木戸大聖、初主演オファーに疑心暗鬼 原動力は「悔しい思い」 ゴルフ仲間は小栗旬

俳優の木戸大聖がENCOUNTのインタビューに応じ、初主演を務めた映画『先生! 口裂け女です!』(ナカモトユウ監督、7日公開)の見どころや、自身の憧れの存在、撮影現場の裏話を語った。

初主演を務めた木戸大聖【写真:ENCOUNT編集部】
初主演を務めた木戸大聖【写真:ENCOUNT編集部】

映画『先生! 口裂け女です!』で初主演を務めた木戸大聖

 俳優の木戸大聖がENCOUNTのインタビューに応じ、初主演を務めた映画『先生! 口裂け女です!』(ナカモトユウ監督、7日公開)の見どころや、自身の憧れの存在、撮影現場の裏話を語った。(取材・文=幸田彩華)

 高校生のタケシ(木戸)とF1(上野凱)は、原付を盗んでは不良軍団に売ってお金を稼ぐバイトをしていた。ある日、タケシたちが通う学校に転校してきたアヤカ(黒崎レイナ)も仲間に加わり、3人で原付窃盗をすることに。寂れたアパートに停めてある原付を盗もうとした瞬間、持ち主と思われるマスク姿の女に見つかってしまい、慌ててバイクで逃げるタケシたち。人間とは思えない身体能力で走ってくる女にすぐに追いつかれてしまう。そう、このマスク姿の女こそ、頬まで口が裂け、100メートルを6秒で走る伝説の口裂け女(屋敷紘子)だった。

 木戸8日、公開を記念した舞台挨拶に登壇した。主演映画での舞台挨拶は今回が初だったが「みんながいてくれたので、全然緊張はなかったですね」と笑顔を見せた。

 これまでも、イベントでファンの前に立つことはあったが、今回は自身を奮い立たせる日が続いた。「司会の方から最初に名前を呼んでいただくとか、真ん中のポジション立てるっていうのは、やっぱり役者をやっていたらすごく憧れることだったので、それを実現できたっていうのはすごく嬉しかったです。この作品と監督、スタッフさんに感謝です」。

 初主演オファーは、Netflixオリジナルシリーズ『FirstLove 初恋』での反響が決定づけた。満島ひかりと佐藤健がダブル主演を務めた男女の物語で、木戸は佐藤演じる並木晴道の若き頃を演じていた。

「配信を観て頂いてからのオファーだった。気持ちが追いつかないと言うか、『主演をやってもいいの?』という感じたった。どちらかというとオファーをいただいた瞬間は不安が強かった」と内心を打ち明けた。

『FirstLove 初恋』の反響はすさまじく、インスタグラムのフォロワー数も1.3万人が今では29万人と20倍以上増加。気持ちに変化が芽生えたという。

「自分が役者をこれまでやってきていて、代表作と言えるものがなかったのが悔しかったです。自信をもって『FirstLove 初恋に出ています』と言える作品が作れたことは、今までと変わったところかなと思います」

 作品にちなんで、ホラー系が得意か聞いたところ一風変った答えが返ってきた。「得意ではないんですけど、臭いモノをまた嗅ぎたくなる感覚と似ていて、観たくはなるんですよね」。好きなホラー映画は、黒木瞳や小日向文世が出演した『仄暗い水の底から』(2001)と紹介した。

 さらに、撮影現場で実際に起きた不気味な恐怖体験も告白。「ある時、山の中でF1とタケシがバイクで追いかけられるシーンを撮っているときに、深い時間まで撮影をしていた。撮影が終わってF1役の上野凱くんとロケバスに乗っていてしばらくしたら、赤ちゃんの泣き声みたいなものが聞こえたんですよ。凱くんも聞こえていたようで、お互い喋っていたけど会話も止まって『え、聞こえたよね?』みたいな会話をしました。あと、トンネルのシーンでも、勝手に電気が半分くらい消えちゃうみたいなこともあったりして、なにかあるのかなっていうのはちょっと感じました」とゾクゾクしていた。

