日向坂46・富田鈴花の転機となったのは名物バラエティー「得意なところ伸ばしてもらった」

日向坂46の富田鈴花(22)がミュージカルに初挑戦する。大ヒット韓国ドラマを世界で初めてミュージカル化する『ヴィンチェンツォ』(8月11日開幕、神戸、東京、大阪にて公演)で、敏腕弁護士役を演じる。グループ加入当初は「自分のことが好きじゃなかった」と語るすーじー。転機となったのは、あのバラエティーへの出演だった。

舞台『ヴィンチェンツォ』で敏腕弁護士役に挑戦する日向坂46の富田鈴花【写真:矢口亨】
舞台『ヴィンチェンツォ』で敏腕弁護士役に挑戦する日向坂46の富田鈴花【写真:矢口亨】

初ミュージカル『ヴィンチェンツォ』で敏腕弁護士役

 日向坂46の富田鈴花(22)がミュージカルに初挑戦する。大ヒット韓国ドラマを世界で初めてミュージカル化する『ヴィンチェンツォ』(8月11日開幕、神戸、東京、大阪にて公演)で、敏腕弁護士役を演じる。グループ加入当初は「自分のことが好きじゃなかった」と語るすーじー。転機となったのは、あのバラエティーへの出演だった。(取材・文=平辻哲也)

 夢を次々に現実にさせている。「ミュージカル出演が夢」と語っていたが、早くもかなえてしまった。

「私が1番びっくりしています。『夢がかなう』と思って言っていたことではなく、本当に純粋な気持ちだったんです。これがすごいことなんだ、というのは、皆さんの反応を見てすごく感じています。ちょっと怖くなっちゃうぐらい本当にピンポイントなんです」

 夢をかなえたのは、これが初めてではない。家族でのドライブが大好きだったことから、冠番組で「高速道路会社のイメージキャラクターになる」と宣言。昨年12月に「首都高リニューアルプロジェクト・高速大師橋リニューアル」のCMに起用された。昨年は自動車免許も取得している。

 ミュージカルは幼い頃、母親に連れていってもらい、好きになった。

「たくさん観るようになったのは中学生とか高校生の時です。帝国劇場で上演される作品を観てきました」

 同舞台は、エイベックス・ピクチャーズと『愛の不時着』などを手掛けるスタジオドラゴンの連動企画第1弾。イタリアマフィアのコンシリエーレ(相談役)である弁護士ヴィンチェンツォ・カサノ(和田雅成)と弁護士ホン・チャヨン(富田)が大胆な復讐(ふくしゅう)を繰り広げていく。ドラマ版はスタイリッシュさと相反するコメディー要素が魅力だった。

 富田はグループの中でも歌唱力はトップクラス。中学生の時に一緒にカラオケに行った友人がうまかったことから、負けたくないと思い、歌唱と個性に磨きをかけた。

「歌とミュージカルは母の影響が大きいです。歌はもともと好きで、家族でドライブした時によく歌っていました。完璧とまではいかないのですが、ピアノもやっていたので、音感もよかったと思いますし、ピッチを取るのは得意なんです」

 グループでは、さまざまなことに挑戦してきた。

「最初は顔を知ってもらいたい、印象に残りたいと思って、バラエティーを頑張ってきました。それが、こういうところにつながっていたりするのかな。全力、一生懸命でやることが好きなんです。見られていないところでも、ちゃんとやるのは大事なことと思います」

 そんな努力家の面を持つが、最初は自身のことを好きになってほしい、という思いが強かったのだという。

「でも、最初の頃は自分のことが好きではなかったんです。それでは、人から好きになってはもらえないですよね。まずは自分を好きになることから始めて、たくさんの方に知ってもらいたいと思えるようになりました。それで、自分の中のしがらみというか、わだかまりが取れたような気がします」

「会場の雰囲気を楽しみたい」と地方公演に向け意気込み【写真:矢口亨】
「会場の雰囲気を楽しみたい」と地方公演に向け意気込み【写真:矢口亨】

今夏は『ヴィンチェンツォ』に全力投球「とにかく、やり遂げるのが目標」

 転機になったのは、昨年4月から6月末までTBS系『ラヴィット!』(月~金曜午前8時)にレギュラー出演したこと。

「自分が好きなところ、得意なところを伸ばしていただけるような機会だったと思います。運とタイミングに恵まれました。いろいろなお話を頂けることが多くなったので、大切なきっかけだったなと思います」

 今回の初ミュージカルは自分の力を存分に発揮できる機会だと捉えている。

「最初、弁護士役と伺った時は自分にできるかなと思ったんです。原作をしっかりリスペクトしつつ、ミュージカルならではの色を出していけたらと思います。前回、舞台に出させていただいたのは4年前。その時はメンバーと一緒だったので、心強さもあったのですが、今回は一人。共演のみなさんは経験豊富な方ばかりなので、アイドルとして足を踏み入れるっていうのは、ちょっと怖いところもあったりするんですけど、頑張りたいです」

 アイドルとして数々のステージをこなしているが、実は極度の緊張しいで、大切な仕事の前では眠れないことも多いのだという。今は寝袋で寝るのがマイブームだ。

「ベッドでよく眠れなくなったのをきっかけに寝袋を使ってみました。迷彩柄のものをネットで見つけて購入したんです。最初はリビングで寝てみたんですけど、体が痛かったので、ベッドのマットレスを移動させて、その上で寝ていますが、ベッドよりも快適に眠れています」

 今夏は『ヴィンチェンツォ』に全力投球するつもりだ。

「とにかく、やり遂げるのが目標です。これが終わったら、ご褒美に何を買おうかなと考えたりするぐらい、頭の中は『ヴィンチェンツォ』でいっぱいです。ライブではいろいろな地方に訪れていますが、舞台で地方に伺うのは初めてなので、楽しみです。会場の雰囲気を楽しみたいと思います」。本格的な稽古に入ったが、どんなホン・チャヨン役を見せてくれるか。

□富田鈴花(とみた・すずか)2001年生まれ、神奈川出身。日向坂46のメンバー。愛称は「すーじー」。2017年に行われた『けやき坂46(現:日向坂46)追加メンバーオーディション』に合格後、芸能活動を開始。日向坂46二期生メンバーとして、音楽、ドラマ、舞台など、アイドルとしての活動を広げている。

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