WBC効果でファンが殺到した「吉田経由村上行き」車両 4月から“お色直し”を施し、夏に公開再開へ

野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)期間中に、行き先表示を「村上(吉田経由)」に変更して大きな話題になった鉄道車両が27日、見学を一時終了し、修繕工事に入った。

行き先表示を「村上(吉田経由)」に変更して大きな話題になった【写真:万葉超音波温泉提供】
行き先表示を「村上(吉田経由)」に変更して大きな話題になった【写真:万葉超音波温泉提供】

期間限定のスペシャル車両 「車内見学の要望が非常に多い」

 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)期間中に、行き先表示を「村上(吉田経由)」に変更して大きな話題になった鉄道車両が27日、見学を一時終了し、修繕工事に入った。

 長野・千曲市の万葉超音波温泉に置かれている車両は、115系車両と呼ばれ、東北・高崎線や中央本線・篠ノ井線で活躍し、2015年に廃車となったもの。「115系車両は1963年~83年まで1921両が製造されました。現存数は減っていますが、現在でもJR西日本やしなの鉄道で一部車両がいまだ現役で活躍しています。現在引退後に譲渡・保存されている車両は2両のみで、民間で保存されている115系は弊社1両のみです」(担当者)という貴重なものだ。

 側面幕に「村上(吉田経由)」が登場したのは21日で、万葉超音波温泉の公式ツイッターが投稿すると、25万件の閲覧数を記録する反響に。「粋なことするなぁ」「素晴らしいご配慮、ありがとうございます!」「こういう遊び心、好きだなw」「栗山監督は、この行き先表示板を見て、4番吉田、5番村上という打順にしたんだと思う」「WBC効果で観光客が増えるといいですね」など、野球ファンから歓喜の声が上がった。

「115系車両が22年3月まで活躍していた新潟地区の行先表示幕には『村上(吉田経由)』が収録されているのは以前より知っていました。今回WBCで4番吉田、5番村上という打順が偶然にも実現し、今回急きょコレクションの中から出して取り付けました」

 日本が優勝を決めた22日には、「列車番号ですが、吉田選手の背番号を追加して3455Mとしました!優勝おめでとうございます!」とツイート。列車番号の村上の背番号「55」に吉田の背番号を加えた「3455」に変更し、吉田正尚→村上宗隆の打順をさらに意識した車両になった。

 日本の優勝に大きく貢献することになった打順に、担当者は、「栗山監督の采配がきれいに決まったと思いました。準決勝からは吉田経由村上の打順になったことで、今回のさまざまな素晴らしいシーンが誕生したと思います」と喜び。「従来から車両を見に来る方は多かったのですが、テレビニュースやネットニュース記事になったことでかなり増えた印象があります。初めて見にいらっしゃった方の車内見学の要望が非常に多いです」と、“WBC効果”を受け止めた。

 感動の余韻がまだ残る中、4月から修繕工事に入るため、見学は27日にいったん終了した。「今夏にオープン予定となっておりますので、その際に是非お越しください」と、呼びかけている。

 万葉超音波温泉は名湯としても名高く、種類の違う5種類の浴槽はすべて源泉かけ流し。利用客からは「泉質の良さをお風呂上りに実感できる」と評判を呼んでいる。

「カラン(洗い場の蛇口やシャワー)からのお湯も温泉が出るというのは全国的に見ても珍しいかと思います。近隣住民の多くが自宅風呂の代わりに利用しております。また、ご旅行の際にお立ち寄りいただく方も増えております。お近くにお越しの際は是非ご入浴ください」と話している。

次のページへ (2/2) 【写真】村上の背番号に吉田の背番号を追加した貴重ショット、実際の写真
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