【M-1】ウエストランド井口「復讐できた」 爆問の2人へも感謝 優勝会見の一問一答
“漫才日本一”を決める「M-1グランプリ2022」の決勝が18日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、ウエストランドが優勝。7261組の頂点に立った。タイタン所属としては初の王者に輝いた。
井口はピン仕事のギャラも相方・河本と折半「本来なら1000万円全部ほしい」
“漫才日本一”を決める「M-1グランプリ2022」の決勝が18日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、ウエストランドが優勝。7261組の頂点に立った。タイタン所属としては初の王者に輝いた。
ファーストステージの大トリで登場したウエストランドは「あるなしクイズ」に絡めた強烈なディスりネタで659点をマークして3位で勝ち上がると、トップバッターを務めた最終決戦でもディスりネタを披露。審査員7人中6人の票を集め優勝を決めた。
大会終了直後に会見に臨んだ2人の一問一答は下記の通り。
――1回戦からここまでを振り返って。
井口浩之「1回決勝に出たからといって、1回戦が余裕かといえばそうではない。常に緊張感がありますから、本当に嫌でした。優勝して一番うれしいのは『M-1にもう挑戦しなくていいんだ』と思うこと。とにかく予選が大変。優勝できてよかった。どうせあと1回だったけど、出なくてよくなったのでよかった」
河本太「もう出なくていいということで。もうちょっと予選の数を減らしていただきたい。でも、もう出ないということで。優勝した実感がない」
――史上最多のエントリー数の頂点に立った気持ちは。
井口「たくさんの人たちが挑戦していますし、完全に風物詩になっている。芸人として『売れたい』とか、『絶対売れてやる』という気持ちはありましたけど、M-1のチャンピオンになる人生だとは思っていなかったので。そういう意味では意外だなと思います。ネタで評価されることもそんなになかったので。その形でこうチャンピオンになれるとは、という感じですかね」
――「自分の人生で主役になれた」という言葉に込めた思いは。
井口「あれはぶっちゃけかなり前から考えていました。もし優勝したら言おうと思っていました」
河本「めちゃくちゃいい言葉でしたね。僕はチャンピオンですけど、ついてきただけですから。とてもほかの7000組の方の頂点とは思っていないですね」
井口「めちゃくちゃムカついてると思いますよ、周りの芸人」
河本「僕のことをよく知っている人は腹がちぎれるくらい腹が立ってると思います」
井口「表現が違うな。笑うときの表現だから」
――「暇でした」と話していたが。
河本「2020年に(決勝に)行ったときに、コンビでその次の年は(テレビに)出させていただいて。見事にあぐらをかいていたら相方ばかりの稼働になったので。あぐらをかかないようにお仕事を頑張りたいです」
――涙の理由は。
河本「子どもが2人いるんですけど、できてからというもの、涙腺がぶっ壊れまして。すぐに泣いちゃうんですね。アニメでキャラクターがいいこと言っただけで泣いちゃうとか。もちろん、M-1のPVも死ぬほど見まして。あれがまた……」
井口「決勝の涙の理由を早く教えてくれ!」
河本「そりゃあやっぱり、ねえ。自分がチャンピオンになるなんて思ってこなかったですから。まず家族の顔が浮かんで、早く娘の保育園で自慢したいですね」
――河本の涙は。
井口「ドン引きですよ。万が一優勝してもなんにもしてないやつが泣くみたいなやつを散々見て来たから、そういうのもういいかなって。とにかく泣くなって話でしたからびっくりしましたね」
河本「我慢したんですけどね。かっこ悪かったですね」
――前回出場時に「漫才はいいことがなかった人間の復讐(ふくしゅう)劇だ」と話していたが。
井口「ネタをやってちゃんとウケて。2本ともウケるのが目標だったので、優勝という結果はその後からついてくるだろうなという感じだった。2本できて、ちゃんとウケたという意味では、前回は10位よりウケてない9位だったので、ウケることができてリベンジは果たせたかなと思います。それでさらに優勝までついてきて、本当にうれしい」
――復讐できた?
