立教大、志願者2年連続減少の“なぜ” 不明瞭な英語のスコア計算 「早慶受かったけど立教落ちた」の声も

関東の難関私立大学として知られる立教大(東京・西池袋)が、2年連続で志願者数を減らしている。東京6大学に名を連ねる名門校に何が起こっているのか。同大のHPなどによると、2023年度入学試験の志願者総数は5万8208人で、前年度の6万2646人から4438人減少した。21年度から英語独自試験の廃止(文学部除く)や文系学部で最大5日間の受験が可能となるなど入試改革を積極的に推し進めているが、06年度以来、初めて志願者が6万人を割る結果となった。

志願者数が2年連続で減少した立教大学【写真:ENCOUNT編集部】
志願者数が2年連続で減少した立教大学【写真:ENCOUNT編集部】

受験生は補欠候補かどうか最後まで不明 予備校業界からは改善を求める声

 関東の難関私立大学として知られる立教大(東京・西池袋)が、2年連続で志願者数を減らしている。東京6大学に名を連ねる名門校に何が起こっているのか。同大のHPなどによると、2023年度入学試験の志願者総数は5万8208人で、前年度の6万2646人から4438人減少した。21年度から英語独自試験の廃止(文学部除く)や文系学部で最大5日間の受験が可能となるなど入試改革を積極的に推し進めているが、06年度以来、初めて志願者が6万人を割る結果となった。

 立大は独自の英語試験をなくす代わりに、共通テストの英語の得点と実用英語技能検定(英検)やケンブリッジ英語検定、GTEC、IELTS、TEAP、TOFELなど民間の外部英語試験のスコアを出願書類に加えている。そのため試験当日は2科目だけの受験となる(文学部除く)。文学部が独自の英語試験を行っていることについては「民間試験に頼る大学の方針に反対しているからでは」といった声が予備校業界から上がっている。

 さて、問題はこれら英語の民間試験のスコアが実際の入試でどのように換算されているのか、一切不明であることだ。一般選抜では個別試験、共通テスト、民間試験がある。このうち共通テストの英語スコアと民間試験のスコアの最も高いスコアをそれぞれ100点満点で換算し高い方を得点として判定する仕組みのようだ。

 ある予備校講師がこう話す。「問題は民間の英語試験のスコアがどのように得点化されているのかまったく分からず、“ブラックボックス”となっていることです。そのため早稲田大、慶応大に合格しても立教は落ちた、という受験生も少なくありません。どの民間試験のスコアが何点扱いになっているのか非公開なので、外部の民間試験をとにかくたくさん受けておく必要があります」。

 英語の民間試験でどれぐらいのスコアが取れれば立大の合格圏内に入れるのか分からない、となれば手の打ちようがない。情報不足で英語対策が後手に回った受験生が、この立教型英語試験になじめず同大受験を敬遠してしまうケースが後を絶たないようだ。同大も校友会報で「18歳人口の減少により大学志願者数全体が減少傾向であることに加え、本学の入試制度がより浸透し、英語資格・検定試験を受験していない層からの敬遠がより進んだ」と現状を認識している。志願者数激減について大学側はお決まりの「18歳人口の減少」を理由に挙げているが、明治大、日本大、立命館大、同志社大は志願者数を増やしている。

 実は立大の一般入試は合格者発表が4回ある。1回目が不合格だった全受験生が補欠合格候補となり、第2回、第3回、第4回と追加合格者を発表していくため、受験生は自分がいつ合格者になるのか判然とせず眠れない夜を過ごすことになる。ちなみに、共通テスト利用入試では追加発表はない。前出の講師は「他大学に合格して入学式寸前の受験生のところに、3月の月末ギリギリのタイミングで立大から補欠合格の通知が来ました。最後まで自分に繰り上げの可能性があるのかないのかも分からないというひどい扱いです。もしこれが改善されないのなら、立大が第一志望以外の受験生は無理して受ける必要はありません」。

 志願者減少の理由はこんなところにもありそうだ。

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