夫への“不機嫌ハラスメント”回避するには? 妻が明かした「イライラしない秘訣」に共感の声

夫が妻に尋ねた、イライラしない秘訣(ひけつ)。その答えがネット上で反響を集めている。シンプルに、「イライラする前に寝るんだよ」――。そこには、家事と育児、夫婦の分担に関する、奥深い話があった。2人のまな娘のパパである投稿者に聞いた。

夫が妻に尋ねた「イライラしない秘訣」が話題を集めている(写真はイメージ)【写真:写真AC】
夫が妻に尋ねた「イライラしない秘訣」が話題を集めている(写真はイメージ)【写真:写真AC】

2児まな娘のパパ 「育児に無関心」からの大きな変化、妻と分かち合った大事なこと

 夫が妻に尋ねた、イライラしない秘訣(ひけつ)。その答えがネット上で反響を集めている。シンプルに、「イライラする前に寝るんだよ」――。そこには、家事と育児、夫婦の分担に関する、奥深い話があった。2人のまな娘のパパである投稿者に聞いた。

「妻と結婚して10年になる。
 だがいまだに妻がイライラしている所を見た事がない。理由を妻に聞いたら『イライラする前に寝るんだよ』とのこと。イライラしそうになったら夫に家事を丸投げして寝る。出産したらできるだけ実家を頼って寝る。寝てる間に夫に育児をさせる。とにかく沢山寝ると良いらしい」。

 投稿したのは、30代の妻を持ち、8歳と4歳の娘2人を育てる、40代のくり(@Crystallineazu1)さんだ。

 そもそものきっかけは、以前にフォロワーに向けて「僕に今後発信してほしい事があったら教えてください」と問いかけたツイートだった。フォロワーのママ垢からリクエストをもらったといい、「『夫に対して“不機嫌ハラスメント”をしてしまうので、(妻が)イライラにどう対処しているのか知りたい』という声をいただきまして、そのアンサーが今回のツイートになっております」とのことだ。

 発信の意図とは。くりさん自身、ツイッター上で日頃から、「家事育児をしない夫への不満」のつぶやきを見かける。一方で、「それに比べ、僕の妻はいつも穏やかでイライラしているところをまず見たことがありません。結婚する前からそれを感じていましたが、結婚して出産してからもずっと変わらずイライラしているところを見せないことに対して、不思議に思い、妻に『イライラしない秘訣』を聞いてみたのです」。妻の答えについて「納得すると共に、発信することによってツイートを読んでくださった方々とシェアさせていただきたいと考えたのです」という。

 投稿は、300万以上の閲覧回数を記録しており、「丸投げも大切ということですな」「本当に睡眠大事ですね イライラしたまま家事やら育児は二次災害が起きますから」「奥様カッコいい」「夫との連携プレーが秀逸」「誰かに丸投げできるって実は凄いスキル! 相手を信頼してるからだよね!」などの声が届いている。

 反響の大きさを見て、くりさんは生活スタイルの変化や育児に関する諸問題に思いをはせている。

「家事や育児の夫婦間での分担や、夫の育児への『当事者意識』に対する関心は、日に日に高まっているように思います。共働き家庭が増えたことによる夫の家事育児への参加問題、また、お互いの両親を頼れない都心等での核家族による『孤育て』の問題。報道などでセンセーショナルに流される虐待問題、そしてその背景にあるとされる母親の『育児うつ』の問題……。こういった問題が社会的に顕在化していく中で、夫への育児参加や妻(夫も含めて)の睡眠時間の確保はどんどん重要視されているのは間違いないと思います。今回のツイートのコメントにもそういった意識が反映されているように思いました」と語る。

気付いたのは「妻が睡眠を充分にとっていると娘や僕に対しても穏やかになれること」

 今回、焦点が当てられた、「妻の睡眠時間の確保」。2児の子育てを通してくりさん自身、姿勢や考え方が変化した経験があるという。

「恥ずかしながら、僕はいわゆるゴリゴリの『九州男児』でした。なので『男は結婚したら仕事をして、女は家で家事育児をするもの』と思い込んでいた節がありました」。実は、結婚後しばらくは家事をしていなかった。

 ところが、「ある日、共働きの妻が『私も働いているのに私だけが家事をしているの、おかしくない?』と一言こぼし、その日から妻が『疲れて寝たい』と思った時は家事をそのまま残して寝るようになったのです。家に家事をやる人がいなくなれば、僕がやるしかないので、残りは僕がやるようになりました」。

 そして、出産時の状況についてこう振り返る。大きなピンチが訪れた。

「妻が第一子を出産した後も、僕はしばらくは育児に無関心であったように思います。しかし、日々笑顔がなくなっていく妻の様子や憔悴(しょうすい)していく姿を見て、『これはまずい』と気付いたのがきっかけです。そして、自分なりに携帯や専門書などで育児に関するあれこれを学び、実践するようになりました。この時に『睡眠の重要性』に気付いたと思います」。長女と真剣に向き合い、妻に笑顔を取り戻してもらおうと、必死に子育てに努めるようになった。

 第二子が生まれた後は、くりさんは家事・育児にかなり慣れてきた。「妻が早く寝られるように娘の寝かしつけと共に一緒に寝てもらい、その後の家事は私が担い、朝も妻が遅く起きてこられるように離乳食を作り置きしたり、朝の準備をしたり、夜泣き対応を率先して行ったりと、いろいろと工夫して対応しておりました。すると、妻が睡眠を充分にとっていると娘や僕に対しても穏やかになれること。そのことで家族全体が明るく優しい雰囲気で過ごせることに気付きました」。くりさんは妻と「眠ることも育児だね」と分かち合った。

 身を持って学んだ、子育て家庭で大事なこと。くりさんは「このように、一言ではくくれないほどの長い時間をかけて少しずつ変わることができたと思います。僕が変わるのを愛想も尽かさず待ってくれた妻には、尊敬と感謝の気持ちしかありません」と、妻へのあふれる思いについてメッセージを寄せた。

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