中川翔子、亡き父・勝彦さんへのねじれた反抗期 明かした「生きた証を残したい」の意味

芸能生活20周年を迎えたタレントの中川翔子が、これまでの音楽活動を網羅したベストアルバム『超!しょこたん☆べすと――(°∀°)――!!』をリリースした。初出場となった2007年の『第58回NHK紅白歌合戦』で歌った代表曲『空色デイズ』をはじめ、歌手として歩みが詰め込まれている。中川は、デビュー時から「生きた証を残したい」と話してきたが、同作にもその思いが込められている……。亡き父でタレントの中川勝彦さん(享年32)に影響を受けた中川の生きざまに迫った。

YouTube現場の面白さを語ってくれた中川翔子【写真:山口比佐夫】
YouTube現場の面白さを語ってくれた中川翔子【写真:山口比佐夫】

「歌手としてデビューできたこと自体が今でも信じられません」

 芸能生活20周年を迎えたタレントの中川翔子が、これまでの音楽活動を網羅したベストアルバム『超!しょこたん☆べすと――(°∀°)――!!』をリリースした。初出場となった2007年の『第58回NHK紅白歌合戦』で歌った代表曲『空色デイズ』をはじめ、歌手として歩みが詰め込まれている。中川は、デビュー時から「生きた証を残したい」と話してきたが、同作にもその思いが込められている……。亡き父でタレントの中川勝彦さん(享年32)に影響を受けた中川の生きざまに迫った。

――タレント、声優、俳優、イラストレーター、Youtuberとさまざまな活動をさていますが、今回は歌手活動への思いをうかがいます。

「歌は私の原点の1つで、『アニソン(=アニメソング)を歌いたい』という願望と『私がこの世に生きた証を残したい』という2つの大きな夢がありました。でも、憧れはあっても、亡くなった父に対するねじれた反抗期がありましたし、『陰キャ』(=陰気なキャラ、内気な性格)という言葉が生まれる前の陰キャだったので、『芸能界なんて絶対に向いていない』というコンプレックスもありました。振り返ってみると、歌手としてデビューできたこと自体が今でも信じられません」

――お父様のことはYouTubeでも話されていますが、ねじれた反抗期とは。

「父は私が幼い頃に亡くなったので一緒に話ができなかった分、父のことがずっと引っかかっていました。父も今の私と同じように歌って、お芝居もして、アニメの声優もやって、絵も描くみたいなことをしていたんです。でも、それを昭和の時代にできたことがどれほど大変なことだったかと思い……」

――確かにかつては1つの芸ごとに集中することが評価され、マルチに活躍することがあまり好まれなかったという側面もありました。

「そう。ネットもなかった時代なので、才能を見つけてもらうことが難しかったと思いますし、きっと父自身で運も引き寄せたんだと思います。そんな大きな存在の父と同じようなことを『私ができるわけない』って最初はそう思っていました。でも、父が残した写真や映像、歌声という“生きた証”が、今でもたくさんのファンのみなさんを励ましていて、いつまでも父を忘れずにいてくれる。それに気がついたとき、『私も父のように“生きた証”を残したい』。そう思いました」

――タレントとして芸能界に入り、歌手の道も開きました。

「グラビアアイドルでデビューした最初の頃は仕事も全然なくて。グラビアアイドルが歌う時代じゃなかったので、『やっぱり、私には無理かな』って思いました。でも、アニソンを歌いたいという思いを持ち続けた結果、時間はかかりましたけど、歌手デビューできて、『空色デイズ』という曲に出会ってようやくアニソンを歌う夢がかないました」

――『空色デイズ』は、07年にロボットアニメのテレビ東京系『天元突破グレンラガン』のオープニングテーマに起用され、オリコン週間チャート3位を記録。初出場の『NHK紅白歌合戦』でも披露されています。

「そうですね。『空色デイズ』っていう曲が、私の人生を大きく変えてくれました。『♪憧れに押しつぶされて あきらめてたんだ 果てしない空の色も 知らないで 走り出した想いが今でも この胸を確かに叩いているから』。この言葉のおかげで20周年まで歌い続けることができました」

撮影スタッフと麻雀をするのが楽しみと明かしてくれた【写真:山口比佐夫】
撮影スタッフと麻雀をするのが楽しみと明かしてくれた【写真:山口比佐夫】

これから中川翔子の第2章が始まります

――俳優としては15年にNHK連続テレビ小説『まれ』に出演し、声優としてはディズニー映画『塔の上のラプンツェル』で主人公の日本語吹き替えを担当。絵も描いて、お父様と同じような“生きた証”を残している印象ですが。

「今まで、私自身が『しょこたんってどんな人なの?』みたいな思いをずっと抱いていました。本当に好きなことを一生懸命やらせていただいているんですが、『それで良いのかな?』という思いがあって。あるとき、スタッフに『私の職業ってなんだろう?』って聞いてみたら『しょこたんという職業なんじゃないですか』って。それで、『そうか! いろいろやるのが私なんだ』と気付きました」

――お父様も『中川勝彦』という職業だったのかもしれませんね。

「やっぱり、父の影響はとても大きいです。最近は私がアニソンから勇気をもらったように、次の世代の子どもたちに同じような思い出をいっぱい届けたいと思っています。リリースイベントで全国を回ると好きなポケモン抱きしめながら、子どもたちが目をキラキラさせて見に来てくれるんです。そんな子どもたちが私に夢を語ってくれるんです」

――YouTubeチャンネルも、登録者100万人が見えてきました。自身にとって、ネットの意義とは。

「本当に運が良かったなって思うのは、ネットがある時代にデビューできたことがすべてだと思うんです。きっと父のように昭和の時代に生きていたら、絶対にデビューできなかったと思います。04年にブログを始めて、20年からYouTubeを始めて、水着もドライブも麻雀も本当にYouTubeがきっかけで全部好きなことができているし、歌やテレビだけだったら、真面目とかオタクの世界だけだったかもしれないけれど、ネットがあるおかげで、同じ悩みをもった人たちにも出会えました。そして、想像を超える人たちから『しょこたん』って呼んでいただけて、本当に幸せです。こうやってベストアルバムも出せたので、これから中川翔子の第2章が始まります」

□中川翔子(なかがわ・しょうこ)東京都出身。歌手、タレント、声優、俳優、イラストレーターなど、活動は多岐にわたる。音楽活動では、人気アニメや映画の主題歌を担当。海外でのコンサートも重ねており、人気、知名度は世界にも広がっている。2023年に100周年を迎える日比谷野外音楽堂の100周年記念事業実行委員にも選任。25年に開催される大阪・関西万博キャラクターデザイン選考委員も務めている。特技はヌンチャク。157センチ。血液型A。

中川翔子公式HP「しょこたんねっと」:https://www.shokotan.jp/
公式YouTube『中川翔子の「ヲ」』:https://www.youtube.com/channel/UCGlWnxRgmii2-InQLp8HmiA
「しょこたんブログ」:https://ameblo.jp/nakagawa-shoko/
ツイッター:https://twitter.com/shoko55mmts
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