冷え性対策にピッタリ 注目集まる「温活」の3大ポイントは“入浴、食事、睡眠”
春めいてきたが、しばらくは朝晩の冷え込みは続きそう。そんな中、大事になるのは自身の身体から温める「温活」だ。『温活検定公式テキスト 冷え知らず先生が教える温活百科』(ワン・パブリッシング刊)の著者の一人、川崎真澄さん(36)が温活のイロハを教えてくれた。
公式検定テキストの著者がイロハを指南
春めいてきたが、しばらくは朝晩の冷え込みは続きそう。そんな中、大事になるのは自身の身体から温める「温活」だ。『温活検定公式テキスト 冷え知らず先生が教える温活百科』(ワン・パブリッシング刊)の著者の一人、川崎真澄さん(36)が温活のイロハを教えてくれた。(取材・文=平辻哲也)
温活はブームからスタンダードになりつつある。2月19日には一般社団法人日本温活協会が監修・主催する第1回「温活検定」が開催され、今後も定期的に行われていく。『――温活百科』は検定の公式テキスト本で、全12項目と幅広いカテゴリから温活をとらえ、基礎的な情報から実用的なメソッドまでを分かりやすく紹介している。
そもそも「温活」とは何か?
「適正な体温を保つ活動のことをさします。人が健康で過ごす理想的な適正体温は、36.5~37度と言われていますが、現代の日本人は36度前半や35度台という人も珍しくありません。体温が低い事で身体の機能が正常に働かず、血行不良をはじめ自律神経の乱れや免疫力の低下などの悪影響を及すため、体温を適正な温度まで上げることが大切です」
以前の日本人はもっと高い体温を保っていたそうで、現代人の体温低下の原因は住環境の変化と運動不足が大きいという。「昔に比べて、現代人は体を動かすことが少なくなっています。特にコロナの影響で、デスクワークも増えて、筋肉量自体が減ってしまって、体が生み出すエネルギーが減っていると考えられます」。
川崎さんによると、温活は簡単なことから始められる。一番手っ取り早いのは入浴だ。
「シャワーだけで済ましている方も多いと思いますが、湯船にしっかりと浸かることが大事です。温度は40度くらいにして、15分ぐらい浸かっていただくのがいいです。お風呂に入るのは体を温めるだけではなく、水圧の効果によって、血行がよくなり、浮力効果によって、関節や筋肉を緩めることができます。炭酸の入浴剤も使うと、血管を広げて、血流をよくするので効果的です」
2番目に大切なのは食事だ。これには身体の中から温める効果がある。
「まずは温かいスープや鍋はいいですね。食材にも体を温めやすい性質のものがあります。例えば、生姜やニンニク、根菜類、寒い地方で食べられる羊の肉もいいです」
3番目は睡眠だ。
「良質な睡眠を取ると、体を回復させ、次の日のパフォーマンスを上げ、肌を元気にすることができます。睡眠を取りやすくするには、体温が上げることです。寝る前にお風呂に入る方も多いと思いますが、42度以上の風呂に入ってしまうと、交感神経が高まってしまって、眠れなくなってしまいます。なかなか寝付かれない人は、手足から熱を逃がし、体の中心温度を下げていくと、眠たくなるという働きがあります。靴下は脱いでもらった方がいいですね」
温活で大事なのは「首」という言葉がつく部位や関節を温めること。首はもちろん、足首、手首、膝、ひじなどを温めると、比較的早く身体が温まるという。ほかにも、腹巻きをしたり、首の後ろや腰にカイロを貼るのも効果的だ。
温活を行うと、血液が巡り、栄養を含んだ血液を隅々にまで届けることができる。血流が良くなることで肩こりや腰痛の改善にも繋がり、リンパの流れも良くなることから余分な水分や老廃物をスムーズに回収し、内側からキレイな状態へと導くことができる。ほかにも、免疫機能アップで健康的になれるという。
『温活百科』は検定を目指す人だけではなく、少しでも健康に関心のある人も、楽しく学べる“教科書”になっている。川崎さんは「食事、睡眠、入浴、運動など幅広く扱っていますので、冷え性の方にはぜひ手に取ってもらいたいです」と話している。
□川崎真澄(かわさき・ますみ)1986年生まれ。36歳。一般社団法人日本温活協会本部指導員、温活指導士、鍼灸師、医薬品登録販売者(社)日本温活協会の本部指導員として、『温活士』の育成に努めるとともに、メディアへの情報提供を通じで温活の啓蒙に取り組む。また鍼灸院『グラン横浜スパイアス院』の院長として、施術の提供及び鍼灸師のトレーニングを行うことと並行し、(社)日本鍼灸協会の代表理事を努め、世界初の“浴びるお灸”を開発、さらにはパルス機器を用いた“刺さない美容鍼”の手法開発に取り組むなど、鍼灸の新たな分野での活用法を研究。またその技術を、国内のみならず中国・北京や無錫の技術者にも提供、指導を行う。
※川崎真澄さんの「崎」の正式表記はたつさき