“架空クレーム”で隣人追い出し子どもを座席へ? 機内でのトラブルめぐる投稿が波紋
飛行機搭乗中、隣の席の親子から架空のクレームを入れられ、席を移動させられたと訴えるネット上の投稿が波紋を広げている。いったい何があったのか。被害に遭ったという投稿者の男性に話を聞いた。
母親がCAに頼んで男性を移動させ、空いた座席に子どもを座らせたことを告白
飛行機搭乗中、隣の席の親子から架空のクレームを入れられ、席を移動させられたと訴えるネット上の投稿が波紋を広げている。いったい何があったのか。被害に遭ったという投稿者の男性に話を聞いた。
「隣が大きい子供を抱えた母親だったんだけど暴れる子を完全放置状態で、間髪無く繰り出される頭突きと肘うちの連続攻撃に『これは3時間刺激的なフライトが楽しめそうだぞ』と戦々恐々としていたところ乗務員さんから突然お菓子を渡されました。また利用します」
事の発端は、男性が飛行機を利用した今月13日の投稿にさかのぼる。投稿された画像には、お菓子の袋とともに「宜しければ最前列通路側ですが、空いております。ご移動いかがですか?」と書かれたCAからのメモが添えられている。航空会社のスマートな対応に感謝する内容の投稿は拡散され、一部でネットニュースにもなるなど大きな反響を呼んだ。
事態が急展開したのは投稿から5日後の18日。男性の投稿を引用リツイートする形で、隣の席に座っていた母親を名乗るアカウントが登場。自らCAに頼んで男性を移動させ、空いた座席に子どもを座らせたという“舞台裏”を暴露し始めたのだ。
当事者と思われるアカウントからの思わぬ告白を受け、驚いた男性は「衝撃の事実が判明しました」「この母親は無料で子供を座らせるために、私から何度も注意されているという架空のクレームを乗務員さんに伝え、それで乗務員さんが対応したようです」と事のてん末を投稿。一連の投稿は当初の感謝の投稿を上回る勢いで拡散されている。
今回トラブルが起こったとされる国内線の航空会社は、ENCOUNTの取材に「CAから男性にお菓子とともにメモを手渡したこと、それを受け男性が座席を移動したことは事実です」と回答。CAがメモを渡した理由や、母親からCAに何かしらの申し出があったのかなど、SNS上で両者が主張している内容については「個別の案件となりますため回答を差し控えさせていただきます」との回答に留めた。
なお、同社のホームページでは、2歳までの子どもの搭乗について、航空券は同伴者の膝の上に座る場合は不要、1人分の座席を利用する場合には必要としている。
被害に遭ったと訴える男性にも事情を聴いた。
男性は個人で航空会社に問い合わせを行い、誠意ある返答を受け取っているものの、一連の出来事には釈然とせず、モヤモヤが収まっていない状況だという。
母親を名乗るアカウントについて、男性は「最初は第三者の成りすましかと思ったんですが、投稿を追っていくと、自分の体格のことや反対隣にも別の男性が座っていたことなど、あの場にいないと知り得ない情報が複数書かれていたので、まず本人で間違いありません」と断言。座席移動を促したCAの対応には何の落ち度もないとしつつも、複雑な心境を明かす。
「自分としては、航空会社の対応には問題がなかったと思う反面、相手が常習的にこういったことを行っているとしたら、他に同じような被害に遭う方を出さないためにも、何らかの措置は取ってほしいというのが正直なところ。一連の投稿は注意喚起の気持ちを込めて行いました。世の中の子連れの方をひとくくりにして非難する意図は毛頭ありません」
利用者同士が隣り合う狭い機内では、何らかのトラブルは往々にして起こり得るもの。航空会社には真相の解明とともに、利用者が不当な扱いを被らないための一層の対策が求められている。