「朝倉未来のおかげでジムは潤っている」 名門パラエストラの生え抜きが明かす「BreakingDown」の影響力
神田コウヤ(27=パラエストラ柏)が11日に行われるDEEPフェザー級暫定王者決定戦に出場し新星・五明宏人(27=トライフォース赤坂)と対戦する。名門パラエストラの生え抜きとしてプロで14戦を戦うかたわらでキッズ世代を指導している神田が子どもへの教育についてや、ジムインストラクターから見た「BreakingDown」について語った。
ジムの雰囲気作りで“親の過干渉”を防ぐ
神田コウヤ(27=パラエストラ柏)が11日に行われるDEEPフェザー級暫定王者決定戦に出場し新星・五明宏人(27=トライフォース赤坂)と対戦する。名門パラエストラの生え抜きとしてプロで14戦を戦うかたわらでキッズ世代を指導している神田が子どもへの教育についてや、ジムインストラクターから見た「BreakingDown」について語った。(取材・文=島田将斗)
一般会員の指導だけでなく、キッズのレスリング指導も行っている。1クラス30人ほどのクラスを試合前の減量中でも受け持つ神田は「教えるのが好き」と笑う。
小学1年生から格闘技一筋の神田だが、中学時代には1度格闘技から離れた過去があった。格闘技だけでなくどの競技にもありがちな「親の過熱」がその理由だった。
「結構キッズあるあるだと思うのですが、親が過熱しすぎちゃって、子どもの情熱がもう失われちゃうんです。子どもよりも情熱が上回ってしまって、自分は燃え尽きてしまったんですよね。それで中学は駅伝部に入っていた時期がありました」
10年以上前の話だが、神田の声が少し低くなる。「とにかく干渉しすぎてしまうんですよね。でも親は格闘技のスペシャリストではない素人です。そこで矛盾、理不尽が生じて、基礎を練習しないといけない時期なのに、変則的な技をやらせたり……。とりあえず強要が多かったですよね。精神的なところでもそうですけど、強制もありましたね」。
保護者の熱が入りすぎてしまうのは今も昔も問題に上がる。試合中に怒鳴る行為や、レギュラー選定にまで口を出す親がいるといった話はよく聞く話だ。神田はジムの雰囲気作りが大切だと説く。
「パラエストラ松戸の場合は、練習スペース確保などの理由からもあえて外で見てもらったりとかしています。子ども1人に対して指図する人が何人もいると子どもも迷ってしまいますよね。それで板挟みになって、成長が阻害されてしまう」
具体的な策について「自分の場合は練習で緊張感を持った雰囲気作りを心掛けています。親が子どもを注意する必要がないような雰囲気。子どもがダラダラしていたら親御さんも言いたくなっちゃうと思うので、練習に集中できるように怒る時は怒って、褒める時は褒める。けじめをつけています。子どもたちも自分が怒ったりしても、嫌いになったりせずについてきてくれていますね」と説明した。
「BreakingDown」などの影響により、格闘技へのハードルは確実に低くなっている。プロ選手として、ジムのインストラクターとして働いている神田はどう見ているのか。意外な考えを明かした。
「どんどん盛り上がってほしいです。正直、朝倉未来選手のおかげで日本の格闘技ジムは潤っている部分はあります。頭が上がらないというか、足を向けて寝られないです(笑)。自分はジムに携わっているので、朝倉未来の偉大さと影響力はよく分かっています。実力もあるのに1年間試合をしなくていろいろ言われていてかわいそうだと思います」
「BreakingDown」を巡っては、SNSでの過激なツイートも散見される。一部のプロ格闘家がそれに対し苦言を呈するという構図が2022年は多く見られたが、神田は冷静だった。
「やっぱり短くて分かりやすいので見ようって思える。そこが良いですよね。(トラッシュトークも)生き残るためにやっていること。そのためにすべきことをしてるだけじゃないですかね」