格闘家の武尊が7代目タイガーマスクを襲名することが24日、分かった。都内で行われた7代目タイガーマスクプロジェクトの記者発表会で明らかにされた。

　タイガーマスクは、1981年に佐山聡が覆面レスラーとしてリングにあがって以降、6代に渡って多くのファンに親しまれてきた。佐山は現役時代からプロレスラーとしての活動はもとより、初代タイガーマスクとして養護施設・福祉施設の子どもたちへの寄付をはじめとした社会貢献活動を積極的に実施してきた。引退後も活動を継続してきたが、「未来ある子ども達への支援活動」をより普及していきたいという思いから、その気持ちを理解する格闘家にタイガーマスクを継承してほしいと考え、今日に至ったという。

　そして2022年、「ラオス教育支援プロジェクト」の一環として学校への訪問や養護施設への寄付などの支援活動を行う武尊と出会い、7代目タイガーマスクとしてタスキをつなぐことになった。今後、武尊は「7代目タイガーマスクプロジェクト」として、プロレス活動は行わず、養護施設出身者の自立支援を中心とした社会貢献活動を行っていく。
　
　今回の襲名にあたって武尊は「いろんな記者会見やったんですけど、今日の記者会見が一番緊張しています。小っちゃい頃、両親の影響でプロレスの試合をすごいたくさん見ていた。その中でも、初代タイガーマスクの試合はかっこよかった。強さに憧れて格闘技を始めたんですけど、その最初の強さの憧れを見たのがタイガーマスクだった」と述懐。自身のキャリアを振り返って「子どもたちに夢を与えられるように、という気持ちで試合をしてきた。こうして7代目タイガーマスクを襲名させていただいたことになって、これからさらに、このタイガーマスクという名前をもっと世界に広げて、たくさんの人に、たくさんの子どもたちにパワーを与えられる選手でいたいです」と意気込みを語った。

　会見には、初代タイガーマスクである佐山も登壇。武尊の初印象について「なんて爽やかな選手なんだろう。なんて人間性に優れた選手なんだろう思った。礼儀正しくて素晴らしい青年だと思った」と褒め称え、「反対に、武尊選手に選ばれて光栄です」と述べた。

　佐山はさらに、新たに制作された7代目専用のマスクを武尊へ授与。マスクを装着した武尊は「うれしい気持ちと、身が引き締まる思い」と恐縮の面持ち。佐山は「マスク姿が最高に奇麗でびっくりしました。そこにも素質があるんだなと思った」とほほ笑んだ。