EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマー・EXILE NAOTO（以下、NAOTO）が昨年10月に行われた第一生命 D.LEAGUE 22-23開幕戦に解説者として登場。自身もアンダーグラウンド時代から現在に至るまで長年ダンスを極め続けてきたNAOTOに、ENCOUNTでは開幕戦直後、彼の楽屋で独占インタビューを実施。必要と考えるスキルや自身を突き動かす情熱の源など、NAOTO流のダンス論を語ってもらった。（取材・構成＝近藤加奈子）

――もしEXILE TRIBE内で最強のダンスチームを組むなら誰を指名しますか。

「まず世界（FANTASTICS/EXILE）じゃないですか？　彼のダンスは本当にすごいですから。ソロも含めて誰にもまねできない唯一無二のダンスをしていると思います。あとELLY（三代目 J SOUL BROTHERS）はずっと一緒にやってきてあうんの呼吸で通じている部分もあるから、ダンスのコミュニケーションを取るのは楽ですよね。後輩だったら誰だろう？　（佐野）玲於（GENERATIONS）なんかは天才キッズダンサーからすごく目を引くパフォーマーに成長したと思います。この4人でダンスチームをやりましょうか（笑）」

――いいですね！　チーム名は何にしますか。

「えぇ！　むず！　これはさすがに難しいわ～出てこないです！」

――コラボしてみたいダンサーはいますか。

「う～ん誰だろうな…？　でも、RIE（RIEHATA）とは昔から一緒にダンスをやってきてお互いに良い刺激をもらっているので、コラボするのが毎回楽しみなんですよね。彼女のことは天才ダンサー、アーティストだと思っていますし、会うたびに『やろうよ』って話はしているんです。なので、またコラボやります、絶対」

――NAOTOさんは高校生でダンスを始められたということですが、ダンスを始めるのに年齢は関係ないとお考えですか。

「プロを目指すのであれば10代で始めれば遅いことはないかなって思います。例えばスキルを極めたいというので16～18歳でダンスを始めるなら関係ないと思うんですけど、僕らみたいなアーティストを目指すならちょっとアドバンテージになってくるかもしれない。当時自分でも遅いとか思ったことはなかったんですけど、今考えてみるとダンスを始めた時期ってだいぶ遅いんですよね。今の高校生なんてキッズからダンスをやっているのが当たり前ですから。でも、そのアドバンテージだって自分の頑張りしだいで乗り越えられるし、最後は己との戦い次第です」

――ダンススキルを高めるのに必要な要素は何でしょうか。

「（少し考えて）気合しかないと思います（笑）。気合、諦めない、我慢強い。本当にこれだけだと思います。ダンスって自分との戦いの連続なんですよ。だってどんなに好きでも練習し続ければ飽きるし、上達しない壁にぶち当たれば諦めたくなったりもするじゃないですか？　それでもどんなに小さくても絶対に進んでいるはずなんです。それが自分の目に見えていないだけで。そこをなんとか腐らずに1ミリずつでも毎日進んで、最終的に何百メートルと進んだ人が勝つと思っています。もうこれはメンタルの話でしかない」

――根性論ということでしょうか。

「そこだと思っています。気合とモチベーション。でも、そのモチベーションをどう保つのかとなると、どれだけ夢中になれるかだと思うんです。好きになれる才能もあると思うんですよ。ダンスに限らず何かうまい技術を持った人たちって本当にそれが好きじゃないですか？　好きなら夢中で何時間でも練習できますからね」

――NAOTOさんもダンスを始めたときは同じ状況でしたか。

「そうでしたね。ただめちゃくちゃしんどいときもありましたよ。『今日練習行くの嫌だな～』って。練習場所までは行くのに（笑）。当時は深夜から1人で練習を始めることが多くて『今日はこのまま帰ろう』ってなっちゃうこともありましたね。そんなときもありましたが、最後は自分の意思でその一歩を踏み出せるかが運命を分けると思います」

――アンダーグラウンド時代から長年ダンスを続けているなかで、NAOTOさんを突き動かしている情熱の源は何でしょうか。

「アンダーグラウンドの時代の僕をずっと突き動かしてきたのは、いろんなアーティストやダンサーに対しての強烈な憧れです。あと自己顕示欲と自分がダンスの中心にいないと気が済まない焦り。とはいえそういった強烈な自己顕示欲も月並みになっちゃいましたが。今はこうしてアーティストとなりましたが、ダンサーしかりエンターテイナーはファンの皆さんに届けることが1番の責務だと思っています。人生をかけて僕らを一生応援し続けるって決めている人たちをたくさん見てきているからこそ裏切らないようにしたいし、良い意味で裏切っていきたい。また進化した姿を見せてもらえたとか、新しい感情を与えてくれたとか、そういう良い意味での裏切りをずっと続けてきたい思いが今の僕を突き動かしています」

――プロとアンダーグラウンドを経験してダンスに対するギアの入れ方に違いは感じていますか。

「そこは変えている意識はないかな。会場が大きくなっても『奥まで届くダンスってなんだろうな？』というのはよく考えていました。例えば自分が正しいと思っていたダンスを東京ドームの会場でやってみると『違うな』って壁にぶち当たることもあります。でも、そういうときは映像を見ながら少しずつ変えていきました。ステージに立つときの気持ちに会場の大きさは関係ないです」

――その根底にあるのはやはりファンを喜ばせたい気持ちでしょうか。

「喜ばせたいのもあるけど、1番は『俺を見ろ！』です（笑）。それは絶対に捨てないですよ。ただ人々に喜びを与えたいだけでステージに立っていますっていうのはさすがに嘘になっちゃう。自分のためでもあるし、自我を強烈に見せつけたいみたいなところは絶対にありますから。『俺を見やがれ！』と。ってまぁこれは冗談ですけど…（笑）。でも、それくらいの気持ちでステージに立っています。これから三代目 J SOUL BROTHERSのツアーも始まるのでめちゃくちゃ楽しみです。ぜひ、見てください！」

□EXILE NAOTO（エグザイル ナオト）1983年8月30日、埼玉県出身。2007年に二代目 J Soul Brothersにパフォーマーとして加入し、09年にEXILEに加入。10年にEXILEの活動と並行しながら三代目 J SOUL BROTHERSのリーダー兼パフォーマーとして活動を開始。16年にヒップホップユニット・HONEST BOYZ(R)のメンバーとなる。高いダンススキルが評価されている一方で、俳優・デザイナーとしても才能を発揮しており、アパレルブランド『STUDIO SEVEN』を手掛けている。