小出恵介、ニューヨーク留学で分かったエゴ「芸能界で思い上がっていた、勘違いしていた」
映画「銀平町シネマブルース」(2月10日公開、城定秀夫監督)で本格的な主演復帰を果たした俳優の小出恵介(38)は2017年に起こした不祥事を機に芸能活動休止し、2019年から2年間ニューヨークの演技学校で学んでいた。その留学生活を明かしてくれた。
不祥事後の留学生活について明かす
映画「銀平町シネマブルース」(2月10日公開、城定秀夫監督)で本格的な主演復帰を果たした俳優の小出恵介(38)は2017年に起こした不祥事を機に芸能活動休止し、2019年から2年間ニューヨークの演技学校で学んでいた。その留学生活を明かしてくれた。(取材・文=平辻哲也)
20年から新たな事務所に所属し、日本での活動を再開しているが、ニューヨークでの拠点は今も残している。「グリーンカード(永住権)を取ったんです。ビザの関係もあって、完全に帰ってきてしまうと、ビザもなくなってしまうんです。ビザを維持するためにも、向こうに住んでいないといけないんです」。
完全移住したのは2018年10月だった。「その前にも何度か足を運んでいたんですが、いろいろスキャンダルの後処理を話し合っている最中に、昔から興味があった留学とアメリカに暮らすことをやってみたいと思っていたんです。そこにプラスして、自分自身を見つめ直したいっていう気持ちも重なってきたんです。もう一回、この世界でやらせていただくにしても、自分をリセットしたいと思っていました」。
その2年間では、語学力も十分にない中、演劇学校に通い、一から学び直した。その一番の成果は何だったのか。
「僕の場合、語学力はほぼゼロという状態で行っているので、英語が劇的に変わるのは難しいとは思います。今は言っていることがなんとなく分かってきたぐらい。異国の地に踏み込んで、誰も自分のことを知らないっていう環境に置いてみてわかったのは、自分が芸能界で思い上がった部分や勘違いしていたことが多かったな、ということです。それらが全部剥げ落ちて、ようやくまともな人間になったのかなという感覚はあります」。
演技メソッドの日米の違いも感じたという。「今までは役や作為、セリフに向き合うことに重きを置いている感じがしたのですが、僕が習った学校では、『作品、脚本にはどういうことが書かれていて、何を伝えようとするのかに集中しなさい』と教えられました。『役者はそれを伝えるための媒介として機能しなさい』と。わかりやすく言えば、俳優のエゴを捨てなさい、ということ。演技の過程で、俳優のエゴが見えると、軽蔑されたような目で見られるんですね。自意識は最悪なもので、演技から一番遠い場所にあるものだとはっきりと言われ、そこが非常に痛快でしたね」
そうした学びの中、自身のエゴや傲慢さにも気付かされたのだという。
留学中には、タレントの明石家さんまも訪ねてくれた。小出はNetflixドラマ「Jimmy~アホみたいなホンマの話~」でさんま役の撮影を終えていたが、不祥事で降板し、代役を立てて再撮影を行った経緯がある。降板の際には謝罪し、その後も親交が続いていた。
「さんまさんにはアメリカに行くときも相談させていただきました。定期的にニューヨーク旅行にいらっしゃるんですが、そのタイミングでお会いできたんです。お声をかけていただけたことには本当に救われましたね。さんまさんは日本にいる時のエネルギーのまんま、ニューヨークでも歩かれていて、街のエネルギーの中でも浮かないというか、溶け込んでいらっしゃる。さんまさんには背中を押していただき、心強い気持ちになりました。感謝しています」。
エゴを捨てて、作品の一部になりきる。ニューヨークで身につけた演技術は本作でも生かされている。
□小出恵介(こいで・けいすけ)1984年2月20日生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。2005年、日本テレビ系ドラマ「ごくせん」でデビュー。同年、映画『パッチギ!』(井筒和幸監督)に出演し注目を集める。以降、TBS系ドラマ『ROOKIES』、『JIN・仁』、『Nのために』、フジテレビ系『のだめカンタービレ』、NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』、映画『僕の彼女はサイボーグ』(08年)、映画『風が強く吹いている』(09年)など映画やドラマ、舞台などで幅広く活動。近年の主な出演作に、映画『シン・ゴジラ』(16年)、『愚行録』(17年)、『ハルチカ』(17年)、『戦神ゴッド・オブ・ウォー』(17年/ゴードン・チャン監督)、『女たち』(21年)、『Bridal,my song』(22年)、ABEMAオリジナルドラマ『酒癖50』(21年)、舞台『群盗』(22年)、『12人の淋しい親たち』(22年)、『「日本昔ばなし」貧乏神と福の神~つるの恩返し~』(22年)など。
ヘアメイク:永瀬多壱(VANITES)
・カーディガン ¥4万5100円(税込)
・インナー ¥1万4300円(税込)
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ブランド名:ラグ & ボーン
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rag & bone 表参道店
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ピエール アルディ 東京
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