大手レシピサイト「Tasty Japan」が、クッキングシートを使った揚げ物の作り方を公式アカウントに紹介、「フライパンが空だき状態になり危険」と批判が寄せられ謝罪した。フライパンを空だきするとどういった危険があるのか。調理用品の企画・販売を行う企業に見解を聞いた。

「【少ない油で揚げ物ができる】クッキングシートを使った揚げ物の裏技！」として5月31日にSNS上に公開された動画では、フライパンの上にクッキングシートを折り畳んで作った四角い箱を置き、その中に少量の油を入れ揚げ物を行う様子が収められている。この動画をめぐり「フライパンが空だき状態になる」「テフロンやフッ素加工が溶けて有毒物質が出て危険」といった批判の声が上がっていた。

　Tasty Japanを運営するBuzzFeed Japan株式会社は6月1日、公式アカウント上で「誤った情報を掲載してしまったことを、お詫び申し上げます」「当該コンテンツにある調理法により、フライパンが空焚き状態になり、フッ素樹脂加工のフライパンが損傷する可能性があることが判明しました。このような誤った内容を掲載してしまい、読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、心からお詫び申し上げます」と謝罪。動画はすでに削除されており、「私たちは、信頼と正確性を提供することを最優先に考えており、このような誤りが再度発生しないように対策を講じます」としている。

　調理用品の企画・販売を行う和平フレイズの担当者は、ENCOUNTの取材に「食材（この場合は箱にしたクッキングシート）がのっていない部分が、空だきとなっております」と動画内容の見解について回答。テフロン加工やフッ素加工のフライパンを空だきしてはいけない理由については「フッ素樹脂加工製品の連続使用可能温度である260度を超えると、他のプラスチック同様に分解ガスが発生します。通常の調理では200度以下なので心配する必要はありませんが、通常のコンロでも中火以上で1分以上加熱すると過度の空だきとなり、フッ素樹脂加工を傷めます。空だきは、本体の変形・フッ素樹脂のはがれ・外面塗装の損傷の原因となります」と説明した。

　なお、調理前の予熱作業は短時間でありその限りではなく、また、高温に対する耐性が高い鉄フライパンは空だきしても問題ないとしている。