井口「そうですね。大丈夫かな、こんなことばかり言って(笑)。いろんな人から狙われそうで怖いです。復讐できたと思いますけど、まだ分からないです。今後ね、どうなっていくかわからない。まだ一歩も(外に)出ていないわけですから。もうちょっといいことがあったら、復讐できたとな思うかもしれないけど、今はまだわからないですね。たぶん嫌なことはあるし」
河本「僕は、こいつが全部言ってくれた。僕は復讐したいことはないし、幸せです。(優勝を)とる前も幸せでした」
――優勝した結果、芸風が変わることはあるか。
井口「それはたぶんない。どうせ嫌なことは起こるんで。『他の人が優勝したときってこんな感じなのかな』と思ったらむかついてくる。優勝したとて嫌なことは尽きないですし、漫才という意味では事務所の先輩の『爆笑問題』さんがネタをやり続けている。我々がM-1に出れなくなったからといって漫才をやらないということはない。やるしかないので、タイタンライブをぜひ見に来てほしいですね。漫才は続けますので」
――出番が大トリだった。
井口「2020年も10番だったので、さすがに連続で10番はないだろうと思っていたんですけど。最後『キュウ』と2組、タイタンが残って。そこで事務所ライブの感じになりましたし。結果から言えば、10番で出て3位になって最初にネタができて。連続でネタができたので、同じテイストのネタだったのでそれが完全に優勝につながったと思う。そういう意味では運がよかったですね」
――10番目からの優勝は最近なかったのでは。
井口「10番で優勝できなかったので、10番の人優勝していないなと思いましたもん。調べて。確か、なかったと思います。10番慣れしていたのはあったかもしれないです」
河本「2020年に出させてもらったときは、意識が飛びそうなくらい緊張していて。『笑、御籤』がひかれるたびに『うう』『はあ』」を9回繰り返してもうへとへとだったんですよ。今回は待ち方も多少なり上手になって、へろへろで出ることなく、ちゃんと出来ました」
――賞金の使い道は。
井口「本来なら1000万円全部ほしい。ピンの仕事も折半しているので、『井口はすごい優しい』と皆さんに書いていただきたい。まあ、賞金もありがたいんですけど、やっぱりチャンピオンということが一番でかい。忙しくなっても体にガタがこないように、賞金を使って体のメンテナンスをしながら。常にマッサージに行きながら働くみたいな感じで、贅沢に使いたいです」
河本「つまらないですけど、娘が2人いますので、今年崩してしまった学資保険を補填したいと思います」
――爆笑問題からのアドバイスはあったか。
井口「太田さんからは『とにかく目の前のお客さんとテレビを見ているお客さんを笑わせることがすべてだから』『審査員じゃなく目の前のお客さんを笑わせることに集中しろ』と言われたので、それはできたかなと思いますし。あと、この感じのネタができたときに、田中さんがネタを見てくださって。珍しく『このネタいいじゃん』と言ってくださった。これを決勝でやるんですと言ったけど、田中さんは1ミリも覚えていなかったですね。そんな記憶はないと言っていました。さすがに少しは喜んでくれるんじゃないかと思っているので、爆笑問題お2人と、太田光代社長に会って早くいい報告をしたいですね」
河本「僕は太田さんにネタが飛びそうになったら『何とかって言え』と。放送禁止用語を。それでぐちゃぐちゃにしちゃえと」
井口「よかった。それだけ出なくて(笑)」
○エントリーNo.3312「ウエストランド」(タイタン)
井口浩之/河本太 2008年結成
<過去のM-1戦績>
2015年:3回戦進出、2016年:準々決勝進出、2017年:準々決勝進出、2018年:準決勝進出、2019年:準々決勝進出、2020年:決勝進出、2021年:準々決勝進出
<主な受賞歴>
2012年、2013年、2014年:「THE MANZAI」認定漫才師