ミスコン2位・女優・行政書士の小倉早貴、外見の悩みを克服した海外留学 「褒められて驚きでした」

有名ミスコン2位の実績を誇り、俳優として活躍し、今年4月には行政書士として独立開業。華々しい経歴と多彩な才能で注目を集めるのが、小倉早貴だ。合格率10%程度とされる難関を突破し、「行政書士タレント」として新たなスタートを切った23歳。コンプレックスを強みに変えた過去、俳優と法律家の“二刀流”の理想像とは。

俳優・行政書士として活動する小倉早貴。母からプレゼントされた西陣織の名刺入れを使っているという【写真:徳原隆元】
俳優・行政書士として活動する小倉早貴。母からプレゼントされた西陣織の名刺入れを使っているという【写真:徳原隆元】

行政書士タレント・小倉早貴 Miss Japan日本大会で2位 TOEICスコアは835

 有名ミスコン2位の実績を誇り、俳優として活躍し、今年4月には行政書士として独立開業。華々しい経歴と多彩な才能で注目を集めるのが、小倉早貴だ。合格率10%程度とされる難関を突破し、「行政書士タレント」として新たなスタートを切った23歳。コンプレックスを強みに変えた過去、俳優と法律家の“二刀流”の理想像とは。(取材・文=吉原知也)

「美しさは自分で決めるもの」。自信にあふれる言葉は、劣等感を克服した証しだ。

 聖心女子学院(初等・中等・高等)出身。弁護士の祖父を持ち、立教大法学部に進学した。海外経験も豊富で、英語が得意。大学1年時に韓国ソウルに短期留学し、大学代表として日中韓の学生と国際情勢についてディスカッションするなどリーダーシップ論の知見を深めた。大学2年時にはギリシャ・アテネへの留学で、本場の演劇を学んだ。

 転機が訪れたのは、学生時代の2020年に行われた「Miss Japan(ミス・ジャパン)」日本大会。広島県代表として参加し、見事に準グランプリに輝いた。法律家を目指したのは、同じミスコン出場者の女性たちから誹謗(ひぼう)中傷やストーカー被害などの相談を受けたことがきっかけ。「困っている人たちの助けになりたい」と、大学を卒業後、弁護士秘書の仕事と芸能活動の合間を縫って猛勉強。約1年の短期間で難関試験を突破し、行政書士の国家資格を取得した。

 そんな小倉には、外見の悩みがあった。そばかすだ。2つの出来事を通して、克服につなげた。

「私にとって、ずっとコンプレックスでした。大きかったのは、大学時代のギリシャ演劇留学の際に、自分に自信を持ってファッションや立ち振る舞いで自己表現をしている同世代の女性たちに触れたことです。ギリシャでは、そばかすは『天使のキス』と呼ばれていて、美しさの象徴とされています。現地の大学生の女の子から、『そばかすはペンで描いているの? すごくすてきね』と言われて、褒められました。驚きでした」。

 引け目に感じていたそばかすを、うらやましがられた。これまでの劣等感が覆った瞬間だった。ギリシャから帰国後、「外見を磨いていくことで、最終的に内面も美しくできれば」と自分磨きのため、ミスコンに応募。主要な審査項目の1つである日本語スピーチで、このギリシャでの経験を取り上げた。

「美しさに正解はない。自分で決めるもの。私は美しさについて、自分の生涯を通じて証明していきたい。こういった意見をスピーチで話させていただきました」。栄えある2位を勝ち取り、人生の大きな自信になった。

演劇文化の“元祖”ギリシャで学んだメソッド演技を今も地道にレッスン

 3歳から18歳まで習ったバレエは、俳優業にしっかりと生きている。意外なことに、姿勢やシルエットだけでなく、手先の見せ方にあるという。

「バレエと聞くと、足を高く上げてクルクル回るというイメージがあるかもしれませんが、最終的に大事になるのは手先の表現なんです。力の加減や動かし方、そこで感情を表します。演技の際は、表情だけでなく、手先にもこだわっています。普段、スマホを持つ時も、持ち方などに気を使っています」と教えてくれた。

 国民生活に関する幅広い事柄について官公署に提出する書類作成を主な業務とする行政書士の“1年生”として、新生活をスタートさせた。目指すのは、芸能界と法曹界の両立を通して、培った知識やノウハウ、法律解説を分かりやすく発信していく新たなタレント像だ。それに、キャバクラやガールズバー、ソープランドの営業許可に関する業務などを通して性風俗業界に関する知見を蓄積し、「夜の行政書士」として情報発信に取り組み、悩みを抱える従業員の女性たちのサポートを見据えている。

 故・竹内結子さんの演技に憧れており、「女優としてしっかりお金をもらえるプロになりたい」と、芸能活動の明確な目標を掲げている。行政書士の経験を、表現にも還元するサイクルを思い描く。「今の時代は、女優さんでも別の業界での仕事と兼業している方がいらっしゃると思います。表現者として、自分にしかできない表現をどうすれば出せるのか。私は、いろいろな方に出会うことを大事にしたいと考えています。例えば、ご両親を亡くした方、離婚された方など、大変な人生経験をされ、乗り越えようとする方々と一緒に歩いていくのが、行政書士の仕事です。皆さんの心に寄り添っていく中で、その時自分が感じた気持ち、心の機微というものを経験として蓄え、表現していきたいです」と熱く語る。

 これから、もっともっと積んでいく経験値。演劇文化の“元祖”とも言えるギリシャで学んだメソッド演技について、今も地道にレッスンを重ねている。「演技については、まだまだ発展途上です。何年かけてでも、しっかり自分のものにしていきたいです。結果を出すためには、やっぱり実力が全てなので、演技力を付けていきたいです」と力を込めた。

□小倉早貴(おぐら・さき)1999年8月20日、広島県出身。趣味は裁判傍聴と社交ダンス。芸能事務所「ワイエムエヌ」所属。語学堪能でTOEICは835、TOEFLは84のスコアを誇る。身近な事柄や時事問題の法律解説を行うYouTubeチャンネルの発信にも取り組んでいる。

●芸能事務所「ワイエムエヌ」
https://ymn.tokyo/
●YouTubeチャンネル『小倉早貴のあつまれ ! ほうりつの森』
https://www.youtube.com/@sakiogura

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