グラビアからスクリーンへ 18歳の女子高生・菊地姫奈が映画初主演、演技の原点は芦田愛菜への憧れ
11月25日公開の映画「メイヘムガールズ」で本格的な銀幕デビューを果たすのが菊地姫奈(18)だ。これまでグラビアを中心に活動していた彼女は、かねてからの夢だった女優業への進出も始めている。自身の学生生活ともリンクする映画への意気込みや、演技への抱負を聞いた。
25日公開、映画「メイヘムガールズ」で映画初主演
11月25日公開の映画「メイヘムガールズ」で本格的な銀幕デビューを果たすのが菊地姫奈(18)だ。これまでグラビアを中心に活動していた彼女は、かねてからの夢だった女優業への進出も始めている。自身の学生生活ともリンクする映画への意気込みや、演技への抱負を聞いた。(取材・文=大宮高史)
「メイヘムガールズ」は4人の女子高生が主人公のサイキック・アクションエンターテインメント映画。2020年、世間を襲ったコロナ第一波によって文化祭も部活もできなくなり、味気ないマスク生活を送る彼女たちが突然超能力を手に入れたことで、退屈な日常が動き出す。吉田美月喜・井頭愛海・神谷天音と新進の若手女優が集まった中に菊地も加わった。
「私が演じるケイは4人の中で一番女子高生っぽくないと言いますか、クールで一歩引いた、現実的な目線でものを考えている役。彼女のそういった性格面をどうやったら伝えられるだろう?を一番注力したので、スクリーンでじっくり見てもらえればと思います」
自身も友達から落ち着きがあると言われると認める、あまり一喜一憂しない気質の持ち主で、台本を読んだ時もケイの性格に一番共感したという。劇中で発揮する超能力は「マシンテレパス」という、スマホから相手の情報を読みとってしまうもの。「なんだか難しそうなパワーにはじめは思えて、他の子が持っている派手な瞬間移動とかも格好いいなと思ったのですが、役に入るにつれてマシンテレパスが自分にもあったら面白いなと思えてきました」。
他の登場人物が、超能力を得て変わった運命に戸惑ったり興奮している中で、あまり感情を表に出さないのが、菊地が演じるケイだ。グラビアのあどけない表情とも一味違った、斜に構えたようなクールな貌も見せている。
年齢の近い4人が集まり、菊地も劇中の高校生と同じく、コロナに翻弄された学生生活を送っていた。「コロナ第一波がちょうど高校入学の頃と重なってしまって、卒業式・入学式から修学旅行・部活にいたるまで高校生らしいイベントはほとんど経験できない日々でした。高校から始めた弓道も全然大会などに出られないまま終わってしまって。だからこそ劇中のケイたちの退屈な気持ちにも共感できるし、女子高生らしい距離感というか、人間関係を映画でも表現できたかなと思っています」。
同世代の女優たちの活躍を刺激に
共演の3人はそれぞれ女優経験を積んでいるが、菊地は本格的な映画出演は初めて。「みんな撮影中は役そのものになりきっていました。超能力を発揮するシーンはワイヤーアクションで撮ったんですが、私だけがなんだか苦戦していたみたいで。でもロケですっかり仲良くなって、クランクアップ後のクリスマスに一緒に出かけたり、みんなの出演作をチェックしたりしています。リアルな学校であまり経験できなかった友達同士のイベントもこの4人で体験できているのかも」と振り返る。
菊地のこれまでの「主戦場」はグラビアだった。2020年に「ミスiD2020」でファイナリストに選ばれ「ミスマガジン2020」で「ミス週刊少年マガジン」も受賞。コロナに翻弄された学生生活の傍ら、グラビア界の新星としてデビューし3年目の今年も雑誌グラビアを席巻中だが、俳優業への思いも持ち続けていた。
「同い年の芦田愛菜さんの子役時代の演技をすごいな! と思って私も演技のお仕事をやってみたいと思ったのが原点なんです。なので彼女は今でも憧れです。グラビアも含めてオーディションを受け続けて、今いる事務所ともご縁があって活動を続けてこられました。高校1年でデビューして、ファンの方からメッセージをいただく度に次も頑張ろうって原動力になってきまして、演技のお仕事もいただけるようになりました」
本格的に映像の現場でも仕事をするようになり、写真の「静」にとどまらず「動」の見せ方も研究中だ。「瞬間を切り取っていただくグラビアと違って、映像では常にカメラで撮られていて、しかもまるまる作品になって残るわけですから、カメラが回っているかぎり私の一番きれいな表情だったり、熱のこもったものを見せようという緊張感を持って臨むようになりました」
来年には高校を卒業し、大学進学も目指す。「メイへムガールズ」に続き、12月にも出演映画「散歩時間~その日を待ちながら~」が公開される。公私ともに転機にさしかかる時期のようだ。
「ミステリアスな役や悪役に興味があります。もっと言うとちょっと影のある謎めいた人物になって、ストーリーをかきまわすような役どころですね。そういった役で持っているクールっぽさも出していければと。私は演技を本格的に研究する時間もなかなかとれなかったので、どちらかというと現場で何でも吸収して、体感して学んできたかなと思います。『メイへムガールズ』でいただいた役もリアルな私に近い役でしたし、私生活で舞い込んでくる新しい経験もお仕事にどんどん活かしていきます。もちろんいままでの私のイメージを覆すような役柄も大歓迎です」と忙しい日々のなかでも前を向く。
□菊地姫奈(きくち・ひな)2004年10月19日、茨城県出身。20年にグラビアデビューし21年に1st写真集「はばたき」を発売。以後もグラビア誌に精力的に出演。女優としては22年にはドラマ「愛しい嘘~優しい闇~」(テレビ朝日系)「消しゴムをくれた女子を好きになった。」(日本テレビ系)などに出演。11月25日公開の「メイヘムガールズ」ケイ役で本格的に映画初出演。また、2nd写真集が23年2月14日に発売決定。