神田コウヤ、DEEPフェザー級暫定王座に 見据える今後「朝倉未来―牛久絢太郎の結果で流れは変わる」
総合格闘技イベント「DEEP 112 IMPACT」が11日、東京・後楽園ホールで行われた。神田コウヤ(パラエストラ柏)が五明宏人(トライフォース赤坂)に5-0(30-27、30-27、30-27、30-26、30-27)で判定勝ち。フェザー級暫定王座になった。
五明宏人は「喧嘩もできるタイプ」
総合格闘技イベント「DEEP 112 IMPACT」が11日、東京・後楽園ホールで行われた。神田コウヤ(パラエストラ柏)が五明宏人(トライフォース赤坂)に5-0(30-27、30-27、30-27、30-26、30-27)で判定勝ち。フェザー級暫定王座になった。
徹底したテイクダウンに強烈な肘。プロ4戦目の五明に“MMA”を見せつけフルマークでの判定勝ち。「テイクダウンをして、相手が四つん這いになったところを最終Rにやったように(足で)四の字ロックをして殴りまくる。すきをついて首を取る予定でした」と作戦を明かす。
五明の腰の重さは想像以上だった。「フィジカルもそうですし、体のしなやかさがすさまじかったですね。トップアスリートだと思いました」と振り返る。
一方でスタンドの展開では空手がバックボーンの五明の三日月蹴りに後退する場面もあった。ダメージはあったのか。
「何発かもらって、ほとんどは肘に当たっていたんです。でも1発はクリーンヒットしてしまって、それは効きましたね。でも、時間がたてば回復するだろうと思い、あの場面は冷静に対処できたかなと思います」
テイクダウンを狙う流れで神田がケージ際に相手を押さえつける展開も多かった。お互いが膝蹴りを繰り出すなかで、五明の膝がローブロー気味に当たり、試合が2度止まった。神田陣営はヒートアップしていたが本人は冷静だった。
「休んでいる間にしっかり頭の中で作戦を整理できました。試合がストップしたことが逆に良いように働いていたと思います」
この試合何よりも印象的だったのが神田の肘攻撃。近距離での肘で五明の右側頭部からは流血していた。神田は五明の強さをそこでも知ったという。
「手応えはかなりありましたね。それにも関わらず(五明が)前に出続けてきたり、やり返したのがすごいです。負けん気が強い。ただのトップアスリートではなくて、けんかもできるタイプだと思いました」
試合後は集まった子どもたちにベルトをかける
この試合は大人の歓声だけでなく、子どもたちの応援合戦も見られた。「コウヤ先生、頑張れ~」「宏人先生、頑張れ~」の声が後楽園ホールに響き渡った。暫定ベルトを獲った神田は試合後、集まったたくさんの子どもたちの肩にベルトをかけていた。
「子どもたちの声はよく試合中に聞こえていました。心が折れそうなつらい展開もあったんです。でもその声のおかげで、すごい励みになったし、諦めずに戦うことができました」と喜びをかみしめる。
「肩書きがほしい」と言い続けてきたなかでの暫定ベルト。1番最初に出てきた感情は「ホッとした」という安堵だった。
「正規の王者ではないので、今後はどうなるか分かりません。でも、誰が来ても勝てるようにしっかり日々精進していきたいです。(ベルトは)こんな重いんだって思いました。初代暫定王座のベルトみたいでピカピカしてカッコイイ。重さは5キロくらいです」
今後はどのような展開を考えているのか。遠くを見つめながらこう口にした。
「4月ごろに牛久絢太郎選手と朝倉未来選手の試合があるので、まずはしっかり見届けます。その試合の勝敗によっては自分の流れも変わってくる。牛久選手がどういう意向なのか分からないですけど。次やったときは勝てるように自己管理をして強さを磨いていきたいと思います」