フォロワー160万人“Z世代のカリスマ”は間もなく20歳 「10代じゃなくなるのはイヤ」なワケ
SNS総フォロワー数160万人超で、Z世代の代弁者として活躍する女性タレント・ひかりんちょが、7月14日に20歳の誕生日を迎える。SNSを通じてティーンの悩みに向き合ってきたが、10代ではなくなる自分に「喪失感がある」と本音を漏らした。間もなく迎える20代は「モチベーショナルスピーカーとして、全世代に知ってもらえるような存在になりたい」と気を引き締めている。
静岡の良さを知ってほしい 地元の放送局でレギュラーも
SNS総フォロワー数160万人超で、Z世代の代弁者として活躍する女性タレント・ひかりんちょが、7月14日に20歳の誕生日を迎える。SNSを通じてティーンの悩みに向き合ってきたが、10代ではなくなる自分に「喪失感がある」と本音を漏らした。間もなく迎える20代は「モチベーショナルスピーカーとして、全世代に知ってもらえるような存在になりたい」と気を引き締めている。(取材・文=西村綾乃)
若者に人気の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」への投稿などで認知を拡大したひかりんちょ。SNSを通じてティーンの悩み相談に応じるなど、10代の“駆け込み寺”として支持されている。
「中学1年生のときに投稿した動画が拡散され、有名になったことでいじめをうけたことがありました。不登校になった時期もありましたが、SNSの中に自分の居場所を見つけてからは、発信することで自分の存在を証明していました。学校や塾、バイト先など人間関係が広がる10代は悩みも多い。壁を作らず共感し、友だちとして話すようにしています」
SNSの中には情報があふれている。過剰な承認欲求は飲食店での迷惑動画投稿など社会問題にもなった。
「飲食店での迷惑行為は1人だったら絶対にやっていないことなんじゃないかと思います。一緒にいる友だちに、面白いところを見せたいという悪ふざけの延長線上だった。でも自分ではどうってことないと思った投稿でも、それを判断するのは他人。SNSは良くも悪くも人生を変えてしまう影響力があるということが分かったのではないでしょうか」
美意識の変化から整形を望む10代も増えた。
「整形は『かわいくなるための努力の1つ』と感じる部分はあるけれど、自分が見たいと思って集めている情報が『世の中の当たり前』と思い込んでしまうところにゆがみがある。整形しても踏みとどまっても、どちらも自分であることに変わりはないのだから、人と比較をせずに、自分のことをもっと好きになったら楽になれるなと感じます。まずは自分を肯定してあげること。ToDoリストを作って、『決めたことができた自分、えらい』と認めるところから始めてほしい。朝決めた時間に起きられたとか、プールに行って1時間泳ぐとか、簡単なことでいいんです」
会話の中では、自死を考えていると明かされることもあった。
「死にたいと思うこと自体は悪いことじゃないと思います。私自身、いじめを受けていたときに、自死が頭をよぎったことがありました。でも時間がたてば心が落ち着く。19歳になった今は、死にたいぐらいつらいことは、生きている中ではきっと繰り返し起きると思っています。誰のことも信じられないくらいつらいことがあったら、『まだダイエットに成功していないから、今死んだら遺影がかわいくないな』『好きなアニメが完結してないじゃん』『生きていれば、推しに会えるかもしれない。今死んだら、会えないじゃん』と視点を変えて見てほしい。今つらい思いをしている人には、私の存在が助けになればと思っています」
10代の代表として活動してきた。間もなく迎える20代は「不安もある」と目を伏せた。
「ギリ10代の今は、Z世代の代表として存在できているのですが、20歳はそうはいかない。20歳ってすごく大人っていうイメージがあるから。実際成長はしているけれど、10代じゃなくなるのはイヤですね。ずっと10代でいたいです」
小学校1年生のとき、卒業する自分に宛てた文集に「将来の夢はモデル」と書いた。夢をかなえ続けるひかりんちょ。夢をかなえ続けた彼女が、次に見据えるものは。
「音楽などやりたいことはたくさんあるのですが、今は2つのことを軸にしたいと思っています。1つは生まれ育った街で、今も拠点を置いている大好きな静岡を盛り上げて行くこと。月に1度、レギュラー出演している情報番組『まるごとGOLD』(静岡第一テレビ、月~金、午後6時15分)の中で地元自慢をしているので、おいしいものや話題のスポットを紹介していきたい。もう1つは、日本にはまだ存在しない、モチベーショナルスピーカーとして、全世代に向けて考えを発信していくことです」
至福の時間は、2004年型のクライスラーに乗ってドライブする時間だという。
「車高をめちゃくちゃ低くしたので、スーパーの駐車場に入るときにこすってしまったことがありました。バンパーが外れることもあって、父が直してくれます。実はもう1台、水色の軽自動車も持っているので、その日の気分で乗り換えるようにしています」
どんな質問にも自分の言葉を探し、真摯(しんし)に回答を続けたひかりんちょ。「取材をまた受けられるように頑張りたい」と飛躍を誓った。
□ひかりんちょ 2003年7月14日、静岡県生まれ。TikTokやインスタグラム、YouTubeなどを中心に活動。総フォロワー数は160万人を超える。「超十代」応援大使や、「ダイハツ工業」の宣伝プロデュースを務めるなど、斬新な発想力を多方面に活かしている。『ありのままの私を受け入れずに批判する奴には、心の中で中指立てればいい』などの著書を持つ。