洗濯ばさみをピック代わりに 広がるスラップエコーに「真似したい」とギター愛好家がときめき
ギタリストのMIYAVIが駆使することでも知られる「スラップ奏法」など独自の演奏で唯一無二の音を生み出す表現者たち。SNSではピックの代わりに、洗濯物を干す際などに使うあるものを使ったパフォーマンスが9万6000件のいいねを集めている。クールな演奏で愛好家をわかせたChee'z ちーず(@loveandcheese_)さんに発案のきっかけを聞いた。
偶然が広げたギターの可能性、斜め上のことに挑戦したい
ギタリストのMIYAVIが駆使することでも知られる「スラップ奏法」など独自の演奏で唯一無二の音を生み出す表現者たち。SNSではピックの代わりに、洗濯物を干す際などに使うあるものを使ったパフォーマンスが9万6000件のいいねを集めている。クールな演奏で愛好家をわかせたChee’z ちーず(@loveandcheese_)さんに発案のきっかけを聞いた。
大学生だった20歳ごろ。「スノーボードかギターを始めよう」と思いつき、近所にスキー場がなかったためギターを購入したちーずさん。腕前に自信が付いてきた2年ほど前から、「練習をさぼらないように」と自戒の意味も込めて、ツイッターへの投稿を始めた。
ステージにも立つようになり、自分だけの表現を追求していたとき、自宅にあった洗濯ばさみをピックの代わりに親指と人差し指に挟んで演奏することを発案。「指に挟みながら弾くのは、引くほど痛かったから、めっちゃ我慢しました」と苦笑いした。
いつもと同じように洗濯ばさみを指に挟み練習していたある日のこと。途中で携帯電話を取ろうとした際に、洗濯ばさみをギターの弦に引っかけたら、偶然この音が鳴って「面白い音」とときめいたことから、指ではなくギターの弦に洗濯ばさみを取り付ける形を思いついた。痛みを我慢せず演奏ができ、さらに想像していた以上の音色に大満足したことから、様子を動画で撮影して投稿した。
右手に持った洗濯ばさみを、弦に挟み始まる20秒ほどの動画では「洗濯ばさみのクールな使い方」と名付けた楽曲を演奏。「思った以上に綺麗な音だった」「全てやり尽くされたと思っていた私が間違っておりました」「天才」などの声が集まった。揺らぐ音にゲームを思い出した人もいたようで「ロックマン死ぬ時の音っぽくて好き」という感想も寄せられていた。
演奏中は「1、2弦が洗濯ばさみが当たるので、他の弦で演奏しないといけないのが難しい」というちーずさん。「こだわりはうっすらかけたスラップエコーです!」と自信を見せた。また「真似してみたい」という人へは「フロントピックアップとネックの間に挟むとズレなくてやりやすいです」とアドバイス。ちーずさんは「これからも新しいギターの奏法や、(ガラス製の)ビードロなどあまり演奏に使われない楽器などを活用し、斜め上なことに挑戦していきたい」と意気込んでいる。
9万6000件ものいいねを集め、表現者としての血が騒いだチーズさんは後日、「きゅうりの模型」を使った演奏も披露。幻想的な音に「ハワイアンというかシタールというか、心地よい音」と感想が集まるなど、続編を楽しみにしている人もいるようだ。