ペットショップで聞いた親子の会話、命の重さ“考えさせられる”ツイートが反響 投稿者の見解は?
ペットショップで聞こえてきた母親と子どもの会話を伝えるツイッター投稿が、話題を集めている。命の重さ、ペットを飼う責任を考えさせられる内容で、1.1万件以上のリツイート、12万件以上のいいねの反響を呼んでいる。投稿者のつっきーさんに発信の思いなどを聞いた。
投げかけた投稿者に聞いた 「安いからいのちが軽い。希少性が高いからいのちが重い。その価値観自体が少しおかしい」
ペットショップで聞こえてきた母親と子どもの会話を伝えるツイッター投稿が、話題を集めている。命の重さ、ペットを飼う責任を考えさせられる内容で、1.1万件以上のリツイート、12万件以上のいいねの反響を呼んでいる。投稿者のつっきーさんに発信の思いなどを聞いた。
――ペットショップにて。「なんで!やくそくしたじゃん!」大声で泣く子供。『お祭りの金魚もお世話できなかったでしょ』「じゃあ安いハムスターなら【買って】いいの?」「値段が問題じゃないの。いのちを【飼う】のは簡単な事じゃないの。責任があるんだよ」いのちの重さを伝える母親の目は真剣だった――
話題の投稿。つっきーさんはリプライで続ける形で、自身の見解をつづった。
――親子がどんな約束したのかはわかりません。でも、簡単にはいのちを飼う選択をしない親の厳しさは正しいと感じた。子供は値段の話だったので「買う」、母親はいのちについての話だったので「飼う」。同じ読み方でも捉え方の違いに気付かされたできごと――
――お母さん自身もお子さんの”いのち”を見守ってきているもの。だからこそ「簡単なことじゃないんだよ」と伝えたかった気がします。昨今では世話ができず多頭飼育も問題に。”新しいいのち”、そして”新しい家族”を迎えるためにも家族での話し合いが必要。”最期”までしっかりと責任もって面倒を見てほしい――
つっきーさんが示した、「買う」と「飼う」の違いから私たちが学ぶことは多いだろう。
実際にネット上では、「【飼う】ならその生き物の責任を背負います。簡単に消えてもいい命はないのですから、お母さんの真剣な気持ちがお子さんに伝わるといいな」「動物を飼うってほんと軽い気持ちでするものじゃないですよね」「生き物を買うことは可愛いだけじゃ済まないです」など、さまざまな声が寄せられている。
つっきーさんに当時の様子を聞いてみた。
「正確には『ショッピングモール内のペットショップの前』になります。そちらの隣にあるテナントにいた際に子どもの大きな泣き声が耳に入り、様子を見た時にちょうどお母さんが子どもの目線に合わせて会話をされていました。子どもの泣き声がすごかったので、最初は何かあったのかとちょっと様子を見ていました…。
お子さんとどのような約束をしたのかは僕も分かりません。ですが、新しい家族を迎えるつもりがないのにわざわざペットショップに立ち寄るとは考えづらいので、純粋にたまたま通りがったのだと感じます。何を約束したのかは気になりましたが、それでも『新しい家族を迎える』という判断に至らなかった点は素晴らしいと感じました。
とはいえ、子どもからすれば、約束を破られた、とも感じられるので、“伝える”“教える”って難しい。これが正直な感想です」
親子の会話を通して改めて、気付いたこと。それについては、「本当にツイートのままです。お子さんが『安いから』という言葉を発してたので『買う』。お母さんは『いのち』について説いていたので『飼う』。同じ言葉なのに全く違う意味合いで会話をされていたのが、とにかく印象的でした」と答えてくれた。
さらに、昨今、議論を呼んでいるペット飼育のあり方についても考えを教えてくれた。
「安いからいのちが軽い。希少性が高いからいのちが重い。その価値観自体が少しおかしいと感じています。ペットショップは禁止というセンセーショナルな問題を提起したいわけではなく、純粋に生き物を飼うのには責任が伴う。それは本当に感じます。昨今でも人間と同様にペットの寿命が延びてます。老いたペットをそのまま飼えないから、面倒を見れないからと保健所に連れてこられる方もいらっしゃるとか。これは明らかにおかしいし、絶対にやめてほしい。そこは特に伝えたいです」
◇
つっきーさんは、2011年12月からツイッターを利用。毎朝5時55分に「『考えるキッカケ』になるツイート」を発信している。今回の投稿の反響をどう感じており、そもそもどのような思いで発信に取り組んでいるのか。
「僕のツイートは『気付き』と『キッカケ』がテーマなので、普段は会話しないような内容を、さまざまな人がいろんな視点で意見を出し合う、この行為こそが大切だと感じます。自分の正解は誰かの正解とは限りませんから。僕も今回改めてたくさんの方からさまざまな意見を頂戴して、とても勉強になりました。シンプルに言うとありがたいです。
このアカウントを本格的に動かし始めた頃は『自己啓発系』『意識高い系』なツイートばかりで、正直投稿がどこか機械的で“自分らしさ”がありませんでした。もともと文章を紡ぐことが好きでしたので、思い切って自分の日常で気付いたこと、過去の出来事で気付いたことをストーリー仕立てにしてから多くの反響をいただけるようになりました。普段の日常を色鮮やかに描けば多くの人の心に刺さり、そして残る。隠れている『本当は会話すべきこと』や『考えるべきこと』に多くの人が『気付き』、そして、なにかを考えたり行動する『キッカケ』になれば、これ以上うれしいことはありません」
現在正社員として勤務しているとのこと。将来はライター業などにも挑戦して、有意義な活動をさらに広めていきたいそうだ。