2児のママ吉田明世アナ「全部道はつながっていた」 保育士&絵本専門士資格の取得理由
初めての絵本「はやくちよこれいと」(インプレス刊)を出版したフリーアナウンサーの吉田明世(34)は、保育士、絵本専門士の資格を持つ日本唯一のアナウンサーだろう。4歳の長女と2歳の長男の母である吉田は、どうして資格を取ろうと思い立ったのか。
番組出演中にダウン「自分1人の人生ではない」
初めての絵本「はやくちよこれいと」(インプレス刊)を出版したフリーアナウンサーの吉田明世(34)は、保育士、絵本専門士の資格を持つ日本唯一のアナウンサーだろう。4歳の長女と2歳の長男の母である吉田は、どうして資格を取ろうと思い立ったのか。(取材・文=平辻哲也)
保育士、絵本専門士の資格を持つ多彩な吉田。「全部、道はつながっていますね」と語る。保育士の資格を取得したのは第1子出産後の産休中だった2018年7月のことだった。もともと同居していた祖母が実家の隣で保育園を運営し、姉も保育士だったという素地もあった。
「祖母は他界してしまったんですが、その後、親戚が保育園を続けていて、姉も働いています。祖母の時代で、女性で働いている方はかなり少なかったですし、ましてや自分が保育園を運営する人は希少だったと思います。祖母は時代を切り開いていた人だったんでしょうね」
TBSアナウンサー時代、担当していた「サンデージャポン」の出演中、貧血のため、ダウンしたこともきっかけとなった。
「お仕事大好き人間だったので、当時、週6日の生放送ラジオ、バラエティー番組をいくつか担当させてもらっていたんですね。でも、倒れてしまったことで、これからは自分1人の人生と身体ではないんだなと思い、新たな道も考えてみたいと思ったんです」
保育士は「子どもの保育」ならびに「保護者に対して子育てに関する指導を行う」ことを目的とした国家資格。取得するには厚生労働大臣が指定する「指定保育士養成施設」という学校その他の施設(大学・短大・専門学校など)で学んで卒業をする方法と、年2回実施される保育士試験に合格する方法の2つがある。それをたった3か月で書籍を中心にした独学で学び取ったというから、すごい。
「当時は勉強好きだっていうことは自覚なかったんですが、TBSに入ってから、アナウンサーや仲間にバイタリティーあふれる方が多くて、そういった出会いから挑戦することの楽しさを知ったという気がします」。国家試験に一発合格。これが大きな転機にもつながった。
「アナウンサー以外にも保育士にチャレンジしたことで、アナウンサーという枠に縛られず、何かいろんなことにチャレンジできるんだなっていうことを実感しました。私は、あんまりフリーになれるキャラクターでもなかったので、不安はあったんですが、もっと違った生き方の選択もあるんだなって。娘が生まれた後もその気持ちは変わらなかったんです。夫も『子どもの母でもあるけれども、吉田明世としての人生も楽しんで』と言ってくれたので、一度きりの人生だからチャレンジしてみようかなと思い、退社を決意しました」
19年1月にTBSを円満退社し、フリーアナの道へ。保育士の資格を取ったものの、保育園での現場経験はない。そんなときに思い浮かんだのは、絵本の読み聞かせだった。その絵本専門士の応募資格には「保育士の資格を有する者」もあった。
「保育士の仕事はとても大変なお仕事ですし、姉は学校に通って、現場での研修も学んだ上で資格を取ったんですけど、私は完全に独学。自信を持って『私は保育士です』とは言えなかったんですね。アナウンサーであり、保育士であることの2つを生かして、自分だからこそできることはあるかなと考えたら、絵本専門士だったんです。いろんなことにチャレンジした結果が今につながっているなと実感しています」。たゆまぬ努力がキャリアアップにつながった。
□吉田明世(よしだ・あきよ)1988年4月14日、東京都出身。2011年TBSにアナウンサーとして入社。19年フリーアナウンサーとなり、現在はラジオパーソナリティー・テレビ・イベント出演・モデルなど、多彩に活躍。プライベートでは2児の母。2020年に絵本専門士の資格を取得。保育士の資格も持つ。ほかの資格は漢字検定2級・ニュース検定2級・秘書検定2級。趣味:旅行・ドラマ鑑賞・アプリ漫画鑑賞・娘を寝かしつけたあとのネットショッピング。