神奈川・三浦海岸を拠点とする釣り船「一義丸」が待合所の空き巣被害を報告。約30点の釣り具が盗まれ、被害総額は250万円を超えるという。犯人は捕まっておらず、北風幸人船長はENCOUNTの取材に「返してほしい、ただその思いです」と悔しさをぶつけた。

「12月23日夕方から24日の朝、待合所に空き巣が入り、竿やリールなどが大量に盗まれました。棚に飾っていおいた高級ロッドだけでも余裕で100万円以上の被害です」。24日、一義丸の公式SNSが被害を訴えると、ネット上には一義丸を利用したことのある客から犯人への怒りが相次いだ。

　一義丸は漁船4隻を保有している創業約50年の老舗で、関東エリアを中心に多くの釣り人に愛されている。「年齢はお若い方からご年配まで大勢のお客様にお越しいただいています」。この時期はカワハギやマダイが人気だといい、特にマダイ釣りは1年通じて楽しめる一義丸の“名物”となっている。

　そんな矢先に起こったのが盗難被害だ。待合所はレンタルの竿や釣り具が保管され、江奈湾・松輪港の前の国道沿いにあった。盗難は、「窓ガラスが割れていて、置いてあった竿などがなくなっていた状況」。過去に盗難被害に遭ったことはなく、防犯カメラは設置していなかったという。

　マダイロッド10本や客から預かっていた貴重な釣り竿、電動リールなど約30点の釣り具が盗まれ、被害総額は「およそ250万から300万くらいだと思います」と高額。

　すでに警察への被害届を提出しているが、犯人について心当たりはなく、捜査の進展を待つしかない。SNSでは、「パーツコレクション（リールの特殊ハンドルなど）等も全て持って行かれて大きなショックを受けています。最悪なクリスマスになってしまいました。。」と悲痛な思いを告白。「主要な質屋や中古釣具店さんに被害品リストを届け、それらしい商品が持ち込まれたときは警察に通報されるよう手続きします。大切な釣具を狙った許しがたい犯罪が広がらないように、ご協力よろしくお願いします」と、仲間や常連客に呼びかけ、転売の阻止を訴えている。

　レンタル用の釣り具を失い、営業への影響もある。

　北風さんは「思い出の道具やお金では買えない品々もたくさんあったのですごく落胆しています。残念で悲しい思いです。もしまだ手元にあるようならばお願いします。返してほしい、ただその思いです」と唇をかみ、犯人に早期返却を求めた。