廃材で手作りの門松が「モダンで素敵」 製作者は大学准教授、学生は塩対応もSNSで反響
クリスマスも終わり、2022年も残りわずか。お正月の準備を始める人も増えてきた。慌ただしい年の瀬だが、法政大学デザイン工学部の准教授がSNSに投稿した手作りした門松の写真が「ほっこりする」と話題だ。14.6万件の「いいね」を集めた写真について、投稿した山田泰之さん(@yayamadayay)に聞いた。
門松作りのきっかけは?
クリスマスも終わり、2022年も残りわずか。お正月の準備を始める人も増えてきた。慌ただしい年の瀬だが、法政大学デザイン工学部の准教授がSNSに投稿した手作りした門松の写真が「ほっこりする」と話題だ。14.6万件の「いいね」を集めた写真について、投稿した山田泰之さん(@yayamadayay)に聞いた。
法政大学のデザイン工学部で、准教授として研究開発を行っている山田さん。すっきりとした気持ちで新年を迎えるため、大掃除に取りかかっていたある日、片付いた研究室を見渡し、「季節感のなさが物悲しく、門松がほしいな」と思ったそう。「調べると結構いい値段がするし、研究費で購入したら絶対怒られる」と思った山田さんは、研究室で出た廃材を活用し、手作りしようと発起。完成した門松の写真を「研究室の大掃除 廃材で門松」の説明と共に投稿した。
たるなどで作られる土台部分は、研究室にある3Dプリンターを使用した後に出る「ロール」を活用。立てたロールには、縄の代わりに緩衝材を巻きつけた。帯鋸で斜めにカットした硬質ポリ塩化ビニル管(塩ビ管)3本は、竹に見立てた。隙間には、松飾りをイメージしたケーブルを差し込み、華やかな雰囲気でまとめた。
幸福をもたらしてくれる年神様(としがみさま)に、迷わず来ていただくために、研究所の入り口に目印として廃材で作った門松を飾った山田さん。新しいものに慣れているゼミの学生の反応は「またやっているよ」とつれないものだったそう。しかし自身のツイッターに、設置した門松の写真を投稿したところ、「いいね」の数が上昇。「パッと見モダンな門松に見えた」、「発想が流石ですね! 笑う門には福来る」などの反応が寄せられた。
「伝統ある縁起物を違う形式にすることにはアレルギーがある人も多いと想定していました」という山田さん。投稿を見た人からの「『松は千歳を契り、竹は万歳を契る』とは言いますが 塩ビパイプは『燕尾』にも通じ、『最上位の礼』を表し 電線管は電線を保護し、『人と人とのつながり』を表し プチプチはなんだか柔らかいので、『人あたりが良くなる』みたいな ケーブル類はなんかにぎやかで、良いですね」という反応がうれしかったそう。
あらゆる作業を、より安全かつ軽労化する装着型アシストデバイスや、子どもの安全性を優先した自転車など人の役に立つデザインの開発を行っている山田さん。廃材を活用した取り組みについては「学生たちに考える力を付けさせるため、授業やゼミで廃材を使って試作する練習をしている」と説明。自身も「今後も積極的に取り組みたい」としている。
山田さんが所属する「システムデザイン学科およびシステムデザイン専攻(大学院)」は、クリエーション、テクノロジー、マネジメントの3つの系にそれぞれの教員がいるユニークな教育研究体制を持った組織。総合的なデザイン力を提供することを強みとしており、今年は「グッドデザインニューホープアワード」の最優秀賞、「GUGEN2022大賞」を獲得するなど、さまざまなデザインコンペティションで学生たちが評価された。山田さんは「デザインに興味がある人、新しいモノ・コトを生み出したい学生さんはぜひ願書の出願をお待ちしています!! 大学も大学院も願書受付中です!!」と呼びかけている。