宮本亞門が「天才」と絶賛した山崎玲奈、2歳からマイケル・ジャクソン 挫折をバネに
俳優の山崎玲奈(16)が7月開幕のミュージカル『ピーター・パン』に主演する。2020年のホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得した際、演出家の宮本亞門らが「天才」と絶賛した逸材。小学4年の時から市民ミュージカルに参加してきた山崎にとって、一つの集大成となる作品だ。意気込みを聞いた。
山崎玲奈インタビュー、7月開幕のミュージカル『ピーター・パン』に主演
俳優の山崎玲奈(16)が7月開幕のミュージカル『ピーター・パン』に主演する。2020年のホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得した際、演出家の宮本亞門らが「天才」と絶賛した逸材。小学4年の時から市民ミュージカルに参加してきた山崎にとって、一つの集大成となる作品だ。意気込みを聞いた。(取材・文=中村智弘)
大手芸能事務所・ホリプロが手掛けるミュージカル『ピーター・パン』が始まったのは1981年。初代ピーター・パンを務めたのは榊原郁恵(「榊」は「木へんに神」が正式表記)だ。その後、笹本玲奈、高畑充希、唯月ふうか、吉柳咲良ら演じてきた。山崎は11代目となる。こまれでの伝統を大切するとともに、新たな“ピーター・パン像”を作りたいと意気込む。
「11代目として引き継ぐことは、すごく緊張します。『今までで一番いいピーター・パンだった』と言ってもらえるような作品にしたい。これまでのピーター・パンはかわいくてかっこよくて、正義感の強いヒーローみたいなイメージがあります。でも、やんちゃだけど、実は少し裏に孤独感を抱えている側面もあるのではないかと思っていて、そのあたりを演じられたらと思っています」
男の子を演じるにあたって、気をつけていることはあるのだろうか。
「無意識に女性らしい仕草や口癖が染みついちゃっているので、それを取り除く作業が大切。動きだけで、男の子だなって分かってもらえるようにまでなりたいです。普段から周りの男性の歩き方とか食べ方とか、座り方をよく観察して取り入れています。立つ時も頼れる感じで男性らしく立つようにしています。今は日常から男の子になり切っている感じですね」
小さい頃から母親の影響で、ミュージカルや映画に接する機会が多かった。特に影響を受けたのが、自宅に流れていた米歌手のマイケル・ジャクソンだったという。
「2歳ぐらいから本当に歌うのと、踊るのが好きでした。特にマイケルが大好きで、よく『フォー』とかモノマネをしていたんです。母は『この子は見るだけではなくて、やる方が向いているんじゃないか』と思ったらしくて、『ミュージカルスクールに行ったほうがいいじゃない?』と言われました(笑)。それが、きっかけで、小学4年の時に市民ミュージカルに参加するようになった。母と一緒の舞台に上がったりすることもあって、楽しかったですね」
「昔から色んなところで、『ピーター・パンになりたい』と言い続けていた」
ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得した際、演出家の宮本亞門が「天才。世界に行ける力を持っている」と言ったほど天性の素質に恵まれているが、一度、挫折を経験している。小学5年の時、ミュージカル『アニー』のオーディションで、途中で落選したのだ。
「本当に悔しかったですね。本当は努力するのが苦手なんですが、その後の1年間はアニーのオーディションのために、練習しました。しばらく、稽古や舞台出演のために地元・愛媛と東京を往復していたんですが、途中から、稽古に力をいれるために関東のほうに引っ越しました。おかけで、翌年(2018年)に受けた『アニー』のオーディションで主役の座をつかむことができました」
ミュージカルを始めた小学生の頃から、『ピーター・パン』は出演したかった作品だという。
「昔から色んなところで、『ピーター・パンになりたい』と言い続けていたら、本当に夢がかなった。やっぱり、口に出すということが大事なんだなと思います。これまでの集大成となる作品になります。歌って踊ることは、ただただ楽しい。そんな姿を見ていただけたらと思っています」
□山崎玲奈(やまさき・れな)2007年1月28日、愛媛県生まれ。小学4年の時から市民ミュージカルに参加。19年、ミュージカル『アニー』に主演。20年、第44回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得。23年7月開幕のミュージカル『ピーター・パン』に主演する。身長156センチ。
※山崎玲奈の「崎」の正式表記はたつさき