唐揚げ、ポテト、プリプリのエビマヨネーズ。お弁当で食卓で、大人気のメニューは、つい食べ過ぎてしまいがち。そんな現実から目を背けないために。京都にある商品企画会社が生み出したあるものが、SNSで話題になっている。斜め上を行くアイデアは12万件以上の、いいねを獲得。発案のきっかけについて、企画デザイン2時（@niji_2oclock）の担当者に聞いた。

「現実から目を背けないためのピックを作りました」という一文と共に、投稿されたのは3枚の写真。揚げたポテトに肉団子、鶏の唐揚げには冷徹に「カロリー」と書かれたピックが刺さっており、伸ばす手を躊躇（ちゅうちょ）させる。

　投稿したのは社員2人で切り盛りする商品企画会社「企画デザイン2時」のスタッフ。時計の2時の方向と同じ、“ななめ上”の発想を大切にしている同社では、世の中を楽しくするモノやコトを生み出すことが信条。考案したピックのアイデアは、「最近好きなものを好きなだけ食べ過ぎていたので、自分への戒めとして作りました。カロリーを意識しているからこそ思いついたのだと思います」と教えてくれた。

　投稿を見た人からは、「めちゃくちゃほしいです!!!!!!　パーティーとかで周りを戸惑わせたいです、そしてそれを横目に『おいしいものはゼロカロリー!!!!』って言いながらムシャムシャ食べたいです!!!!!」と熱狂的に支持する声が多数。「脂肪、糖質、タンパク質なども良いかも」などのアイデアのほか、刺さったピックを「『元気のもと』『幸せのもと』『ご褒美』にして現実ねじ伏せていきたいです」などの声も。また「これを抜いてから食べたら…。カロリーオフなんてことも」という願望も寄せられていた。

　開発者自身が常日頃葛藤していた思いを形にしたため、「割とすぐ作れたので、制作上の苦労は特にありません」とあっさり。たくさん寄せられた反応については「面白いと笑ってくださるお声に加えて、悲鳴に近い反応もあり、反響がとても大きかったことに驚いています。『ピックを抜けばカロリーなしってこと?』といった大喜利的な反応が多かったので見ていて楽しかったです」と笑顔を見せた。

　現状はまだ試作段階。反響を受けて商品化に向け動いているという。「下向きの矢印と『カロリー』と書かれたピックと、『0カロリー』と書かれたバージョンがあるので、食べる人やシーンに合わせて使い分けていただけたら。画像のような揚げ物オードブルやポテトフライがあるパーティーで使うと盛り上がるかもしれません」と使い方の案を語ってくれた。

　2020年に設立した同社では、ピックのほかにも社会を笑顔にするため、色々な商品を仕込んでいるそう。ピックの商品化など新情報は、ツイッターで公表していくという。