鉄オタはなぜしゃべり続けるのか。アニメオタクと何が違うのか。こんなテーマで独自の考察を投稿した鉄オタ男性のツイートが話題を集めている。鉄オタ歴28年の投稿主じんげんさん（@jin_ken_muyo）に真意を聞いた。

「婚活サイトの質問コーナーで、『自分は鉄道オタクなのですが、女性たちは鉄道オタクに対して偏見があるようで、理解してもらうために説明してもわかってもらえません。誤解を解いてもらうにはどうしたらいいでしょうか』という質問に対しての答えがあまりにも火の玉ストレートすぎるので読んで欲しい」

　26日にじんげんさんがツイートすると、投稿は瞬く間に反響。鉄オタ、非鉄オタを含め、論争を巻き起こした。

　回答者は鉄オタにマナー違反のイメージがあることから、「鉄道ファンの世間的評価は極めて低いのは間違いありません」と断定。そのうえで、こうした行為をする鉄オタは一部で、ほとんどの鉄オタは無関係なことを前提としつつも、「迷惑行為をしようがしなかろうが、残念ながら鉄道ファンは普通にキモいと思われているので御座います」と突き放している。

　鉄道に限らず、どんな趣味でも興味がない人にとってはいくら話をしても好意的に映らないとし、誤解を解くうんぬんの話ではないと指摘。質問の答えとして、「答えは簡単。鉄道に関してしゃべらなければ良いので御座います」と結論づけた。

　これに対し、自らも鉄オタ歴28年のじんげんさんは「これ隠す隠さないの話じゃなくて『相手が興味示してないことを延々と喋ってしまう』というコミュニケーションが主題だと思います」と鉄オタのコミュ力に着眼。「生まれた時から鉄オタである私が『なぜ鉄オタは相手が興味無さそうにしてるのに電車のことしか喋らないのか』を解説したいと思います」と切り出した。

「みなさんは幼稚園に通われている頃、クラスに一人は『電車博士』がいたのではないでしょうか。そのような子達は下手したら幼稚園の時点で47都道府県と県庁所在地を空で言えるレベルになっています。彼らはそういう知識を周りに披露したがります。そうすると周りの人達は『こんなに知っているなんてすごいね』と褒めたたえます。これが罠なのです。みんなから褒められると『みんな電車に興味があるんだ』とますます電車にのめりこみます。最初は単純な称賛から『すごいね』と言っていた周りの人も、言葉は同じですが、ただの空返事、社交辞令として言うようになります。この変化に鉄オタは気づけないのです」

　そして、アニメオタクと比較し、鉄オタの思考回路を解説。

「例えばアニメオタクを例にとると、アニメの話をした時に『うわキモっ』と言われたことがある人も多いでしょう。ここで『周りの人はアニメに興味がないんだ』ということを知るはずです。しかし鉄オタの場合は周りが何故か空返事としての『すごいね』を言い続けます。そうすると『鉄道に興味を持ってないやつはおかしい、鉄道のことをみんながもっと知りたいはずだ』と考える迷惑鉄オタの出来上がりです」とした。

　じんげんさん自身が、何度も同じような経験をしてきたという。「私も昔はガッツリこのタイプであり、小学校の時3回も『そんなに電車が好きなら電車と結婚すればいいじゃん』と言われたことがあります」と、空気を読まずに、しゃべり倒してしてきた。周囲の「すごいね」の言葉を真に受け、自分の趣味をもっと知って欲しい、鉄道の魅力を分かってほしいと、会話が止まらなくなっていた。だからこそ、冒頭の質問と回答を見て、鉄オタの心理状況が手に取るように理解できたというわけだ。

　自分が変わったのは大学時代で、「そのころにツイッターを始めて、鉄道に興味のない人と交流するうちに気づきました」と告白。「鉄道だけに興味を持つのではなく、その他のことにも興味を持つことですね。鉄道だけにこだわりすぎないこと」と自戒を込めた。

　投稿が議論を呼んだことに、「『オタク趣味を否定するのか』という意見が結構多かったことに驚きました。あくまでコミュニケーションに気をつけましょうと言っているだけであって、否定している訳ではないです。そういう人には一人一人丁寧にリプで説明することを心がけました」と話し、鉄オタの一員としての私見であることを強調した。