俳優の佐藤蛾次郎さん（さとう・がじろう、本名・佐藤忠和＝さとう・ただかず）が10日、都内の自宅でなくなっていたことが12日、分かった。78歳だった。

　所属事務所関係者によると、10日、自宅の風呂場で佐藤さんが倒れていたところを長男が発見。佐藤さんは1人暮らしで、長男が頻繁に様子を見に訪れていたといい、関係者は「健康状態に問題はなかったのですが、高齢のため最近は仕事をセーブしていました」。近親者のみで11日に通夜を営み、本日12日に葬儀・告別式を執り行われ、荼毘に付されたという。

　佐藤さんは1944年（昭19）に大阪府高石市生まれで、53年に朝日放送児童劇団に入団。61年のフジテレビ系ドラマ「神州天馬侠」に出演し、泣き虫蛾次郎の役を演じたことを期に芸名を佐藤蛾次郎にした。

　68年にフジテレビ系ドラマ「男はつらいよ」で、渥美清さんが演じた車寅次郎の異母弟・川島雄二郎役で出演。翌69年から松竹で製作、配給された映画「男はつらいよ」では、柴又帝釈天の寺男・源吉役で出演し、19年の最新作「男はつらいよ　おかえり寅さん」まで出演しており、同シリーズには欠かせない存在だった。かつてはアフロヘアーが代名詞で、幅広い層に人気だった。