑な人間模様が展開していくと思います」
最後に今後、クライマックスに向けてキーとなる人物を聞いた。
「一番、万太郎に近い人物で言うと高知の山元虎鉄君。少年時代を寺田心君が演じますが、10年後、成長した虎鉄が上京して万太郎の助手になって長屋に住みます。成長した虎鉄を演じる俳優の名前はまだ言えませんが、万太郎が子どもの頃学ぶ楽しさを教えてくれた蘭光先生(寺脇康文)のような立場になって植物学を志す若者と交流します。その続きで、全国の植物愛好家とネットワークを築き、図鑑を完成させる目的に向かって新しいフェイズに入っていきます」