 撮影現場の裏話も告白。「今回タケシが乗ってるゴリラ(ホンダ)は監督のポケットマネーでこの作品のために買ったバイク」と明かした。

 また、オファーを聞いたとき思いもよらない偶然が重なった。研さんを積むため、バイクの教習所に通っていたといい「役でスタントマンなしで乗れたらいいなと思って……。オファーを聞いてから、ピッチをあげて中型免許を取得しました」と明かした。

 演じたタケシは、自分はけんかが強いと思っているタイプだが、ちょっと気の弱い心優しきヤンキー。客観的に自身と仲良くなれそうか聞くと、「彼は威張ってるところもありますけど、誰かのために動くことが原動力っていう部分は、自分も重なる部分はあって仲良くなれそうとは思いますが、やっているバイトには関わりたくないですね(笑)」。

 作品は、映画コメンテーターやナレーターなどマルチに活躍しているLiLiCoも鑑賞した。「『面白かった』と言っていただけた。それこそ、相当な数のホラー映画を観てこられたと思うのですが、そんなLiLiCoさんでも裏切られた感覚というか、新感覚みたいなところを感じていただけたのかな」と話した。

黒の衣装でまとめた木戸大聖の全身ショット【写真:ENCOUNT編集部】
黒の衣装でまとめた木戸大聖の全身ショット【写真:ENCOUNT編集部】

憧れの芸能人は木村拓哉、小栗旬ともゴルフ仲間

 芸能界デビューは幼少期の頃から夢描いていた。「やっぱりドラマが好きで、テレビに出たいっていうのは小学校の頃からありました。いろいろな職業になれるのは役者だなと思って」。憧れの芸能人は、幅広い年齢層に愛され最前線で活躍し続ける木村拓哉の名を挙げた。対面したことはまだないが共演については消極的な考えだった。「ずっと雲の上の存在っていう神のような人なので、会っていいものだろうか……ちょっと怖いですね」と想像するだけで頬を赤らめた。

 プライベートで仲がいい芸能人はお笑いコンビ・アメリカザリガニの柳原哲也と俳優の神尾楓珠というが「友達は多くない方なので、基本的には一般のお仕事をしている子と会うことが多い」と話した。

 自身の強みは「特化して秀でてるものがないからこそ生まれる負けず嫌いさというか、必死に努力し続けるエネルギーは、人より多いのかなと思う。自分は天才的なタイプではないからこそやるしかないというか。ここまでやれてきたのは、悔しい思いを原動力にするみたいなのが、もしかしたら人よりあるのかも」と力を込めた。

 今後、出演してみたい番組はさまざまな分野で活躍する人たちをひとりひとり密着取材して取り上げ、紹介していくMBS・TBS系ドキュメンタリー番組『情熱大陸』といい「いつか出られたらなって……」と夢を膨らませた。

 趣味はゴルフ。スコアは「100を1回切った位。基本的には100台です」。23年6月に所属事務所の代表取締役社長に就任した小栗旬ともゴルフ仲間という。「何度かご一緒させていただきました。ゴルフって人柄が出るので、旬さんの人柄の良さやカッコ良さをゴルフでさらに感じました」と感謝している。

 最後、ファンに向けてメッセージを送った。「今回、ぼく自身も、新しい感覚を得た映画でした。ナカモトユウ監督という、本当に少年心がたくさん溢れる監督の要素がいっぱい詰まった、ホラーひとつにジャンルを絞りたくない映画になっています。これから観ていただく方には伝わりにくいかもしれないけど、観たら絶対にわかる! そんな映画になっていると思います。ぜひ映画館に足を運んでいただけたら嬉しいです」。

□木戸大聖(きど・たいせい)1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年、レッスンに参加する中で現在のマネジャーから声を掛けられ、現在の事務所「トライストーン・エンタテイメント」に所属。同年、芸能活動を開始した。主な出演作は、NHK BSプレミアム『おとうさんといっしょ』、TBS『日立 世界ふしぎ発見!』、映画『大怪獣のあとしまつ』、Netflixオリジナルシリーズ『First Love 初恋』など。

次のページへ (2/2) 【写真】公開記念舞台あいさつに浴衣姿で登壇した木戸大聖
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