史上初2度目の“歌唱力女王” STU48池田裕楽が見せた進化と先輩から受け継いだ“背中”

AKB48グループの中で最も魅力的な歌い手を決める『AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』。第5回大会の決勝大会が3月3日に東京・日本青年館ホールで行われ、STU48の2期生・池田裕楽が史上初となる2度目の優勝を果たした。

STU48の池田裕楽が第5回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦で優勝【写真:小田智史】
STU48の池田裕楽が第5回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦で優勝【写真:小田智史】

第3回大会に続き、史上初となる2度目の女王へ

 AKB48グループの中で最も魅力的な歌い手を決める『AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』。第5回大会の決勝大会が3月3日に東京・日本青年館ホールで行われ、STU48の2期生・池田裕楽が史上初となる2度目の優勝を果たした。

 池田がAKB48グループ歌唱力No.1決定戦に初めて出場したのは、2020年開催の第3回大会。新型コロナウイルスの影響もあって活動の場が限られるなか、グループ加入からわずか1年、まだ研究生という立場で3代目女王に輝き、痛快なシンデレラストーリーを完成させた。

 21年は“歌うまアイドル”として、テレビ東京『THEカラオケ バトル』や日本テレビ系『ものまねグランプリ』など有名番組に出演。『第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』のファイナリストLIVE出演メンバー9人によるユニット『Nona Diamonds』の一員としてオリジナル曲『はじまりの唄』をリリースし、9月には晴れてSTU48の2期生に昇格。秋元康氏プロデュースによるオリジナルソロ楽曲『気にならない孤独』も手にした。

 第4回大会は惜しくも2位に終わったなか、唯一の優勝経験者として出場した今回の第5回大会は、気持ちにも変化があったという。

「今までの自分の目標はベスト8に入ることだったり、自分が満足できるまで頑張るというものでした。でも、第3回、第4回を経験して、第5回は見てくださっている方々、いつも支えてくださる周りの方々に感謝の気持ちをどうしたら伝えられるだろう、と考えた時に、私は言葉にしたり行動に移すのが得意ではないので、歌で届けられると思って、『もう1回優勝したい』という気持ちで頑張りました」

 1曲目に「愛のカタチ」(中村つよし)を披露して3組目の1位通過を勝ち獲ると、ファイナル歌唱審査となる2曲目には「懐かしい未来」(上白石萌音)を選択。これまでは曲調やリズムの好み、家族の勧めで選曲することが多かったが、「自分の気持ちが届けられる曲は何か考えた」結果だった。

「(第3回大会で優勝した)16歳の自分に勝つ」

 そんな思いを抱いていたなかで、歌唱順は1曲目が3組目の5番目、2曲目が8人中ラストと奇しくも当時と同じ。「同じ流れが怖かった」と振り返るも、そのプレッシャーを克服して会場に駆け付けた観客へ自分の歌を届けた。

「自分の掲げた目標がかなったのは初めての経験だし、すごくうれしい。16歳のときは(優勝して)泣いてしまったので、ビシっと決めたかったんですけど、そこは変わっていなかったなって(笑)。少しでも成長した姿を見せられていたらいいなと思います」

STU48研究生の岡村梨央(前列)ら後輩も池田の背中を追いかける【写真:小田智史】
STU48研究生の岡村梨央(前列)ら後輩も池田の背中を追いかける【写真:小田智史】

自身初のシングル選抜入りにも意欲

 2期生の池田にも2022年に研究生という後輩ができ、岡田あずみ、岡村梨央、久留島優果と3人が決勝大会に出場。岡村はファイナリストに名を連ね、最終順位6位に輝いた。STU48は決勝大会出場メンバーを多数輩出、旋風を巻き起こして「歌」の印象を強く残してきたが、今その先頭に立っているのは間違いなく池田だ。「私はSTU48にいるからこそ、こうして歌えている」とグループへの感謝の言葉とともに、先輩としての思いも口にする。

「私はSTU48の先輩方を見て、自分も歌を頑張りたいと思いました。その先輩方がだんだん卒業されていって、新しく研究生たちが入ってきた。研究生4人中3人が決勝大会の舞台に立ったことは、STU48としてもすごく誇らしいです。私は先輩感はまったくないし、何もできていないけど、歌っている姿を(研究生たちは)ずっと見てくれていました。私が先輩に教えていただいた、背中で見せることで、何か伝えられていたらいいなと思いますし、これからも一緒に頑張って、『STU48は歌を歌えるんだぞ』ともっと広めていきたいです」

 AKB48グループの歌姫は、「2度目の優勝をきっかけに(STU48のシングル曲)選抜に入りたい」という次の目標に向かって、今日も歌い続ける。

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