「キレる気持ちも理解できる」 セルフレジへの“老人の言い分”が「考えさせられる」と話題
コンビニやスーパーを中心に導入が進み、すでに見慣れた光景となっているセルフレジ。一方で一部の利用者や店員からは「使い方が分からない」「負担が増えた」といった否定的な声も出ており、議論を呼んでいる。そんななか、高齢者の率直な気持ちを代弁した投稿がネット上で話題となっている。74歳の父を持つすあま(@suama13)さんに話を聞いた。
74歳の父が漏らした「キレる老人」への共感の声を複数の投稿に分けて紹介
コンビニやスーパーを中心に導入が進み、すでに見慣れた光景となっているセルフレジ。一方で一部の利用者や店員からは「使い方が分からない」「負担が増えた」といった否定的な声も出ており、議論を呼んでいる。そんななか、高齢者の率直な気持ちを代弁した投稿がネット上で話題となっている。74歳の父を持つすあま(@suama13)さんに話を聞いた。
「辛うじてセルフレジについて行けてる前期高齢者:親父殿(74)は『決して肯定はしないけど、店員にキレる老人の気持ちは理解出来るんだよ』と語る。『尋ねる事って恥ずかしいんだよ。自分の無知さや無能さなんか一番直視したくない。ボケが始まってたり肉体の衰えを痛感してる人はなおさらそうだろう』」
今月14日、父親が漏らしたセルフレジへの本音についてつづった投稿は、1万件を超えるリツイート、4万件のいいねを集めるなど大きな話題を呼んでいる。
投稿者は続く投稿で「押して注文するやつ(タッチパネル)とか自分でやるレジ(セルフレジ)とか、老人にとっては訊かないと分からないんだよ。でも周りの若いやつは説明聞かないでもピッピピッピやれるだろ? その中で一人だけ店員に質問するのは、やっぱり恥なんだよ。老人はいつも恥と戦ってる。いつも戦ってる」「昨日まで注文聞きに来てくれたウェイトレスのオバちゃんが急に『こちら(タッチパネル)からご注文下さいね?』って板だけ渡して行っちゃうと、年寄りは困るしか無い。困った末に恥をしのんでもう一回オバちゃん呼んで教えて貰う。そういうのがいっぱいある。コロナ禍で一気に多くなった」と父親の発言を引用。
「だから『もうこれ以上恥をかかせないでもいいじゃないか。黙って昨日までの通りにやってくれてもいいじゃないか』と泣いちゃうのは、理屈は解るんだよな。年寄りは泣くんじゃなくて怒鳴るになるから害悪だし、全く肯定はしないんだけどな。俺もああなってたかもなって、ちょっと思う」という父の本音を紹介している。
一連の父親の発言について、投稿者は「老人の代表意見という訳では無いのだろうけど。老人は老人で言い分があるんだなぁとは思った。昨日まで普通に歩けてた町中が急に段差だらけになる、みたいな。躓き(つまずき)が頻出する生活になっちゃったらもう人生がストレスなのよな。段差のたびに『ここはこうやるんだよ』と教えてくれる人も、『段差に困ってしまった』と愚痴れる家族もいないのなら、まぁ泣き喚き散らしたくはなるよね」と一定の理解を示しつつ、「だからといって店員に怒鳴り散らして良いわけではない。そこは大前提として否定していきたい」と結んでいる。
8つもの投稿にまたがった長文の内容には、「機械は迂闊(うかつ)に触ると壊れるものって常識のある世代なんですかねえ」「うちの場合、うっかり触って変なことになって、人に迷惑をかけるくらいなら使わなきゃいいという孤立感のようです」「タッチパネル、お年寄りのカサカサの指だと反応しないこともあり…。見えにくいし」「『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』の考え方も老い先短くなると『一生』の比重が軽くなって聞けなくなるんかな」「いや、無駄にプライドが高いだけでしょ」「自分もいずれついていけなくなるのだから、老人のことをバカにする気にはなれない」「いろいろと考えさせられる話ですね」など、多方面からさまざまな意見が寄せられている。