「数人の男性に襲われる」告発が波紋…話題の田舎暮らしYouTuberに聞いた投稿の真意
「村から逃げ出した理由をご説明いたします」。先月中旬、登録者数約50万人の田舎暮らしYouTuberが投稿した動画に、ネット上で波紋が広がっている。いったい何があったのか。YouTubeチャンネル「りんの田舎暮らし」を運営するりんさんに、田舎移住生活で起こったトラブルとその後のてん末を聞いた。
「村の自宅が数人の男性に襲われる」情報提供で知った恐ろしい計画
「村から逃げ出した理由をご説明いたします」。先月中旬、登録者数約50万人の田舎暮らしYouTuberが投稿した動画に、ネット上で波紋が広がっている。いったい何があったのか。YouTubeチャンネル「りんの田舎暮らし」を運営するりんさんに、田舎移住生活で起こったトラブルとその後のてん末を聞いた。
「りんの田舎暮らし」は、北海道の村に移住したりんさんが田舎の日常生活を投稿するYouTubeチャンネル。20年12月からスタートし、チャンネル登録者数49.7万人を記録する人気チャンネルだ。
先月24日に公開された動画では「村の男性から2人で会いたいと言われて、お誘いを断れば断るほど、私の悪いうわさが増えていきました」「男性の先輩に助けを求めましたが親戚に議員がいる後輩と2人きりで会わなければ村で生きていけないと言われてしまいました」「村の自宅が数人の男性に襲われると情報提供がありました。恐ろしい計画を知った方の通報を経て、女性マネジャーから緊急避難するよう電話を受けて驚きました。すでに避難していた私はケガをすることもなく無事でした。もう村へは1人で帰れなくなれました」と村を出た理由を説明。
村を出てから報告を行うまで、1年あまりがたった理由については「悲しい気持ちの発信は子どもの視聴者さんが多い事務所にいたため皆さまにお伝えできませんでした」「北海道移住前に家を失くして北海道でも住む場所を追われていたこと視聴者様にやっとご報告できました」としている。
いったい田舎移住生活で何があったのか。北海道での移住生活を始めた経緯について、りんさんは「大学在学中に起業することを決め、2020年の冬に小さな美容のお店をオープンしました。あの頃コロナの存在が次第に大きくなって、店が機能しなくなり、夏を迎える頃には店をつぶすしかありませんでした」と説明。当時住んでいた名古屋の物件は住居と店を兼ねていたため、すみかと仕事を同時に失い、「自然の中で暮らすのもいいな」と思い北海道のとある村で移住生活を開始したという。
「今から考えると向こう見ずですが、それだけ心が正常じゃなかったんだと思います。田舎暮らしを決断できたのは、いつかは田舎に引っ越してひとり静かに暮らしたいとぼんやりとですが考えていたこともあったからです」
現在は警察や所属事務所に守ってもらいつつ、北海道の魅力を伝える活動を継続
今回動画を公開した理由については「応援してくださっている視聴者さまに自分の言葉で現状を説明したくて投稿しました。村から避難してからしばらくして、視聴者さまから『観光で村を訪れましたが住民にあの人村に住んでない嘘つきだと教えてもらいました。残念ですファン辞めます』とコメントをもらいました。好きで離れたわけじゃないのにと、とても悲しかったです。その後も『家にいないならさっさと出ていってください迷惑です』『村でりんさんの悪口を聞きました』などのお声が日に日に増え、これ以上誤った情報で大切な視聴者さまを失うのは嫌だ自分の言葉で動画で説明しようと決めました」と説明。当時所属していた事務所から発言を認められず、何度も交渉を重ねた末に、このタイミングでの投稿になったという。
一連の動画はYouTubeの他、一部でネットニュースにもなるなど大きな反響を呼んだ。寄せられた声については「都会から田舎に移り、田舎社会でつらい思いをされた方のコメントが多数寄せられました。私の場合は一部の人が理由で住めなくなったのですが、全国にはその土地特有のルールや人間関係で悩んでいる方がたくさんいらっしゃることを知りました」とりんさん。
一部では「若い女性が一人暮らしを発信していたら危ない」という意見もあるが「女一人暮らしを発信していたからといって、嫌なことをしてもいいにはつながらないと私は思います。自分の常識が他人には当てはまらないことを今回の件で思い知りました。女1人で活動、が理由でうまくいかないことがこれまで多々ありました。事務所に入ることで解消されたこともありますが、自分を守る手立ては自分で増やしていかないとと思っています」と自身の考えを語る。
これから田舎暮らしを始めてみたいという人に対しては「私のように1人ひっそり静かに暮らしたいから田舎に行く、という方は移住後に思ってたのと違う……となってしまう可能性があるかもと今回寄せられたコメントを見て思いました。私は5分ほど庭で撮影していただけで、今日庭で撮ってたみたいだね? と言われることが怖いと感じる人間です。例えば、会社の人間関係で疲れたしがらみなくのんびり生活したいからと田舎暮らしを選択した場合、人間関係がこんな密だとは知らなかった……とか。土地土地によって違うと思うので一概には言えないし、実際暮らしてみないと分からないことの方が多いから難しいですね。嫌なことを我慢する必要はないです」とアドバイスを送る。
現在は警察や新しく所属した事務所に守ってもらいつつ、今後も北海道の魅力を伝える活動を続けていくという。
「私がYouTubeを続けている理由は、とりこになった北海道の魅力を全国の皆さまにお届けしたいからです。今はまだチャンネルを見つけてもらえていない立場なので、毎回自分ができる最大限を考えて動画を作っています。好き、嫌い、いろんな意見があると思います。でも今のチャンネル規模だと評価や意見の数が少なくて狭い世界にいる状態です。今はまだ、より多くの方の目に触れるところに向かっている段階だと思っています。北海道に恩返しという目標のために、一歩ずつですが歩いていっているので、見守ってくださればうれしいです」