【今週のエール】唐沢寿明、薬師丸ひろ子…朝のひと笑いに癒される
NHK連続テレビ小説「エール」の第5週「愛の狂騒曲」が4月27日から5月1日にかけて放送された。「狂騒曲」=人々が大騒ぎする様子のサブタイトルの通り、主人公・裕一(窪田正孝)が、遠く離れた文通相手・音(二階堂ふみ)が住む豊橋に向かう。事態は裕一と音の家族を巻き込んだ大騒動に。
制作統括の土屋氏は「唐沢さんはムードメーカー」と話す
NHK連続テレビ小説「エール」の第5週「愛の狂騒曲」が4月27日から5月1日にかけて放送された。「狂騒曲」=人々が大騒ぎする様子のサブタイトルの通り、主人公・裕一(窪田正孝)が、遠く離れた文通相手・音(二階堂ふみ)が住む豊橋に向かう。事態は裕一と音の家族を巻き込んだ大騒動に。
4月29日に放送された第23回では、イギリス留学を控えた裕一を福島に連れ帰りたい父・三郎(唐沢寿明)と、数年は日本に戻らないという裕一との恋愛を認められない音の母・光子(薬師丸ひろ子)の思惑は一致し、裕一と音を交えて話し合いが行われることに。しかし、2人を別れさせるつもりが、ついには結婚を認める。
話し合いの場面でヒートアップした三郎と光子。福島銘菓「薄皮まんじゅう」を光子が三郎の口にねじ込むシーンの直後には、「薄皮まんじゅう」がトレンド入り。腹を下しながらも意地を張り続ける三郎や、裕一と音のキスを目撃してしまった光子の反応など、随所にコメディ要素がちりばめられ、まさに”狂騒曲”の様相を呈していた。
光子役の薬師丸ひろ子は、「あまちゃん」で大女優・鈴鹿ひろ美を演じたことが記憶に新しい。1978年にデビューして以来、常に第一線で活躍し数々の名作に出演してきた薬師丸だが、意外にも朝ドラ出演は「エール」で2作目。馬具店を営む夫・安隆を亡くした後は、女で一つで3姉妹を育てあげた光子をはつらつと演じている。光子は新しい時代では女性も自立すべきと考えており、娘たちにもそれぞれの道を歩んでほしいと願っているが、現段階で裕一が音を幸せにできるという確信を持てず、2人の交際に反対する。最後には「あなたという人間を信じる」と裕一に音を託す決意をする。
三郎役の唐沢寿明は、「純ちゃんの応援歌」「とと姉ちゃん」に出演。「エール」が3作目の朝ドラだ。今回は福島で長く続く呉服店「喜多一」の店主で、子どもたちには好きな道を歩んでほしいと願う心優しい父親を演じている。第1週から、引っ込み思案な裕一と対照的にそのコミカルな動きで視聴者を笑わせてきた。
制作統括の土屋勝裕氏は、「唐沢さんは本当にムードメーカー。窪田さんも唐沢さんのことを先輩として本当に慕っていて、笑いが絶えないです」と撮影中の様子を明かしていた。「アドリブでちょっと遊んでくれる。色んなお芝居の引き出しがあるので、それを一緒に楽しんで。スタッフも出演者も唐沢さんを中心にしていることが多いですね」という土屋氏。「エール」公式インスタグラムで公開されているメイキング動画でも、その様子をうかがうことができる。裕一と音と、三郎と光子。閉塞感のある日常の中に、朝からほっとする笑いをもたらしてくれる。