浅倉カンナ「まだ強くなれる部分あるじゃん!」 敗戦の恐怖を乗り越え見つけた新たな自分

格闘技イベント「FEDELTA presents RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI」(29日、東京・代々木第一体育館)でV.V Mei(フリー)と対戦する浅倉カンナ(パラエストラ松戸)。昨年7月のパク・シウ戦での敗戦は「トラウマ」になっていた。その後、どのように立ち直っていったのか話を聞いた。

浅倉カンナ【写真:ENCOUNT編集部】
浅倉カンナ【写真:ENCOUNT編集部】

前戦はパク・シウにレスリングを封じられ敗戦

 格闘技イベント「FEDELTA presents RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI」(29日、東京・代々木第一体育館)でV.V Mei(フリー)と対戦する浅倉カンナ(パラエストラ松戸)。昨年7月のパク・シウ戦での敗戦は「トラウマ」になっていた。その後、どのように立ち直っていったのか話を聞いた。(取材・文=島田将斗)

――年齢の部分を含めてV.V Mei選手の印象を教えて下さい。

「Meiさんって、他の団体でのタイトルマッチだったり、5分×5Rの経験もあったりしています。体力的には全然年齢は関係ないのかなと思います。むしろキャリアが長いので、そこはちょっと怖い部分ですね」

――「RIZIN」の舞台では浅倉選手の方が知名度があると思います。対戦相手を聞いたときには何を思いましたか。

「Meiさんと練習をしたこともあったので、『ここで来るか』という素直な気持ちがありました。結構自分ってRIZIN初参戦の方とやることが多いので、今回もやるしかないかなという感じです」

――「RIZIN」初参戦の壁というポジションをどう思いますか。

「別に自分の中ではそういう役割をやりたいわけではないですけど(笑)。そういう試合は組まれたりするので、『壁』はやりたいなという感じですね」

――前戦のパク・シウ(韓国)戦でレスリングを封じられるというのはどのような心境だったのでしょうか。

「自分で振り返ってみても、試合中に強みが通用しないのが1番の地獄だなと思ったので、今回打撃を習うようにしました。あの試合はちょっとしたトラウマですね。もう1回あの展開になったら嫌だなという感じ。試合直後はもう全然覚えていなくて、ただただやられているというイメージだけ頭に残っていますね……」

――ボロボロになったメンタルから今の試合のできる状態になるまで、どのように過ごしてきましたか。

「恐怖心もあったので、それがめちゃくちゃ難しくて。1回戦で負けちゃったのでどうしようかなという風に考えました。でも気づいたら練習に毎日来ているし、ジム(パラエストラ柏)に練習しに来ている選手も多い。試合がある選手が毎週のようにいて、そこで頑張っている姿を見て、やっぱり格闘技の練習をやっているだけで意味があるのかなって。ファイターである以上はまた挑戦しようと思いました。今回はオファーが早くて集中してこの試合まで作り上げようと勇気を振り絞って決めた感じです」

――カード発表会見では「練習を楽しむところから入った」という話がありました。どのような練習だったのでしょうか。

「試合が決まっていたりすると『勝たなきゃ』という気持ちに追われます。素直に楽しめていない部分がありました。でも今回の試合はいろいろ新しいことを始めて考え方も変わって、試合前でも練習をすごく楽しめていますね。

 前回のこともあって恐怖心、リングに上がる決心が全然つかなかったんです。でも、格闘技をするにしてもいろんな人のサポートや応援がある。それなのに試合もしないで、ただ練習をやってるだけじゃ自分の中でもかっこ悪いなと思いました。そういう周囲の力は大きかったですね」

――打撃を新しく習って何が変わりましたか。

「打撃だけを習うことが今までほぼなかったんです。また違う考え方ができるというか、自信を持てるようになって、試合展開でもこういうことをしてみたいなと思うようになりました。試合でこれを出せたらいいなっていう楽しみが増えました。

 いつも同じ練習をしていると自分が強くなっているのかなって分からないことが多いのですが、今は打撃を習い始めているので、自分に伸びしろを感じます。『まだ強くなれる部分あるじゃん!』って感じです」

公開計量に登場した浅倉カンナ【写真:山口比佐夫】
公開計量に登場した浅倉カンナ【写真:山口比佐夫】

「気づいたらもう26歳」も「全然いける」

――GP優勝時のイメージがファンの間にはまだあると思います。ご自身で過去と今を比較してみていかがでしょうか。

「当時は自分も10代で、勢いがあったなと思います(笑)。気づいたらもう26歳。意外と格闘技をやってるなって。初々しい感じはなくなっちゃいましたが、出だし(デビュー)が早かっただけで、26でも全然いけると思っています。キラキラ感はないかもしれないけど、違う良さを出していければと思いますね」

――今回の試合、「もし負けたら」のようなことは考えますか。

「うーん、考えないですね! もう勝つことだけを考えて、勝っても負けてもその時どうなったかでいろいろ考えると思います」

――26歳、大人の女性として普段は何をしているのでしょうか。

「本当に女子みたいなことをあまりしていなくて、格闘技がほぼ毎日。ときどき友達と遊んだりとか、家族と出かけたりとか。試合前は気持ちをスッキリさせたいので、買い物をしたりとかそういう感じですね。車の運転が好きなので、ミニクーパーでちょっと遠くに行ったりしています。家にいるとかはあまりないかもしれないですね」

――YouTubeで恋愛のお話をしていましたが、どんな恋愛観を持っているのでしょうか。

「もう格闘技をやっている女子ってだけでめちゃくちゃ特殊じゃないですか(笑)。だから男の人から見たら逆に扱いづらいのかなと思うんですけど、どうなんですかね。ドライかもしれないです」

――どんな男性が好みですか。

「男らしい人がいいです。見た目というよりも中身に芯があって、尊敬できて男らしい人ですね。なよなよは嫌いです」

――格闘家の「恋愛あるある」は何かあるのでしょうか。

「男性の格闘家と付き合うことが多い気がしますね(笑)」

――結婚観はいかがでしょうか。

「めちゃくちゃ結婚したいです。早ければ早いだけ良いです。具体的なことはそこまで考えたことはないですけど、格闘技だけっていうよりも人生でいろいろな楽しみを味わいたいです。格闘技好きが良いっていうよりも全然知らなくてもいい。子どもも欲しいです。自分が兄弟4人いるので、2人以上は欲しいですね。絶対兄弟がいた方が楽しいから」

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