受験生の“身代わり”に…女装男性が痴漢被害を告白 投稿が物議「日本やばいわ」

今月14日、15日にわたって全国一斉で行われた大学入学共通テスト。近年、試験に遅刻できないという受験生の弱みにつけこみ、「共通テスト当日は痴漢し放題」といった痴漢行為をほのめかすネット上の書き込みが大きな社会問題となっている。そんな中、痴漢被害に遭う受験生の“身代わり”になろうと、女装して乗り込んだ電車内で実際に痴漢に遭遇してしまったという男性の投稿が、大きな議論を呼んでいる。投稿者の唯。(@yuuui__chan)さんに話を聞いた。

SNSに投稿された女装した唯。さんの自撮り画像【写真:本人提供】
SNSに投稿された女装した唯。さんの自撮り画像【写真:本人提供】

受験生への被害を引き受けるため、女装して乗り込んだ電車内で実際に痴漢に遭遇

 今月14日、15日にわたって全国一斉で行われた大学入学共通テスト。近年、試験に遅刻できないという受験生の弱みにつけこみ、「共通テスト当日は痴漢し放題」といった痴漢行為をほのめかすネット上の書き込みが大きな社会問題となっている。そんななか、痴漢被害に遭う受験生の“身代わり”になろうと、女装して乗り込んだ電車内で実際に痴漢に遭遇してしまったという男性の投稿が、大きな議論を呼んでいる。投稿者の唯。(@yuuui__chan)さんに話を聞いた。

「受験生への痴漢被害を一手にひきうけるめに立ち上がる男。行ってきます。 #共通テスト #センター試験」(原文ママ)。大学入学共通テスト初日の14日朝、女装した自撮り画像とともに唯。さんが行った投稿は、17日時点で8700件を超えるリツイート、6万6000件のいいね、810万3000回の閲覧数を記録するなど大きな話題に。続く投稿では「ほんとに電車乗りました」「え、まじ?」「軽い気持ちで電車乗るんじゃなかった、、日本やばいわ」と実際に電車内で痴漢被害に遭った様子が生々しく実況されている。

 14日夜の投稿では「直接触られてはないんですが、他に立てるスペースがあるくらいの混雑具合なのに後ろから抱きつくような感じで思いっきり体を密着させられました。首元にかかる息が気持ち悪いし抵抗されたらころされるかもとか勝手に考えて何もできなかった。制服で朝の電車乗るの初めてだったので甘く考えてました」と一連の痴漢被害について説明。翌15日朝には「おはようございます。今日も電車乗ろうと思いましたが、昨日の出来事がトラウマなのでやめます、、受験生のみなさんほんと気をつけて、、」と受験生を気遣う内容がつづられている。

 今回、なぜこのような行動をとったのか。唯。さんは女装を始めた経緯について「高校の文化祭で女性と制服交換をした際に、かわいいと言われたのがうれしく、それ以来私生活でも趣味で女装するようになりました」と説明。一連の投稿については「近年共通テストが近づくにつれて、受験生に対する痴漢行為の話題を目にします。男性としての立場からも絶対に許せない行為であり、女装を趣味としている私から何か発信できることはないかと思いこのような投稿に至りました」と意図を明かす。

 実際に電車内で痴漢被害に遭ったことについては「体を押し付けられて密着されました。警察に突き出すなど、なんらかの対応をすべきだったと思いますが、恐怖で声も出せず、結局逃げることしかできませんでした」と語り、男性の身であっても大きな恐怖を感じたという。

 一連の投稿には「これは大和男児」「普通に優しい人」といった肯定的なものや「自分がトラウマ抱えてどうするんだ」「怖かっただろうに」という身を案じるものなど、さまざまな反響があったといい、「『痴漢被害を引き受ける』という表現を、安易に使ってしまったことは反省しています。今回着た制服は本物ではなくコスプレ用で、特定の高校のものではありませんが、同じような制服を着た人に対して痴漢の手が伸びる可能性があったことは否めません」と唯。さん。

 一方で、「警察に突き出さなかったことで、加害者に対して成功体験をさせて痴漢行為を助長した」という批判も寄せられたというが、これについては日常的に痴漢被害者が泣き寝入りを強いられている現状を例を挙げ「それらの被害者も痴漢を助長している、ということに当たるのか。被害者は被害者であり、責任は全て加害者にあります。この点だけは断固として伝えたいと思います」と強く反論する。

 今回の唯。さんがとった行動の是非については、賛否両論、さまざまな声が上がっているが、問題は卑劣な痴漢行為そのものであることは間違いない。男性からも女性からも、痴漢は絶対に許さないという強いメッセージを発信していくことが大切だ。

次のページへ (2/2) 【写真】ボディーラインくっきりのニットにミニスカ×ニーハイ…唯。さんの女装姿
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