【どうする家康】家康「命がけで働いておる者を笑うな!」に共感の声続々 格差社会やコロナ意識の“エール”か?
嵐の松本潤が主演するNHK大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)の第5話「瀬名奪還作戦」が5日、放送された。本多正信役の俳優・松山ケンイチと忍者の頭領・服部半蔵役の同・山田孝之が初登場したことで「ぜいたく過ぎるキャスティング」と視聴者を沸かせた。
伏線を見事に回収「勤め人を元気づける」「真面目に働く人たちの味方」
嵐の松本潤が主演するNHK大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)の第5話「瀬名奪還作戦」が5日、放送された。本多正信役の俳優・松山ケンイチと忍者の頭領・服部半蔵役の同・山田孝之が初登場したことで「ぜいたく過ぎるキャスティング」と視聴者を沸かせた。
(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)
「今川を滅ぼす」と信長(岡田准一)に約束した元康(松本)は、その前に駿府に捕らえられている妻の瀬名(有村架純)を取り戻そうと決意。家臣たちの反対を押し切り、イカサマ師と呼ばれ嫌われている本多正信(松山)の妙案に望みを託す。正信は伊賀忍者の服部一党を使い奪還作戦を企てるが、頭領の服部半蔵(山田)は過去の失敗ですっかり自信喪失、相手と目を合わすことすらできなかった。駿府に潜入した正信と半蔵は極秘作戦を遂行するが、思わぬところから情報が漏れており、服部一党は待ち構える今川勢の返り討ちで大量の戦死者を出してしまった……。情報を漏らしたのは母・巴(真矢ミキ)。今川家の重臣・鵜殿長照(野間口徹)のスパイとなっていた妹・お田鶴(関水渚)に“脱出”することを明かしてしまったのだ。
作戦の失敗を元康に報告した正信と半蔵は第2の作戦を提案する。それは今川側の重要人物を生け捕りにし、その後、瀬名らと捕虜交換をするという奇想天外な策だった。これに対する元康の決断は? この回のエンディングは『どうする家康』という番組タイトルを地で行く展開で終了した。印象的だったのは正信と半蔵による最初の作戦に大反対した無策の家臣らに対し元康が「命がけで働いておる者を笑うな!」と一喝する場面。さらに、1度の失敗を許し2度目のチャンスを与えた元康のふところの広さも際立った。弱虫、泣き虫、優柔不断だった元康が次第に自己を確立していく過程が描かれており今後の家康の見どころポイントも与えてくれたように見える。
「命がけで働いておる者を笑うな!」のせりふについて視聴者からは「家康かっちょええ」「ここまでで一番かっこいい松潤・家康」「胸に刻んでおきたい言葉だ」「いい上司」「真面目に働く人たちの味方」「明日から仕事が始まる勤め人を元気づける場面」など肯定的な声がネットに寄せられている。実はこのせりふはこの回のストーリー展開の大きな伏線となっており、服部一党が獣のように豆を拾い食いしたり盗みをしたりしながらでも自身の家族のために命をかけて戦う場面で見事に回収されている。
「服部一党はどん底の生活をしながらも忍者としての誇りを失っていなかった一方で、『半蔵様が死んだらだれが我らの妻や子に銭を渡してくださる?』というせりふにもあるように、死を覚悟して戦う理由は金銭のためという格差社会の現実の厳しさも描かれていました。コロナ禍の中、医療従事者や介護福祉士など命がけで働いているエッセンシャルワーカーの人たちも世の中にたくさんいます。『命がけで働いておる者を笑うな!』というせりふにそういう人たちへの“エール”が込められているとしたら、今の深刻な時代状況を反映したあまりにも秀逸な脚本というべきでしょう」(放送ライター)。
次回、第6話「続・瀬名奪還作戦」は12日放送予定。