大食い女性YouTuber・三年食太郎の人気の秘訣 こだわりは「顔より食べ物が綺麗に見えるように」
総重量5キロ超えの肉盛りプレート、二郎系ラーメン10人前、巨大カツカレー10人前……数々の大食いチャレンジメニューを制限時間内に平らげる女性YouTuberがいる。登録者60万人近くを集めるほど人気の三年食太郎さんだ。特技の“大食い”を武器に、憧れの職業を手にした現在。これまでの道のりの裏側には、動画制作に対するこだわりや喜びがあった。
YouTuberを取り巻く環境の変化も実感
総重量5キロ超えの肉盛りプレート、二郎系ラーメン10人前、巨大カツカレー10人前……数々の大食いチャレンジメニューを制限時間内に平らげる女性YouTuberがいる。登録者60万人近くを集めるほど人気の三年食太郎さんだ。特技の“大食い”を武器に、憧れの職業を手にした現在。これまでの道のりの裏側には、動画制作に対するこだわりや喜びがあった。(取材・文=猪俣創平)
動画配信を始めるまで、「YouTuberの人をめちゃくちゃ見ていた」というほどYouTubeにハマっていた憧れの存在。「動画配信でお金を稼げるのうらやましいなって思いました」と、羨望(せんぼう)のまな差しで見ていた。
特技の大食いを何かに生かしたいと考えていたこともあり、YouTubeで大食い動画を配信すると、ほどなく視聴者が増えていった。反響の大きさに「めちゃめちゃ楽しいなって思いました」と、手応えとやりがいをつかんだ。
動画の収益化が可能となったことで、一層やる気にもなった。「お金を稼げるようになってくるとファンも増えてきたので、そこで『やらないと』みたいな気持ちになりました。お金も稼げるし、ファンも見に来てくれるので、やりがいを感じましたね、やり続けたいなって」と、視聴者の期待に応えていった。
配信の多くは、デカ盛りメニューなどをひたすら食べる動画だ。制限時間内の完食を目指している場合でも、食レポを行いながら丁寧に食べ進める。顔をゆがめたり、苦しんだりする姿はほとんど見せない。おいしそうに食べる姿が人気の理由。その裏側には、確固たるポリシーがあった。
撮影や編集を主に1人で行っている食太郎さん。撮影では「食べ物がきれいに見えること」にこだわる。食べ方やカメラの画角を意識し、「自分の顔が盛れるよりも、食べ物がきれいに大きく見えるよう色味などを気にして撮影しています」と明かす。
そして、大食いでの注意点は“食べすぎ”だという。「自分は大食い界隈(かいわい)の中ではそんなに食べられる方ではないんですよ。自分のキャパを超えてしまうと毎回大変だなと思います」と、適度な挑戦を心がける。
YouTubeを開始してから4年以上経過した現在、コメントとの向き合い方やYouTuberを取り巻く環境の変化も実感する。
「最近は視聴者さんからコメントでいただく意見やアドバイスとか、たとえば『このお店に行ってほしいです』みたいなものを取り入れたりします。あとは、撮影でお店に行くことが多いんですけど、お店側にもYouTuberとして見られることが増えたので、“仕事感”は出てきましたね。昔よりは撮影もやりやすくなりました」
そのほかにもファンからは、メイクや洋服について話してほしいといったリクエストも寄せられているそうだ。「美容も好きなので、何かそういう動画を出せていけたらなと思っています」と、新たな可能性も視野に入れるものの、今後も変わらず大食いをメインに動画を出していく方針だ。
動画に寄せられるコメントの多くに目を通し、「自分で編集していることもあって、今日の動画面白かったとか、動画に対する感想を言ってもらえるとうれしいです」と喜びを実感している。ファンの声と向き合いながら、今後も憧れだったYouTuberという仕事を楽しんでいく。
□三年食太郎(さんねんしょくたろう)1997年5月15日、東京都出身。2018年7月YouTubeチャンネルを開設。趣味と特技の「大食い」で人気を集め、現在のチャンネル登録者数は約60万人にのぼる。