堀口恭司、「BreakingDown」に刺激と危機感 世界で勝てる本物育成へ「武道の心を忘れないために」
日本人トップの実力を持つ総合格闘家の堀口恭司が9日、自身がエグゼクティブプロデューサーを務める新格闘技団体のネーミング発表を行った。その名も「TOP BRIGHTS」。己をいじめ抜き戦うファイターをまぶしく輝く存在に。「本物志向」の思いで新団体を立ち上げた理由の1つに朝倉未来が社長を務める格闘技エンターテインメント「BreakingDown」があった。
海外での活躍を見据えた本物志向団体「TOP BRIGHTS」を立ち上げ
日本人トップの実力を持つ総合格闘家の堀口恭司が9日、自身がエグゼクティブプロデューサーを務める新格闘技団体のネーミング発表を行った。その名も「TOP BRIGHTS」。己をいじめ抜き戦うファイターをまぶしく輝く存在に。「本物志向」の思いで新団体を立ち上げた理由の1つに朝倉未来が社長を務める格闘技エンターテインメント「BreakingDown」があった。
今年の1月に新団体の設立を発表。それから4か月、団体名をツイッター上で公募し、応募のあった1万579件の中から「TOP BRIGHTS(トップ ブライツ)」に決定した。兄で代表の堀口健太氏は「BRIGHTS=ファイター。ファイターたちが発するまぶしい光に世界中の人々が魅了され、そこに希望を見出してもらえるような団体に」と意気込んだ。旗揚げ興行は今年9月9日に堀口の地元・群馬のぐんまアリーナで行う。
堀口「史上最強のMade In JAPAN」の異名をとる。過去にはMMA世界最高峰の舞台「UFC」で活躍し、フライ級ランキングで3位にまで上り詰めた日本人だ。現在も練習拠点を最高峰の米国に置く。日本と米国の技術の差を指摘するなど、かねてより日本人格闘家が世界で勝てないことに危機感を覚えていた。
「今、海外有名団体で日本人がなかなか勝てない状況なので、そこで勝てるような日本人を出していきたいなと思った。新団体は、ルールを米国と同じに。そこで強くなればルールも同じなので海外に行っても通用するのではないかと思っています」
新団体の構想は1年前から
それとは対照的に日本格闘技界ではライト層の流入が増えている。1番の大きな理由は、未来が立ち上げた「BreakingDown」だ。刑務所上がりのアウトローからインフルエンサーとさまざまなキャラクターの参加者が1分で戦う。手軽に観戦できることや、SNSへの拡散のしやすさ、そして過激さから今やニュースで「BreakingDown」の文字を見ない日はないほどだ。
確実に裾野を広げたのは事実だが、一方で出場選手の良いとは言えないうわさや事件も後を絶たない。最前線で戦う堀口の耳にも「BreakingDown」は入ってくる。それが新団体設立への思いに火を付けた。
「新団体の構想は1年前くらいから。『BreakingDown』とかが出てきてから『格闘技のイメージがな……』って思って本物志向の団体を作ろうと思った。良い意味で刺激されたな」
さらに「『BreakingDown』は興行として良いのかもしれないけど、格闘技のイメージとしてあまり良くないと思うんですよ。だからそういう風に、逸れてほしくないから本物志向。日本って武道があるじゃないですか。そういう心を忘れないためにこれ(TOP BRIGHTS)を立ち上げます」とうなずいた。
本物志向。1月の設立発表からずっと言い続けてきた言葉だ。しかし、それだけでは観客を集められないというのも事実だ。本人もそれは分かっていた。
「SNSバトルの見せ方も大事だとは思います。新団体は社長とか裏方の方も本物志向。でも、認知度を使わなくてならないときもあるので、エンタメをなしとは言えない」
それでも根本にある思いは変わらない。かつての師匠・故山本KID徳郁さんは、どう見ていると思うかと問われると「KIDさんは『おう、恭司いいじゃん!』しか言わないんですよ。ガハハハ!」と笑う。
次の瞬間、表情がギュッと引き締まる。「何をしようとしても『恭司ダメじゃん』って1回も言われたことないんですよ。なので賛成してくれると思いますね」と自信満々。
選んだのは難しい道。堀口は「競技として成り立たせたい。もちろん人気も大事ですし、人も集めないといけないと思います。でも、野球とかサッカーみたいなメジャースポーツにしたいと思っていますね」と自分の判断を疑っていなかった。
「まだ早いかもしれないけど、新団体が日本のトップの団体になれるようにしたい。そこを楽しみにしたい。本当にこの2、3年とかでトップになったら」と夢を語る。「史上最強のMade In JAPAN」堀口恭司の目は本気だった。