女優・北川景子が新米教員役で“月9”に初主演となる『女神（テミス）の教室～リーガル青春白書～』（フジテレビ系、月曜午後9時）。ロースクール（法科大学院）の学生役を演じるのが、女優の河村花（21）。夢だったという“月9”出演をかなえ、何を思っているのか？（取材・文＝平辻哲也）

「女神の教室」は裁判官で実務家教員の主人公・柊木雫（ひいらぎ・しずく）と周囲の人々が自身の価値観をぶつけ合いながら法曹界のあり方を問う、リーガル＆ロースクールエンターテインメント。河村が演じるのは法科大学院2年生、天野向日葵（ひまわり）。著名なビジネスローヤーである父を持ち、半ば強制的に弁護士の道を歩まされ、自分の可能性を諦め、怠惰な学生生活を送っている……。

「向日葵の第一印象は、ちょっとネガティブな女の子でした。私とは違うなと思ったんですよ。でも読んでいくうちに、根っこの部分がすごく優しくて、愛おしい、これは自分しかできない役だなって思いました。役名も向日葵ですからね」と笑顔を見せる。

　向日葵とは生い立ちや育ってきた環境もまったく違う。河村自身は、愛知県の自然豊かな土地で伸びやかに育てられてきた。

「私は小さい頃は、同世代の子も多くて、野山を駆け回っている、ちょっと活発な子でしたね。向日葵のように、親に将来を決められて、一歩踏み出ないという方は多いと思いますし、見てくださる方が自分と重ねて見てくださったら嬉しい」

　月9は小さい頃から両親と見ていた憧れのドラマ枠だった。主演の北川は同じ事務所の大先輩、研究家教員役の山田裕貴は高校の大先輩でもある。「北川さんは役がらそのまま先生みたいです。本番以外でも、いい空間を作ってくださっています。山田さんとは同じ高校だったんで、びっくりしました。芸能の学校とかじゃなく普通の高校で、しかも愛知県。あいさつしたら、その後に『後輩！』と言ってくれたのがうれしかったです。いろいろ教えてくださっています」と感謝する。

　ドラマでは、法律についてのディベートシーンが見どころの一つ。「緊張しますね。でも、向日葵自身も緊張しているはずなので、私自身の緊張と向日葵の緊張がうまく映っていたらいい。法律は当たり前のようにありますが、その当たり前をもう一度考えるきっかけになると思います」

　河村は2001年生まれの21歳。女優を志したのは中3の時で、芸能活動は6年目に入る。

「小さい頃の将来の夢はお花屋さん、宇宙飛行士、警察……。コロコロ変わっていきましたね。中学3年生の時、雑誌で見た小松菜奈さんに憧れて、自分で事務所に応募しました。女優は面白いです。目標ができていく中で、自分はまだまだだなって思う部分が永遠に見つかっていくんですね」。

　転機になったのは昨年2月の舞台「粛々と運針」（2022年3月8日～27日、PARCO劇場ほか）だ。主演の加藤シゲアキを始め、須賀健太、徳永えり、前野朋哉、多岐川裕美が出演した。

「それまでは映像作品が多かったんですが、21年に初めてミュージカルに出させていただいて、次がこの舞台でした。お芝居に向き合う時間が長かったですし、共演者は大先輩ばかり。舞台が終わった後にみんなで集まって、『あそこがよかった』『ここにはすごく心動かされた』みたいな話を聞いているだけで楽しかったんです。多岐川裕美さんは大ベテランでいらっしゃるのに、『今日はここを直したい』とお話しされたのが印象的でした。私も一つ一つの役に向き合って、成長していきたいと思っています」。夢舞台だった月9の向日葵役では、大輪を咲かせてくれそうだ。

□河村花（かわむら・はな）2001年10月28日生まれ。愛知県出身。主な出演作は「ニセコイ」（18）、「胸が鳴るのは君のせい」（21）。テレビドラマに「10の秘密」（20）、「あなたは一宮モーニングで謎を解く」（21年）。趣味 自然に触れる事、特技 剣道（2段）、水泳。