時代を先取りしすぎた残念なファミコン周辺機器3選 本体より高価なアイテムに3D挑戦も
1983年に発売されてから、数々の名作ゲームのプレイ機器として愛されている「ファミリーコンピューター(ファミコン)」は、2つあるコントローラーの片方にマイク(ツーコンマイク)が付いているユニークな仕様が有名だ。しかし、ファミコン本体を上回るユニークさを持った周辺機器が多数発売されていたことはあまり知られていない。数あるファミコン用周辺機器の中から、特に珍しい周辺機器を紹介しよう。
多彩な体感型コントローラーで攻めていた
1983年に発売されてから、数々の名作ゲームのプレイ機器として愛されている「ファミリーコンピューター(ファミコン)」は、2つあるコントローラーの片方にマイク(ツーコンマイク)が付いているユニークな仕様が有名だ。しかし、ファミコン本体を上回るユニークさを持った周辺機器が多数発売されていたことはあまり知られていない。数あるファミコン用周辺機器の中から、特に珍しい周辺機器を紹介しよう。
1つ目は『パワーグローブ』。89年にアメリカで発売され、日本では90年に発売されたグローブ型のコントローラーだ。まるでSF映画に出てくるような近未来的なデザインで、テレビにセンサーを取り付ければゲームプレイにも使用可能。腕を振ったり、指を曲げることで操作する以外に、腕部分に付けられた十字キーやボタンを使っての操作もできる体感型コントローラーだ。
発売されていた当時の価格は1万9800円と、子どものおもちゃとしてはかなり高額であることや、アメリカでは発売されていたパワーグローブ専用ゲームが、日本で発売されなかったことから、買ってもらえず悔しい思いをした人は少なくない。ちなみにファミコン本体の価格が当時1万4800円だったことを考えると、パワーグローブがどれだけ高価なものだったか理解してもらえるだろう。
2つ目は『ファミコン3Dシステム』。任天堂が開発したゴーグル型ゲーム機『バーチャルボーイ』の原型とも言える周辺機器で、87年に発売された。専用ゴーグルをファミコンと接続することで、ゲーム画面がゴーグル内で立体的に映し出される仕組み。左目用と右目用の映像を交互に映し出すことで立体映像を作っているが、映像のチラツキが目立つことから、目に負担がかかりすぎると不評を買ってしまう。
結局売り上げが伸び悩んだことから、対応ソフトも多くは発売されず消えていくことに。当時の販売価格は6000円で『パワーグローブ』よりは安かったが、ファミコンのソフトが当時5000円以下だったことを考えると、十分高額だったことも伸び悩みの理由だろう。
3つ目は『エアーバック』。87年にコナミから発売された『エキサイティングボクシング』というゲームは、普通のコントローラーではプレイ不可で、付属の専用コントローラーでプレイすることになる。そのコントローラーとは、『エアーバック』という名の、空気で膨らませたサンドバッグのような人形なのだ。
当時は大きな箱に空気ポンプとエアーバック、ゲームソフトなどのセットが7980円で販売されていた。エアーバックを殴ることで、ゲーム内の敵と戦える新しい体験と爽快感が魅力だ。このエアーバック、今ではプレミアム価格となりゲームマニアの間では当時の価格の6倍を上回る5万円以上で取引されているというのも驚きである。
どれもファミコンの周辺機器としては時代を先取りしすぎだが、現代のゲーム「PlayStationVR」や「Nintendo Switch」などと比べて考えると、あまり珍しいものではないように感じる。それほどゲーム開発が発展したとも言えるが、ファミコン時代から今のゲームと同様の発想があったことを考えると、昔のゲーム開発者の発想力には驚きを隠せない。