【どうする家康】山田孝之の役への姿勢 「服部半蔵をどう生きるかということだけ」
俳優・山田孝之が服部半蔵役で出演するNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)について、服部半蔵の人物像や5日放送の第5回で瀬名奪還に失敗するシーン、本多正信(松山ケンイチ)との関係性についてコメントした。
忍者ではないが忍者の代表の服部半蔵を熱演
俳優・山田孝之が服部半蔵役で出演するNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)について、服部半蔵の人物像や5日放送の第5回で瀬名奪還に失敗するシーン、本多正信(松山ケンイチ)との関係性についてコメントした。
まずは服部半蔵の人物像について。
「第5回では、亡き父から『忍びはやるな』と言われていたことも明かされましたが、半蔵は、そもそもできることなら争いを避けて生きたい人。ただ、時代的にも避けられない争いも多いし、自分は伊賀にうまれた宿命もある。それは理解しつつも、やはり争いたくない……という悩みや葛藤を抱えていたのかなと思います。一方で、幼い頃見ていた忍びとして活躍する父の姿に、少なからず誇りや憧れも持っていただろうと想像しています。いざ任務につくとなれば、ほんのわずかですが、憧れていた父と同じ働きができる喜びもあったのかなと思います。でも、結果的に父は自分に忍びを勧めなかった。父はさまざまなできごとに巻き込まれ、もしかしたら甲賀との対立の中で亡くなったのかもしれない。その上での言葉だったことを考えると、やはり引き受けない方が良いのかな……と、正信の誘いに対して逡巡する半蔵の思いを解釈しました」
さらに役に向き合う姿勢にも言及。
「脚本にあるセリフをベースにしながら、描かれていない半蔵の過去や父のことを想像で足して、人物像を組み立てていきました。史実が本当なのかは誰にも分かりませんし、今作においては、僕に与えられた服部半蔵をどう生きるかということだけだと思っています」
5日に放送された第5回では瀬名の奪還に失敗するシーンがあった。山田は振り返ってコメント。
「鵜殿長照らに襲われた瞬間、『なんでバレてるんだ』と思考停止して、怖くなり動けなくなってしまいました。しかも、そんな自分を救ったせいで、多くの仲間が命を落としてしまった。冷静に考えれば、相手方にバレた場合も想定しておかなければならなかったし、そうなっても動けるように日頃から準備しておくべきだったんですよね。(忍びではないですが)忍びとしての身体能力は低いですし、戦いたくないので日頃からトレーニングもしておらず、手裏剣一つ投げられない。とはいえ最低限自分が準備しておけば、仲間が犠牲になることもなかったのかと自分を責めたし、絶望したと思います。
それでも、もう一度瀬名奪還の任務に挑戦すると元康に申し出る覚悟ができたのは、亡くなった大鼠との約束があったからだと思います。きちんと任務をやり遂げて、銭をもらって、妻や子に分けてほしいと言い残して死んでいった大鼠の言葉は絶対守らなければならないし、今度こそ成功させなければならない。でも、再度チャレンジすれば、指揮をとるのは頼りない自分なので、また余計に仲間の命を犠牲にしてしまうかもしれない怖さもある。でもやるしかない…。ずっと悩んで、葛藤して、人との間に挟まるというか。そうした人としての揺らぎが見えるシーンが多いので、人物像も自然とつかみやすかったように思います」
本多正信との関係性についても言及した。
「正信と半蔵は、貧しい暮らしの中で死にものぐるいで生きていますし、近いマインドを持った人だとは思います。でも、これは正信に限らずですが、半蔵は基本的に人を信用しておらず警戒心も強い。どのシーンでも人とほぼ目を合わせないんです。目は口ほどにものを言うという言葉もありますが、目をしっかり見ると相手に情報を与えてしまうこともあると思うので。でも、これから1年間続く物語の中で、半蔵の感情が大きく揺れ動いたり、崩れるほど感情が高ぶったり。もしくはしっかり相手の目を見られるほど信頼できる関係性を、正信や家康たちと築けたら……。そんなエピソードが出てきたらいいなと、僕自身も楽しみにしています」